mixi社が通期で赤字転落というニュースが入ってきました。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1310/01/news088.html
mixiの各種サービスに関する細かい敗因はあるんだろうけど、僕が考える根本原因を『A1理論』で言うと、mixiは、
「人間は『A1キーワード』が変化する動物」
だということを理解していなかった、もしくは理解していたけど対策を打てなかった、ということなんじゃないかと思う。
僕は人間は『A1キーワード』を日々、変化しながら生きていく動物だと思う。
それを日本語では「成長」と呼ぶのかもしれない。
最近、僕の友達の誰かが、
「1つの『こと』は大体、3年くらいで『飽きる』。」
と言っていた人がいた。
この『こと』って、「仕事」であったり、「スポーツ」であったり、「アーティスト」であったり、「本のジャンル」であったり、すると思う。いわゆる「オワコン」ってやつ?
特に「頑張って」やったこと・やった人は「飽き」が3年くらいで来ると思う。
「あんなに熱心に取り組んでいた人が、あんなにスパッと辞めちゃって、、、」
とか言う人がいるが、僕は「あんなに熱心に取り組んでいた」からこそ、スパッと「次」に進めたんだと思う。
そう考えると、2年半くらいでひとつのスパンが終わる中学や高校の「部活」とかは案外、いいシステムなんじゃないかな、とも思った。
理由は、中学で「バレー」をやってたけど、高校では少し軽く「バトミントン」部に入ってみた、とか、変化した『A1キーワード』からのジョブチェンジが可能なところだ。
逆にずっと「野球」とか、ずっと「テニス」、それこそ大学に入っても「サークル」ではなく「体育会」で続ける人は、もうずっと一生、そのスポーツにA1なんじゃないかと思う。それで食べていく人もいるくらいに。
そう言えば、旅人の間での都市伝説で「3年以上旅を続けると、一生、旅を続けることができる」というのがあるらしいが、それも「旅」に「飽きる」人と、旅を「極める」人の違いなんじゃないか、と思う。
で、僕は『A1キーワード』を(微妙に変化させながら)極めるのも、『A1キーワード』を(抜本的に)変化させ続けるのも、どちらも「成長」だと考えている。
後者は日本社会では評価されないことが多いが、3年ごとに「転職」を繰り返して、どんどん上級職にパワーアップして年収を上げている人も実際にいる。でもこれは日本以外では普通のことで、逆に海外では同じ職場に何年も留まるほうが「進歩がない」とみなされたりする。(ケースバイケースですが)
だから僕は『A1キーワード』を変化させていく人間のほうが変化させない人より圧倒的に多いと思う。
で、『A1キーワード』が変化する以前は同じような『A1キーワード』を持ったカードを集めて(A1,B1)関係になろうとするが(『A1キーワードの奴隷』)、『A1キーワード』変化後はそれが「足かせ」になる場合がある。
特に本気で「頑張って」やってたこと、やってた人に関してはよりそういう状況が顕著なんじゃないだろうか?
でも下手に『y』を投資したぶん、切るに切れないし、だからと言って新しく変化した『A1キーワード』には全力で『y』を投資したい。
mixiを一旦、退会してIDを変えるのも微妙に面倒だ。
で、その状況にさらに追い打ちをかけるのが、mixiが「ブログを埋め込んでいる日記型SNS」であること。
過去の日記を全部削除した僕の友達もいたが、これが微妙に消せないし、かといって残したくない。
結果「mixiから一時的に距離を置く」という手を打たざるを得ない。かくいう僕も半年以上ログインしない期間がありました。
で、復帰したらしたで、半年以上前の「自分」がそこにいるのがなんとなく許せない、半年以上前の自分の『A1キーワード』とその『脳内占有率』に戻りたくない。
それはこの半年で「成長」した今の自分を「肯定」したいからだと思う。
アイドルが昔の「お宝映像」を掘り起こされたくないのと同じ、雑誌編集者が昔のバックナンバーと全く同じ「復刻版」を作られたくないのと同じ心理だと僕は思う。アイドルや編集者にとっては「お宝」でも「復刻」でもなく単なる「黒歴史」だからだと思う。
なので、そのせっかく復帰したmixiユーザもまた半年ほど再び「休眠期間」に入り、もう二度と戻ってこないか、もしmixiのホーム画面まで戻ってきてもメールアドレスやパスワードが思い出せない。
だからmixi全体が過疎化する。
で、そもそも「人」とコミュニケーションできるのが主観業務の『SNS』で、「人」がいないと意味がない。「ソーシャルメディア」たりえない。
特にmixi特有のニッチなコミュニティに人がいないとログインする気をさらになくさせる。
僕自身もmixiでしか得られない情報であろうニッチなコミュニティのトピックの最後の書き込みが2010年とかだと「ガクッ」っとくるw
2006年秋にmixi社が上場した頃、その上場の勝因は、
「ブログをSNSに埋め込んでいたこと」
「ニッチなコミュニティを生成できたこと」
などと言われていたけど、今はその二つが逆に過疎化の「アダ」になって、オワコンな雰囲気をいっそう漂わす結果になってしまっていると思う。
日記とコミュニティが「オワコン化」している以上、他の付随サービスをどれだけ頑張ったところで厳しいんじゃないか、と、最初の4年間ほどmixiを毎日4時間以上やってた僕は思う。
で、こういうこと(『A1キーワード』は変化すること)はmixiに一時期でもはまっていた元ユーザはたぶん誰でも理解していると思う。
さらに、mixi社の中でも理解していた人は絶対いたと僕は思う。
じゃあなんでそれを理解しつつも「おちぶれる状況」からハンドリングできなかったというと、僕的には、
「日本では一度、天下を取った組織は『公家化』する」
という法則がmixiという「会社」にもあてはまっちゃったんじゃないかなー、と思う。
日本という『カントリー』における「公家化」した集団を歴史順に見ていくと、
天皇家・藤原家の『公家化』→鉄砲伝来により崩壊
↓
武士の『公家化』→黒船来航により崩壊
↓
大学・文民の『公家化』→軍部の台頭により崩壊
↓
陸軍・海軍の『公家化』→終戦・GHQの日本占領により崩壊
↓
重厚長大企業の『公家化』→プラザ合意により崩壊
↓
マスコミの『公家化』→インターネットの登場により崩壊
↓
ITメーカーの『公家化』→スマートフォンの登場により崩壊
↓
CT(コミュニケーション・テクノロジー)企業の『公家化』→facebook、twitterの登場により崩壊(←いまここ!)
元々、舶来物だったテクノロジーを世界最高スペックまで製錬させるのは得意なんですが、そのあと組織が『公家化』してしまってからはいっきに世界に取り残され、ついには追い越され、組織もろとも詰む。
というパターンを有史以来、ずーーーっと繰り返しているのが『日本』という『カントリー』の特性なんじゃないか、と、僕は思います。
「うさぎとかめ」の「うさぎ」みたいな『カントリー』かとw
(あなたの会社にも『公家化』した社員いません?w)
ゲームで言うと、今のドラクエは欧米では「『ジャパンRPG』はシステムがおかしい!」と言われたりもしますが、ドラクエも元々昔のアメリカのゲームの「ウルティマ」と「ウィザードリィ」をコピーして組み合わせたゲームです。(スクエニも『公家化』?w)
あと、日本の大学で昔は勢いのあった有名サークルとかもそのうち『公家化』して、動かない「意識の高い(だけの)学生()」ばかりになりますw(だいたい創立20周年くらいから『公家化』w)
「mixiは頑張れば世界を狙えた!」
という人が時々います。
今のオワコンmixiしか知らない人にとっては全くもって信じられないと思います。
が、僕はそれは確かにあった、と思います。
少なくとも実現可能性はあった、と思います。特に初期の神がかってたmixiにおいては。
だから初期のmixi版無敵会議とかにも出席していた初期ユーザーは「あーーーー」となってるんだと思います。僕の言葉で言うと、
「『y』を返せ!」
とw
が、それは、
「太平洋戦争は『日本』はちゃんとやればアメリカに勝てなくはなかった!少なくとも『善戦』はできていた!」
というおじいちゃんに似ていると思います。(ちなみに僕もそう思います)
が、仕方がないのです、『日本』という『カントリー』はすぐに『公家化』しちゃう国なんですから!w「うさぎ」なんですから!w
完全なる僕の意見を言えば、
「『日本』という『カントリー』で起業した以上、mixiは栄えるべくして栄え、没落すべくして没落した。」
と思います。
まさしく「諸行無常の響きあり」ですな。。。
それが僕の『A1理論』!
https://a1riron.com/entry/2013/08/23/213129
【よろしければこちらもご参照いただければと思います】
10年間増え続けたmixiユーザー数と反比例して減り続けてきたもの。(2007年5月31日)
https://a1riron.com/entry/2013/09/13/181953
~追記~
ちなみにGREEも正社員削減らしいですが、これは次界編に入った「ビックリマン」がヘッドが出まくって没落していった原因と全くいっしょだと僕は考えてますw