前回は、敵の『A1キーワード』を知り、己の『A1キーワード』を知ることが百戦百勝のパターンなんじゃないか、と書きました。
https://a1riron.com/entry/2013/10/08/103625
前回は「試験」、特に「ペーパー試験」「論文試験」について書きましたが、今回はさらに考察を進めてみました。
「話が上手な人」と日本語で言うと僕個人はなんかふわっとした印象を受ける。
どこからどこまでが「話が上手な人」なのか、わかるようなわからないような感じがする。
Aさんが「あの人は話が上手い」と言ってても、Bさんは「あの人は話が上手くない」と言っていたりもする。
僕なりに「話が上手な人」を定義するとするならば、『A1キーワード』の「モジュール群作成能力」と「『B1キーワード』マッチング能力」を兼ね備えている人、なんじゃないかと思う。
結果として、『脳内占有率』の高低はあれど、ベストな(A1,B1)関係を構築できる人、とも言えるかもしれない。
「営業」とか「販売」という仕事は個人間ではなく、法人対個人、法人対法人で「『A1キーワード』のモジュール群」を作成し、『B1キーワード』にマッチングさせる作業、とも言えるかもしれない。
コンシューマー営業、リテールは、
法人モジュール群→個人の『B1キーワード』
法人営業、ホールセールは、
法人モジュール群→法人の『B1キーワード』
でマッチングさせていると思う。
自社の製品の知識の羅列では物は売れないし、顧客の『B1キーワード』を知っていても自社製品のスペックを理解していないと要求を満たせない。
しかし、その両方ができている営業マンや販売スタッフにも販売数等の結果に差が出てくるのはなにかと考えると、僕は「法人モジュール」の数とは別に「個人(自分)モジュール」の数があると思います。
できる法人営業マンはおそらく、
法人モジュール群+個人モジュール群→法人の『B1キーワード』
という必勝パターンで「個人のモジュール」を介在させていることで、「人間味」が出てきて、それが「成約」に結びつくのではないだろうか、と思う。
「個人のモジュール」とはもちろん営業マン自身の『A1キーワード』から事前に作成しておいた、いわば仕事と関係のないモジュール群だ。
「野球の話」「地域のお祭りの話」「おいしいお店の話」「車・バイクの話」
などが対個人の場合は『B1キーワード』になりやすいし、
「流行りのウェブサービス」「流行りのデバイス活用法」「流行りの業務形態」「新しい働き方」
などが対法人営業の『B1キーワード』になりやすいと思う。
でもそこにマニュアル通り、教科書通り、ネットで見た記事のとおりに応えるだけでは「個人」が内在していない。
その分野に詳しくなくても「個人」の『A1キーワード』からいくつかの「モジュール群」を作成しておいて、自分なりに、自分の『A1キーワード』に基づいてその観点から話ができれば「自分の頭で考えられる人」「物事を多面的に見れる人」と印象付けられる、それが「信用」「成約」に結びつくのかもしれない。
もちろん、事前に先方の『B1キーワード』を知っている状態ならシミュレーションができるという意味でさらに有利だ。なので「マッチング」のために事前の情報収集も「できる営業マン」は怠らないと思う。
ちなみにフリーランスは、
その業界のモジュール群+個人モジュール群→個人、もしくは法人の『B1キーワード』
になると思う。
前回のエントリで書いた論文試験をこのパターンに当てはめると、
教科書モジュール群+個人モジュール群→論文試験の『B1キーワード』
となる。
試験が問うているのはその試験問題に対し、教科書的な知識で回答でき、かつそこに「個人のモジュール群」が内在しているかどうかなんじゃないか、と思う。
(教科書的な知識のみを問うなら論文形式にする必要はない)
この夏に発売された情報処理問題集のコラムで、
「情報処理の論述試験とお笑いトーク番組は似ている」
と書いている人がいて、最初読んだ時は僕は「なんのこっちゃい」と思いましたが、今はその人が言わんとしたことがなんとなくわかってきました。
「お笑い番組」と言っても「コント」や「漫才」みたいな番組ではなく「トーク番組」は、
古典的なお笑いモジュール群+個人モジュール群→客や番組や時代の『B1キーワード』
という「作業」が情報処理の論文試験の必勝パターンと酷似しているからなんじゃないか、と思う。(そして実際の業務にも)
僕自身も関西人で、子供の頃からお笑い番組ばかり見てて、中学生くらいからは特にトーク番組ばっかり見てましたが、やっぱり面白い芸人さんはこの必勝パターンができていたと思います。もっと言えば芸人さんでもないクラスの「オモロイやつ」も。
僕自身の偏見で情報処理のレベルに当てはめると
レベル1■普通の人
レベル2■全国ネットレベル・オモロイ関西人
レベル3■関西ローカルのトーク番組レベル・めっちゃオモロイ関西人
レベル4■島田紳助・松本人志レベル
全国ネットの番組より関西ローカルの番組のほうがレベルが高いのはやっぱり関西人は子供のころから古典的なお笑いモジュール群を理解している人が多いからな気がする。お笑いプロトコルが同じと言うか。
だから東京ではテレビを持ってない僕も、実家に帰ったら関西ローカルのトーク番組ばかり見てしまいますw
(僕はこれが関西人が東京に行かない大きな原因だと思ってますw)
で、レベル4の島田紳助・松本人志の二人は個人の性格などの好き嫌いはありますが、お笑いに関してはやっぱり他の芸人さんより飛びぬけて「モジュール群」と『B1キーワード』のマッチング能力があると思います。
たぶん「モジュール群」だけで言っても、他の芸人さんとは二ケタか、下手したら三ケタくらい違うんじゃないでしょうか。実際に上記の情報処理問題集のコラムで取り上げられていたのも松ちゃんの番組でした。
(マッチング能力のタイプで言うと島田紳助は完全データ型・デジタル型、松本人志は直感型・アナログ型と言えるかもしれない)
松ちゃんが著書で「面白いやつの条件」として「貧乏・ネクラ・女好き」と言っているのは、貧乏でネクラなら個人のモジュール群作成に没頭でき、さらに女性を口説く能力が相手の『B1キーワード』を引き出す訓練になるからなんじゃないか、と勝手に思う。
ちなみにお笑いではなく音楽で言うと、小室哲也やつんくの曲が20世紀末に売れたのは、
古典的な音楽モジュール群+個人モジュール群→CDを買う客層の『B1キーワード』
に徹底的にこだわり、「自分達がA1な曲」ではなく『B1な曲』(売れる曲)に照準を合わせ、それに徹底的にこだわったからだと思う。
つんくが「ロッカーがかっこいいと思う曲よりダサい曲が売れる!」と言ったのがそれを象徴していると思う。「パンクロック」よりも「大衆音楽」を目指したんだと思う。
で、このブログのテーマである『ソーシャル疲れ』に関していうと、「ソーシャル疲れ」しない必勝パターンは、
古典的なソーシャルメディアリテラシーのモジュール群+個人モジュール群→個人の『B1キーワード』
になるだろう。
が、法人モジュール群や業界モジュール群や教科書モジュール群や古典的なお笑いモジュール群や古典的な音楽モジュール群等に相当する「古典的なソーシャルメディアリテラシーのモジュール群」がこの世界に未だ体系的に存在しないためにこの世に「ソーシャル疲れ」が数多く発生するのではないか、と僕は思う。
で、「ソーシャル疲れしない人」とは、自分自身で「ソーシャルメディアリテラシーのモジュール群」を構築しちゃってる人なんじゃないか、と思う。
けど、それは個々人の脳内にある「属人的」なプロトコルで、未だ完全にそれぞれがスタンドアローン状態だ。
で、僕自身の「ソーシャル疲れしないプロトコル」が、この『A1理論』で、それをオープンソース的に公開したのがこのブログです。
それが僕の『A1理論』!