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10年間増え続けたmixiユーザー数と反比例して減り続けてきたもの。(2007年5月31日)

ついにmixiユーザー1000万人突破!!

(注:このブログ文章は僕が2007年にmixi非公開日記に書いたものを2013年にリライトしたものです。)

 

ただ、「1000万人」という数字だけ見たらmixiやらないおじさんやおばさんや経済評論家は「すごいねぇ!」と歓声をあげるかもしれないが、しかしこの3年半、mixiユーザーの数の増加と反比例してどんどん減ってきているものがあるんじゃないか?と思う。

それは、

mixiユーザーの「mixi」という『A1キーワード脳内占有率』

なのではないか?

ということを今夜は書こうと思う。

 

 

僕がこのmixi世界に初めて召還されたのが2004年3月6日。この時mixiユーザー約1000人。

この時は産まれたばかりの「mixi」という『キーワード』にA1もA2もなかった。

ユーザー全員が初めて出会った日本のSNSに「なんだこりゃ?」という感じだった。

コミュニティもなかったので「mixi」という「モノ」でしかなかった。
イメージで言うと「mixi」という『一本の棒』が青空に高々とそびえたっている感じ。

 

 

その後、2004年の3月と4月はmixi草創期。

コミュニティ制度も生まれ、「mixi」というものが特定層に認知され始めてきた。この時mixiユーザー約1万人。

WEB上の有名人やリアル世界の有名人もいて、ある種社交界的な空気と、それと同時にmixiの中での有名な人がネタを披露する場所でもあった。

このころ、この「mixi」というものに『A1キーワード性』を強く感じる人がゆっくりと増えてきた。

もちろん個人差はあったが、中には「mixi」というだけで『A1キーワード脳内占有率』が50%~80%を占める人が出てきた。

『A1キーワード脳内占有率』が50%を越えた時点で「好き・イベントに参加したい」という状態になると仮定すれば、当時は「mixiユーザーのイベント」というキーワードのみで必ず参加する人もいた。

また、この頃は女性ユーザーでも知らない人からのマイミク申請をかなり承認していた。マイミク全員を「女の園」にした「わたし」さんという人もいたくらい。(しかもほとんど顔写真つきの女性ばかり。)

今では考えられないが、なぜそんなことになっていたのか?

それはつまるところ、mixiユーザー全体で完全招待制の「mixi」という『キーワード』のA1度が平均的にものすごく高かったからだろう。
実際にそれでさほど問題も起こってなかったように思える。

イメージでいうなら『東京タワー』
そのてっぺんに「mixi」という『A1キーワード』が輝いていて、下のほうにはこまごまとした魅力あるコミュニティやmixi有名人が散在していた。

僕が当時、微妙に反響があった、
【GREEとmixi、どっちが増えるか?】
https://a1riron.com/entry/2013/08/27/184848
を書いたのもちょうどその頃。

 

2004年5月から8・9月、ちょうど第1回・第2回のオムライスイベントとmixi版無敵会議、そしてユーザー10万人突破までがmixiの勃興期と言える。

その頃のmixiは「ちょっとした有名サイト」にはなってきたが、まだまだmixi単独経営では赤字で、先行きは不安定だった。
mixiがいつなくなってしまうかもしれない恐怖感と、「もしかしたらこれすごいことになるんじゃないか?」という期待感が入り混じった時期だった。

世間一般では認知度はまだまだ低く、それがかえっていっそうファンを増やした。
ちょうど駆け出しのアイドルが売れるか売れないかの瀬戸際の時期のようなものw

そういう背景もあり、このころも「mixi」という『A1キーワード』もユーザーの中では依然、平均して脳内占有率が高く、個人差もあるがやはり高い人では40~80%近くあったと思う。

そういう人たちがある意味mixi版無敵会議を支えたのだが、同時に実名性が急速に薄れていき、「変な人」も現れた。ただ、その「変な人」と「有名人」が入り混じるカオス状態がある種の興奮を呼び覚ましていたところがあった。

 

が、中にはこのころからすでにmixiにログインしない人が増えて来ていたりもした。
そういう人たちはmixiのカオス性よりも社交界性に魅力を感じていた人たちで、GREEのほうに興味が移っていった感がある。

僕の大学時代の学生団体系の集まりに行くと、ほとんどがGREE派だったりもした。
早慶上智系の学生や卒業生などは、オムライスやらコスプレやらmixiの歌やらわけがわからなくなってきたmixiよりもGREEを好む傾向があったように感じた。

ある意味、ここら辺で「社交界」のGREE派と「エンターテイメント」のmixi派という住み分けができてきていた感じがした。

で、これからさらにmixiはエンターテイメント化と言うか、イロモノ化していくw

この頃のmixiをイメージで例えると『富士山』
頂上に「mixi」という『A1キーワード』があり、雪の部分は果てしなくキャラの濃いいmixiハードユーザー。そして「裾野」の部分はどんどん広がって行っていた。

 

そして翌年2005年4月に「ミクシィの歩き方」発売!この時、この本の表紙にもあるようにmixiユーザー50万人。

それまでのmixiの本はmixi自体を紹介する本であったが、この本は全く趣向が違い、mixiのコミュニティを紹介する本だった。

これはなにを意味するのか?

それは昨年8月のmixi版無敵会議以来、この8ヶ月間で『富士山』の形をしていたmixiが『恐竜』の形になってきた、ということではないだろうか?

それまで何冊か出ていたmixi本はその『恐竜の頭』を紹介した本だったのに対し、この本は初めて『恐竜の尻尾』にスポットをあてた。
そしてその「面白いところ」だけを切り取って串焼きにして売ったような感じだw

それまでSNSというものは「社交界」と紹介されることが多かったが、初めて「エンターテイメント」であることを世に知らしめた一冊、と言える。

僕自身もこれが吉祥寺や国分寺の本屋に平積みされているのを見て、これはいよいよmixiがすごいことになってくるんじゃないかと感じた。

しかし残念ながら本を売るにしては50万人というユーザーは少なく、同じ時期に発売され、同じ時期に横に平積みされていた「電車男」に完敗w

そしてこの後もこのmixiという『恐竜の尻尾』はどんどん伸びていき、太くなっていった。各コミュニティが活発に活動し始めたのもこの時期。

それとは逆に『恐竜の頭』はゆっくりと低くなっていったし、オムライスだ無敵会議だという、ある意味半分mixi公認イベントもなくなったし、笠原さんもあまり表に出なくなった。

このときも相変わらず「mixi」という『A1キーワード』が脳内占有率を支配していた人も多かったが、初期ユーザーはmixiから離れつつあり、もはや「mixi」という言葉自体ではこの大きな「世界」をくくりきれなくなっていた感があった。

その後も尻尾はどんどん伸び、頭はゆっくりと下がっていった。

 

 

そして2005年9月~12月の『ミクやしき』とその直後のmixiユーザー100万人突破!!

このころが『ギリギリ』だった。

ちょうど『恐竜の頭』がそこそこ『頭』として残っていて、『尻尾』とのバランスが絶妙な時期だった。

形でいうと『恐竜』というより『トカゲ』に近かったかもしれない。
しかしだからこそ奇跡のイベント『ミクやしき』が開催できたと思う。

ミクやしきを『学祭』と例えた人が多かったが、まさにこの『学祭』は『トカゲ』のような形をした組織があってこそ開催できる。

主催をする『頭』、それを盛り上げる『胴体』、そしてそれに参加する『尻尾』。
このバランスが絶妙な時期だったからこそミクやしきは成功を収めた。

が、このころ、ミクやしきに参加した人の脳内での「mixi」のA1キーワード占有率は平均で30%前後だったと思う。紹介制度もそろそろ崩壊してきた頃だ。

「mixi」という『A1キーワード』に加え「遊園地」「貸し切り」「乗り放題」「飲み放題」「イベント」「パトラッシュ」などという『A1キーワード』の総合占有率の結果として50%を超えた人が参加したんじゃないかと思う。

 

 

2006年から2007年5月までのmixiは『トカゲ』の頭も胴体も消えうせ、『長い長い、とてつもなく長い尻尾を持った蛇』になったと思う。
そしてついにユーザー数1000万人突破。

この時期はmixi上での事件・トラブルが相次いでマスコミでも報道された。
完全に招待制度は崩壊し、怪しい業者がはびこり、一部上場に浮かれる世間の評判とはうらはらにmixiユーザーの中での『A1キーワード脳内占有率』は0~10%となっていったように思える

むしろ、様々な事件やトラブルが起こることにより、「mixi」がA1ではなくA2キーワードになり、退会した人も多いのではないかと思う。

同時にmixiが空気や水のように、ヤフーメールや地図サービスのように「そこにいつもあるもの」化し、A1にもA2にも感じなくなった人がほとんどになったのではないだろうか?

 

 

で、もし、万が一、今、
『mixi1000万人突破イベント』
を「GREE night」っぽく誰かがどこか広い会場で開催したとしよう。

で、来るのはどういう人か?

おそらく「ちょっとアレな人」ばかりだと思う。
今時mixiやってないほうが少数派なくらいの世の中で「mixi」と言う言葉はあまりにもレンジが広くなった。「サラリーマン」「大学生」「東京人」「バックパッカー」くらい『レンジの広い言葉』になった。

そういう『レンジの広い言葉』単独で、いっきに『A1キーワード脳内占有率』50%まで上昇してしまう人はどういう人か?

簡単に言うと「アレな人」である。(詳細は割愛w)

 

それより、この長くて太い尻尾を利用するべきである。

例えば、今度僕が行う旅のイベントもはっきり言ってかなりニッチ、いや、マニアックなイベントだ。mixiという『キーワード』では脳内占有率はほとんどなく、mixiはたんなる道具。

参加者はおそらく、

『旅』 20%
『ゲストハウス』 10%
『ゲストハウス管理人のキャラ』 30%
『ゲストハウスのある国』 30%

のような諸々の『A1キーワード』のトータルで脳内占有率50%に到達したのではないか、と思う。

(注:このブログ文章は僕が2007年にmixi非公開日記に書いたものを2013年にリライトしたものです。このイベントは当然、終了しています。)

 

mixiユーザー1000万人を嘆く人もいるかもしれないが、逆に言えば、『国民が総トレーディング・カード化した時代』だとも言える。

そこには普通に生活していれば絶対会えなかった自分にとっての『激レアカード』も存在するはずだし、探していればいつか見つかるのではないか、と思う。

なのでこれからのmixiはそういう『激レアカード探し』にはもってこいのツールになった。あとは『激レアカード探し』の技術を磨くだけだ。

それが僕の『A1理論』!

https://a1riron.com/entry/2013/08/23/213129

 

 

 

~追記~

この記事は2007年5月31日のmixi日記のリライトです。

いやはや、この頃(2004年~2007年)の僕は本当にmixiがA1だったんだな、とリライトしながら改めて思いました。(そりゃあ疲れるわw)

リライト前の文章はもっと長く、その時々の自分史を入れていたりしたのですが、さすがに長すぎるのでカットしましたw(ちなみに『激レアカード』は特に見つかりませんでしたw)

だいぶカットしてもまだ長いので、追記は短めにしたいですが、これをリライトしてて思うのは、

結局、mixiは特にビジョンなく始まり、ビジョンなく膨張し、ビジョンなくトラブり、ビジョンなく衰退したサービスだったんじゃないか?

ということです。

その「ビジョンのなさ」が多くの初期ユーザーの好奇心をくすぐったのでしょうが、同時に成長したあとも特にビジョンがなかったところが初期ユーザーを離れさせた原因かと。

ただ、当時の他社SNSはどこもどっこいどっこいで、その中ではmixi(当時はイー・マーキュリー)は運営は飛びぬけてしっかりしていたと思う。(当時は突然、会社ごとなくなったサービスもありましたから。。。)

ま、どちらにせよ、最初の3年くらいのmixiがめちゃくちゃ面白かったのは僕の中では確かです。

当時、いっしょにmixiイベントやっていた人がちょうど今の僕と同じ歳でしたが、結婚して妻が家で待ってる彼は、
「mixiが出るのが遅すぎた。。。」
と、悔しそうに言ってました。
そういう3年を20代後半という最高のタイミングで過ごせたことはすごく幸運だったと今は思っています。

 

次回は、人間は結局「『A1キーワード』の奴隷」なんじゃないか?という内容です!

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