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「早稲田祭」という名の『デッドオアアライブ・クラスタ』の檜舞台とソーシャルの時代

来場者数16万人という日本最大級の学園祭「早稲田祭」に行ってまいりました!

「早稲田祭」に行くのは確か三度目で、一度目は2008年の沢木耕太郎さんの講演会、二度目は去年、友達とぶらぶら散歩がてら行きました。

で、今年の僕には密かなテーマがありました。それは、

「早稲田祭」と『デッドオアアライブ・クラスタ』の相関関係について考察する

というものです。

『デッドオアアライブ・クラスタ』については前回のエントリをご参照ください。
https://a1riron.com/entry/2013/10/26/155839

 

で、僕は早稲田祭に行く前に少し仮説的なものを立てました。

早稲田祭は学祭というより文化祭であり、この場合の「文化」とは「サブカルチャー」。

つまり早稲田とは「大学」というより、『デッドオアアライブクラスタ』が一直線に目指す社会不適合者の収容所。(吾妻ひでおの「アル中病棟」に近いw)

結局、「早稲田」とは『デッドオアアライブ・クラスタ』な大学・学生・OB・OG間の「共依存」関係を示す『A1キーワード』であり、それ以上でもそれ以下でもないのではないだろうか。

『下流文化』家庭に生まれたが、たまたま個人モジュール生成能力のある『デッドオアアライブ・クラスタ』な個人が目指す「生き場」が早稲田なんじゃないか、と思う。

 

早稲田なんて1年間勉強すれば入れる大学だ。

「1年も勉強するなんてダルい」

という人はおそらく『デッドオアアライブ・クラスタ』ではないんじゃないか、と思う。

「たった1年勉強するだけで早稲田に行ける!めちゃくちゃコスパがいい!!」

と考えるのが『デッドオアアライブ・クラスタ』なんじゃないか、と思う。

『庶民・クラスタ』にはサブカルチャーに対する個人モジュール生成能力は必要がない。

本人の『A1キーワード』とその脳内占有率に沿って、パッケージ化された既存のサブカルチャーのモジュール群をただインストールするだけの人生でいい。

流行りの歌を歌い、流行りの服を着て、流行りの車に乗り、流行りのアプリやソーシャルメディアを使う。そして東京ディズニーランドで思い切り楽しめばいい。

それがいいか悪いかは別として、そういうクラスタなんじゃないか、と思う。

庶民クラスタは進学する大学もその地方にある家から一番近い私立大学とかだから、学園祭自体もパッケージ化されていて、100km離れたとなりの県の大学と同じ芸人とかがスケジュールの持ち回りで来たりする。

つまり学園祭に「個性」があまり感じられない。甲子園に全く行く気のない高校の野球部がどこも野球同好会になっているのと似ていると思う。

僕の言葉で言うと「個人モジュール生成能力」がない人たちの学園祭だ。それが『庶民・クラスタ』の学園祭。

それに比べて『デッドオアアライブ・クラスタ』の学園祭は、もうその名の通り「死ぬ気」で表現を追求している人たちの宴なんじゃないか、と思う。個人モジュール作りまくり、的な。芸術爆発しまくり、的な。

そんな宴を「見に行きたい!」というマーケットは日本にはそんなには大きくはない。けど、そんなには小さくない、と思う。

僕的には早稲田祭を歩きながら考えたのは、「コミケ」という巨大な同人誌マーケットから漏れた、細かいサブカルチャーの表現の場の集合体が「早稲田祭」なんじゃないか、ということだ。

いろんなサブカルチャーの『A1キーワード』がギュッと詰まった場所が、東京新宿区の大きなキャンパスに2日だけ存在し、それらが互いにつながり、それらが自分の中のさらに新しい『A1キーワード』に気づかせてくれる、それが「早稲田祭」という名の「サブカルチャー祭り」なんじゃないか、と思う。

 

『庶民・クラスタ』にはそれらは「アバンギャルド過ぎる」のかもしれない。

フランスやスペインの「アバンギャルド過ぎる美術館」を見た常識人や、ピカソやダリの絵を見た常識人や、松本人志の映画を見た常識人の反応のように「こいつ、狂ってやがる」と思う人もいると思う。

「文化資本」とも言われるメインカルチャーでなら「先鋭的」と褒められるかもしれないが、サブカルチャーでは「アバンギャルド過ぎる!」もしくは「狂ってる!」といわれる『デッドオアアライブ・クラスタ』が2日だけ市民権を得る(?)祭りがこの「早稲田祭」なんじゃないだろうか。

ちなみに早稲田でも内部進学者や東大落ちた政経や法組等は早稲田祭を冷めた目で見ていたりする。それは彼らが早稲田内の『エリート・クラスタ』もしくは『ボンボン・クラスタ』だからだろう。

それとは逆に貧乏家庭出身なのに、早稲田に憧れて、憧れて、新聞配達しながら何浪もしてやっと社会科学部や文化構想学部にひっかかった『デッドオアアライブ・クラスタ』な人たちが主役の祭りが「早稲田祭」なんじゃないだろうか。

で、僕はどうしてもそんな早稲田祭と、その直前に読んだ吾妻ひでおの「アル中病棟」の風景が被って仕方なかった。誤解を恐れず言えば「早稲田祭とは『アル中病棟』である」とも言えるのではないか。

「アル中病棟」の最後のほうに頻繁に出てくるセリフがある。

「完全主義者は身を滅ぼす」。

アル中のような依存症になるのは「ダメな人」というより「完全主義者」だと吾妻ひでおは言っている。「独自性にこだわりすぎる」と。

 

僕の言葉で言うと、『A1キーワード』からくる個人モジュール群の生成に命がけすぎる、職人すぎる、というところだろうか?

「文化を更新する」という人間の営みからするとものすごくがんばっている個体なのだが、世の中の人(『庶民・クラスタ』)は全く理解してくれない。

ダウンタウン・まっちゃんこと松本人志が、高須光聖とのラジオで、

「俺、お笑いがなかったら自殺しとったんちゃうか?」

と言うと、高須光聖が、

「考え過ぎでな。」

と言っていたが、このやりとりがまさにそうで、モジュール生成能力のある『デッドオアアライブ・クラスタ』が、その能力を認めてもらえない状態が長く続くと、アルコールに依存したり、自殺しちゃったりするんじゃないか、と思う。パソコンでいうと熱暴走や強制シャットダウンに近いかも。

 

もしかするとその調整弁として今は「ソーシャルメディア」や「早稲田祭」というものが機能しているのかもしれない。

(まっちゃんの場合はたまたま吉本NGKとテレビと浜田というナビゲーターがいたからこそ、松本作成のモジュール群が幸いにも世に出た、と思う。)

 

今回の早稲田祭には僕は行きたいイベントがあった。

「ネット社会のいまを語る。」というテーマで、西村博之氏と家入一真氏がトークショーをするという。
http://getnews.jp/archives/445687

もうこれ、本当にサブカルチャーだと思うw

で、僕は個人的にはこの二人はあまり好きではなかったのですが、ネット媒体という二次情報でしかこの二人を見たことがなかったので、実物を見に行ってきました。

トークショーもものすごくおもしろかったのですが、僕の結論としては、

「この二人も結局、『デッドオアアライブ・クラスタ』じゃん。」

でした。

正岡子規が自身の『A1キーワード』に沿って俳句や短歌という日本文化モジュールを更新したように、

吾妻ひでおが自身の『A1キーワード』に沿って漫画モジュールを更新したように、

ダウンタウン松本が自身の『A1キーワード』に沿ってお笑い文化モジュールを更新したように、

この二人も、与えられた自身の『A1キーワード』に沿って、日本のネット文化を更新してきただけの人のように僕には思えた。

「バカと天才は紙一重」と言われるけど、これは僕は、単に『デッドオアアライブ・クラスタ』が生成した個人モジュールが世に出るかどうかだけだったと思う。

世に出れば世紀の「天才」。

世に出なければ田舎の「バカ」。

で、この「世に出る」の概念がインターネットの登場によって変わってきた気がする。

松本人志までのギリギリ20世紀な人は、「世に出る」までに何段階か人に認められる必要があったと思う。

尼崎の中学校で浜田に認められ、大阪で吉本に認められ、東京でフジテレビに認められないと松本人志は「世に出」なかった。

ネット時代、ソーシャル時代に入り、個人と個人が『A1キーワード』で繋がりだしてからは、個人で生成したモジュールをマーケットに直に披露できるようになったんじゃないか、と、僕は思う。

ある意味、「バカ」と「天才」の境界線が曖昧になってきたのかもしれない。

ひろゆき氏がトークショーでも言っていた、

「好かれる人にはどうやっても好かれるし、嫌われる人にはどうやっても嫌われる。すべての人に好かれるのは無理。」

という言葉がすごく印象に残っている。

僕の言葉で言えば、

「『A1キーワード』を共有する人間にだけ評価されればそれでいいのだ。極論言えばそれ以外のすべての人間には嫌われてもいいのだ。」

ということになる。

で、僕はこの考えが今後の世界の主流になる、というかもしかするとすでに日本以外ではそうなっているのかもしれない。

 

テレビ・ラジオ・雑誌などの既存マスメディアを通さずに個人と個人が(A1,B1)関係を構築できるソーシャル時代と、早稲田祭、そして『デッドオアアライブ・クラスタ』は非常に相性がいいんじゃないか?

 

と思った2013年の早稲田祭でした。

 

それが僕の『A1理論』!

https://a1riron.com/entry/2013/08/23/213129

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