※ゲストハウスにお泊りの際は感染予防に努め、手洗い・うがいを徹底いたしましょう。またオーナーさんやスタッフさんの感染予防指示には必ず従いましょう。
ゲストハウスが好きです!
しかし、2020年11月現在はご存知の通りコロナ禍。
フランス始めヨーロッパ諸国は再度のロックダウンに踏切り、日本も北海道などの北国では感染者が増えつつあります。
そして日本はGO TO TRAVELキャンペーンを行っているにも関わらず、ゲストハウスはほぼ対象外状態になっており、経営者の心境は察して余りあるものがあります。
そんな複雑な心境も抱えながら、あえてこの記事を書いてみました!
ポリシーのある宿を丁寧な取材で紹介するフリーペーパー『ゲストハウスプレス』が書籍になった!
ゲストハウス好きにはかなり有名な、白い見開きのフリーペーパー『ゲストハウスプレス』!
多くのゲストハウスにある▼「フライヤー棚」に置いてあるので見たことがある方も多いのではないでしょうか?
フリーペーパーのご案内/バックナンバーと配布場所 – ゲストハウスプレス
『ゲストハウスプレス』は不定期発行のフリーペーパーで、毎回1軒のゲストハウスを丁寧に紹介しています。
編集長の西村祐子さんが実際に自費で泊まったゲストハウスで、本当にいいと思った宿を再取材して作り上げる、という編集スタイルです。
詳しい編集方針は▼こちら!
特に僕は▼この考え方が好きですねぇ。
ポリシーのある宿・施設を紹介します。
ポリシーとは、対象物に対する「アツい想い」のこと。なぜこれをつくったか?どうしてこのサービスを行っているか? そこには必ずオーナーやスタッフの情熱があるはずです。取材させていただく中で、そうした作り手の想いが見えたとき、 それを、第三者の目で見てご紹介するのが、ゲストハウスプレスの役目だと思っています。
僕自身も2016年から編集長の西村さんが▼主催・登壇するイベントには何度か参加してきました!!
▼書籍『まちのゲストハウス考』でも西村さんの文章が読めます!(ちなみに僕のこのブログ記事を西村さんはすごく褒めてくれました!)
その『ゲストハウスプレス』が昨年、▼一冊の本になりました!!
Amazonでも購入できますが、品切れで高値で転売ヤーから転売されている場合が多いので、▼この下の楽天ブックスや版元ドットコムで定価(1,600円+税)で購入することを強くオススメ致します!
今回のこのブログ記事を書くまでの長い道のり。半年かけてやっと書籍を手にいれたものの、、、
で、この書籍が発売されてから約1年、やっと今回のブログ記事を書くことができました。長かった。。。
その経緯をちょっと書いてみます!
まず、そもそも書籍を手に入れるまでの道のりが長かった。。。
2019年の夏に▼出版プロジェクトのクラウドファンディングが開始されました!
全国の人気ゲストハウスを徹底取材『ゲストハウスプレス』出版プロジェクトスタート! - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
で、僕はこの時、まだ新しい仕事が始まって半年ほどだったので、仕事に慣れるだけで精一杯な状態。さらに瀬戸内国際芸術祭の複雑な旅程を考えながらの生活だったので、なぜかこのクラウドファンディングで3000円の支援を選択。
どうせブログで書評記事は書くのだから5000円の支援にしておけば、書籍もすぐに送られてきて、しかも書籍巻末にSpecial Thanksとして名前が載ったのに、、、と、後から激しく後悔することにw
(この記事を書きながら、またもや激しく後悔w)
ちなみに▼これがその書籍巻末のSpecial Thanksのページ。ちょくちょく知ってる人や知ってるゲストハウスの名前が出てきて楽しい!(そしてなぜか、にゃんすが一番上の行にw)
で、昨年の年末に書籍を購入しようと思いましたが、Amazonではすでに品切れで、東京の本屋にも在庫はない状態でした。
年末、広島旅をした時に▼広島駅前のジュンク堂で探したりもしましたが、やはり見つからず、、、
そうこうしているうちに年が明け、始めて実物を拝めたのは▼今年2月の最後の3連休の下諏訪でした。
そして、その下諏訪に滞在していた2月。
長野でさえ、道行く人はちらほらマスクをし始めていました。
そうなんです、この後、このゲストハウスに気軽に泊まれていた『世界』自体が一変してしまったのです。
2020年、コロナ禍で苦しみ続けるゲストハウス業界。
僕がこの書籍『ゲストハウスプレス』を手に入れることが出来たのは、Amazonに書籍が入荷した、2020年3月中旬。
平日の真昼間に家に配送されてきたのですが、僕は再配送無しで受け取れました。
そう、その頃にはすでに僕は在宅ワークに移行していたのです。
当時、ヨーロッパの国々は感染者・死者が増え続け、ロックダウンが始まり、日本ももうすぐミラノやニューヨークのように街に死体の山ができるんじゃないかと言われていた頃です。
マスクどころか、トイレットペーパーや食料品も品薄になっていた頃です。
ゲストハウスどころか、この『世界』自体がどうなっちゃうのかわからない状況でした。
4月には緊急事態宣言が出され、外出もできない事態に。
それから各地のゲストハウスはクラウドファンディングを行ったり、オンラインショップでグッズを販売したり、YouTubeで動画を配信したり、▼『オンライン宿泊』などを行ったりしていました。
僕もクラウドファンディングやオンラインショッピング等で合計3万円ほど支援しました。
自分は自宅で仕事ができて収入も変わらないのに、政府から10万円の定額給付金ももらったので、お世話になっているゲストハウス業界に還元したいと思ったからです。
そんな中、日本のゲストハウスの草分け的存在で、本書にも登場する岡山・倉敷の▼『有鄰庵』が閉業したのは個人的にはかなりショックでした。
ゲストハウス有鄰庵は閉業して新しく生まれ変わります | 有鄰庵
▼『有鄰庵』の中村さんのイベントに参加した時の記事。
▼2018年末に『有鄰庵』に宿泊した時の記事。
旅行業を救うべく7月下旬から始まったGO TO TRAVELキャンペーンでも、ゲストハウスはあまり恩恵を受けられず、、、
(まぁ、自◉党の2F幹事長の票田じゃないからなんでしょうねぇ)
10月から東京都民もGO TO TRAVELキャンペーンの対象になりましたが、ゲストハウスは相変わらず、ほぼ恩恵を受けることが出来ていないようです。
コロナで1番打撃を受けて、1番景気が回復してないゲストハウス業界に政府からの支援は全く届かない。
非正規雇用がコロナをきっかけに解雇→貧困スパイラルに陥っていくのと似ている。
政府にとってはここら辺はスコープ外なんだろうなぁ。 https://t.co/2OippfPNfI
— A1理論 (@A1riron) 2020年10月27日
そんな中、10月初旬に、僕は、
「ゲストハウスプレスのブログ記事を書くなら、今でしょ!」
と思い立ちました。
しかし、10月下旬よりヨーロッパに第二波が広がり、日本の感染者数も微増傾向。
春頃には日本のゲストハウスに国内外のゲストが戻ってくるのには2年くらいかかると言われていましたが、最近は3年くらいとも言われ始めました。
そこまで個人営業の宿が多いゲストハウスの運営資金が持つかどうか、非常に心配です。
かくいう僕も、「エピセンター」とも言われる東京新宿区在住で、ゲストハウスに泊まりに行くならPCR検査はしないとダメだろうなと思っています。
が、万が一、陽性だったら職場に報告しないといけなくなるので、派遣社員という弱い立場上、来年春くらいまで、ちょい様子見です。。。(ゲストハウス関係者の皆様、すみません。。。)
というわけで、この記事を書くかどうかも直前まで迷いましたが、今書かないと来年とかまで書けなくなるかもしれないので、今の僕の心境も含めて書くことにしました。
この本を開くと、ビフォアー・コロナのゲストハウス世界に飛んでいける!元気が出る!!
で、少し後ろ向きな気持ちで再び開いた書籍『ゲストハウスプレス』ですが、ページをめくるごとにコロナ前のゲストハウス世界に飛んでいけるんですよ!!
▼誰もマスクしてない!!
(ちなみに、マスクが「達人が持っていく!旅の便利アイテム」として紹介されていますw)
ページをめくる度に、すごく元気になれます。
泊まったことがあるゲストハウスの文章も、泊まったことのないゲストハウスの文章も。
一度、フリーペーパーで読んだことがあった文章でも、今、読み返すとまた違った印象を持ったりもします。
もう数え切れないくらい泊まった下諏訪のマスヤゲストハウスさえも。
ゲストハウス好きなのに、今現在、旅ができていない人にはオススメですし、ゲストハウスに泊まったことがない人にもオススメです!
また、上記写真の左のページのように、フリーペーパー時代に無かった文章やアンケート、滞在情報などもあり、情報量としてはかなり満足できると思われます。
またその文章も、やたらリアルでなんかニヤニヤしてしまいますw
上記写真の左ページのように、地元の居酒屋やスナックに潜入する方法とかw
ゲストハウス好きがおすすめするゲストハウスなんて、
「うわー、マニアック!!w」
「これ、どこやねんw」
みたいな感じでひとりで盛り上がれますw
時代に翻弄されながらも、哲学を持っているオーナーさん達の生き様を感じられる!
特に僕が好きなページは▼ここですね!
ゲストハウスのオーナーさんに、ゲストハウスの旅の魅力を聞いたページ!
もう、これはそのオーナーさんのマインドと、そのゲストハウスの『核』となる部分ですね。
あまりにも直球過ぎて、逆に聞けない質問でもあると思いました。
特に泊まったことがあるゲストハウスのオーナーさんの言葉には、その土地やゲストハウスが建つ場所のバックグラウンドも理解できるので、
「ああ、なるほど。そう考えているのか。」
と納得したりします。
そこから、それぞれのゲストハウスの部分の文章を読むと、時代に翻弄されながらも懸命に生きているオーナーさん達の生き様や哲学が見えてきます。
人間ドラマですねぇ。
ずっと不況が続いていた平成という名の氷河期時代。
海外格安旅行が進み、大学生でもバイト代でアジアのゲストハウスに泊まれるようになったり。
IT革命が起こり、人類がスマホを持ちながら旅するようになったり。
2011年の東日本大震災で人々の価値観ががらっと変わり、地方移住やノマド生活をする人、ミニマリストなる変人が出てきたり。
そんな時代に翻弄されながらも、ずっと哲学を持って生きてきたゲストハウスオーナーさんたち。
本書に載っていても、残念ながら現在は閉業してしまったゲストハウスも、その結果に至るポリシーのもと、閉業したのではないかと思います。
アフター・コロナ世界のゲストハウスをより楽しむことができる一冊!
そんなオーナーさんたちが迎えた2020年のコロナ禍。
これから各オーナーさんたちはどう動き、どう判断し、そして、どう生きていくのか?
そして、ゲストハウス業界はどうなっていくのか?
そもそも、この『世界』はどうなってしまうのか?
そんなアフター・コロナ世界をより楽しむことができるのがこの本の魅力のような気がします。
コロナ禍で一番打撃を受けたのが宿泊業と飲食業と言われており、やはりこの2つは残念ながら廃業が進んでいます。
しかも、宿泊業の中でもゲストハウスに至っては、行政の支援も全く届いておらず、ある意味、一番、コロナ禍が直撃した業界と言えると思っています。
この本に出てくるゲストハウスなんて、共有スペースでの『交流』がウリの宿も多いですからね。濃厚接触過ぎる。。。
日本でゲストハウスが増え始めたのはここ10年くらいで、コロナ禍は10年目にして訪れたゲストハウス業界の『厄災』ですが、それを受けて、この業界はどう進化していくのか、オーナーさんたちはどういう人生を送るのか。
ビフォアー・コロナの10年間のゲストハウスの歴史がギュッとつまったこの本は、アフター・コロナのゲストハウス、そして、アフターコロナの『世界』そのものを楽しむことができる一冊なんじゃないかと思いました。
なにはともあれ、この本を読みながら、また気軽に旅ができる日を待ち望み続けたいと思います!!
あー、こんな記事書いてたら、めっちゃゲストハウスに泊まりたくなってきた!!w