2017年3月16日。
全国版ゲストハウス本としては3冊目の本、
▼『まちのゲストハウス考』が学芸出版社さんから発売されました!
- 作者: 真野洋介,片岡八重子,明石健治,豊田雅子,飯室織絵,加納亮介,蛇谷りえ,井筒もめ,森岡咲子,武田昌大,田中惇敏,西村祐子,Yone(米村知倫)
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2017/03/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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全国版ゲストハウス本としては、1冊目は去年夏に、
「そもそもゲストハウスとはなにか?泊まりに行く方法は?」
という感じのテーマのゲストハウス・エントリー本である、▼だりさんの『ゲストハウスガイド100』が発売されました!
『ゲストハウスガイド100』は全国のステキなゲストハウスが詰まった決定版ガイド本!コスパ最強の旅をしよう! - A1理論はミニマリスト
ゲストハウスガイド100 - Japan Hostel & Guesthouse Guide -
- 作者: 前田有佳利
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2016/07/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そして、去年の暮れには、
「ゲストハウスに泊まって、さらに町歩きも楽しもう!」
という感じの▼『ゲストハウスに泊まろう♪』が発売されました!
『ゲストハウスに泊まろう♪』はゲストハウスビギナーさんからマニアまで今すぐ旅がしたくなる名ガイドブックです! - A1理論はミニマリスト
- 作者: 昭文社旅行ガイドブック編集部
- 出版社/メーカー: 昭文社
- 発売日: 2016/12/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そして、今回は、
「ゲストハウスと町と人とを考える」
という感じのテーマの、▼『まちのゲストハウス考』が発売!!
- 作者: 真野洋介,片岡八重子,明石健治,豊田雅子,飯室織絵,加納亮介,蛇谷りえ,井筒もめ,森岡咲子,武田昌大,田中惇敏,西村祐子,Yone(米村知倫)
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2017/03/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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こう見ると、この3冊は、
『ゲストハウス』→『町歩き』→『町と人』
と、三者三様の魅力がありますねえ。
最初の『ゲストハウスガイド100』はだりさんのこだわりで表紙は真っ赤!
で、だりさん自身も『赤本』と読んでますw
『ゲストハウスに泊まろう♪』は全体的に黄色い感じで、ギョーカイ的には『黄本』とも呼ばれていますw
で、今回の『まちゲストハウス考』は全体的に青っぽいので、個人的に、
『青本』
と呼びたい本です!w
で、この『青本』は、紹介しているゲストハウスは少ないものの、少数精鋭というか、旅人の間でも評判のいいゲストハウスのオーナーの人生エッセイ的な本だな~、と思いました。
町(地方都市)と、ゲストハウスという建物、そしてゲストハウスオーナーさんが三位一体となってる理想モデルのようなゲストハウスをピックアウトして丁寧に編集されている感じです。さすが完成まで1年を要した本です!
読みごたえもかなりあります。
で、パラパラとめくってると、、、
ゲストハウスのイラストが超カワイイ!!!w
なんかレゴみたいで、本当、癒されます。
これだけでも買う価値がありそうですw
- 作者: 真野洋介,片岡八重子,明石健治,豊田雅子,飯室織絵,加納亮介,蛇谷りえ,井筒もめ,森岡咲子,武田昌大,田中惇敏,西村祐子,Yone(米村知倫)
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2017/03/17
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あと、ブログやエッセイが好きな僕の感想としては、
寝る前に1日1ゲストハウス話、というような感じで、10日ほどかけてゆっくり読んでもいいな
とも思いました。
で、その中で気になったゲストハウスに泊まりに行く、というのもいいと思います。
なぜなら、実際に、
そのゲストハウスができる『ストーリー』を知れば、そのゲストハウスに宿泊する時の感動が何倍も増す
と僕は思うからです。
実際に、この本にも出てくる広島・尾道の『あなごのねどこ』に僕が泊まりに行った理由も▼このコミックエッセイを読んだからだし、
生きるのに疲れたら広島・尾道の『あなごのねどこ』に泊まりに行こう!【0円で空き家をもらって東京脱出!】 - A1理論はミニマリスト
- 作者: つるけんたろう
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2014/11/28
- メディア: Kindle版
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長野県・下諏訪のマスヤゲストハウスに宿泊した翌日に、ゲストハウス紹介サイト『ひげむぅ』のライターのあきら氏がオーナーの▼キョンちゃんのインタビューをしていたので、、、
地域と旅人をつなげる「マスヤゲストハウス」に泊まって、地方での暮らしを体験してみよう | ひげむぅ
僕も▼ダブルインタビューさせてもらい、、、
下諏訪『マスヤゲストハウス』の創始者で、日々宿を切り盛りする「キョンちゃん」の生き方がステキすぎたのでインタビューしてみました! - A1理論はミニマリスト
インタビューしながら、
「あ、このキョンちゃんの生き方、面白い!!」
と思ってしまって、まぁ、その後自分でもビックリするぐらいに下諏訪どっぷりの生活になりましたw
(来月もたぶん2回、下諏訪に行きます!w)
『ストーリー』と『ゲストハウス』のセットの魅力で、その町も、そのオーナーの考えも深く理解でき、旅人は、
「この町に通いたい!」
「というか、移住したい!」
って思えてくるのではないでしょうか?
そして、この本の帯の、▼この言葉、
「いいゲストハウスのあるまちは、いい出会いと、いい時間に恵まれる」
とてもいい言葉なのですが、僕なりに、もう少し正確に定義してみたいと思いました。
その結果はこの記事の一番最後に!
というわけで、以下、順に感じたことを引用部分を元に書いてみます!
まずは、本をめくってすぐに目に入った▼この言葉!
『ゲストハウス』というと、
「単なる安宿」
と認識している人が多いと思うけど、それは実は、人間が流動化する時代の、
「とまり木」
なんじゃないか、とこの本は訴えます。
それはこの本を読み進むにつれて、いやでも感じる『実感』になっていくと思います!
空き家の再生に関わるときには、空き家単体を改修、活用することを考えるのではなく、その行為や再生された場が周囲にどういう影響を与えるのかを想像する。
この本の著者の一人の片岡さんの言葉。
この考え方は、先日、銀座で行われたリビセンの東野さんのイベントでも同じような話が出た。
空き家をオシャレにリノベーションすることはめちゃくちゃ難しいことではない、と僕は思う。
けど、
その空き家をゲストハウスやお店にして運営していくオーナーさんや、その町の雰囲気や歴史、その中に、自然に溶け込めるかどうかが大事なんじゃないか?
と僕は思う。
具体的には近所に何十年も住んでいるおばちゃん、おばあちゃんから愛されているかどうか、近所の若い人が遊びに来るかどうか、等。
成功しているゲストハウスは、その町の中でのゲストハウス自身の存在意義を事前に認識し、場合によってはオープン後も運営しながらマイナーチェンジを繰り返し、地域に自然に適応できるように努力しているように思える。
(2010年の夏に岡山県出石町のできた期間限定のゲストハウス)かじこは予定通り、3ヶ月でその活動を終えることになるのだが、終了することを惜しむ「かじこロス」という現象が起こるほどにファンも多く、、、
ああ、これ、わかるなぁ。。。
物質的にはなくなってしまっても、『コミュニティ』だけが残る例。
極論かも知れないけど、去年の年末に和歌山の高野山に行った時もそれを感じた。
空海の、「コミュニティの『生産性』」が高過ぎたために、空海亡きあとも、高野山には人が集まり続けている。
ていうか、高野山では空海は死んでないことになっている。
これは僕の言葉で言うと、
「コミュニティの『生産性』」を高めることができる『A1能力』者の残した『能力』だけが今もその場所に存在し続けている
ということだ。
ある意味、2007年に物理的に無くなった、僕が大学時代4年間住んでいた学生寮も、その『能力』だけが今も生き続けているようにも思える。
(まぁ、『私立大学』自体がそういうものかも。創立者の『●●先生』の『A1能力』の中にすべてが息づいている。)
この期間限定ゲストハウス『かじこ』も、その『A1能力』だけが脈々と残っていて、それが最終的に、この本を生んだ、とも言えるのかもしれない。
いつも人が居る場所をつくる
(『あなごのねどこ』が)オープンして間もない、まだお客さんも少なくスタッフも不慣れな頃、ひとり旅の若い男性が尾道の冬の夜の海に身投げしてしまったことがあった。
その日ひとりきりの宿泊者だった彼は、サロンにある旅日記に尾道での楽しかった思い出を書き綴っていた。
もし、もっとたくさんお客さんが泊まっていて、色んな交流があったら彼の考えも変わっていたかもしれない。
これは知らなかった、『あなごのねどこ』の悲しいエピソード。
これ、今の賑やかな『あなごのねどこ』からは考えられない事件ですねぇ。
けど、こういう話は、実は00年代までのアジアのゲストハウスではそこまで珍しい話でもなかった。特にインド等では。
▼この本に出てくる登場人物のように、
- 作者: 下川裕治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/11/16
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硬直した日本社会にほとほと疲れ切って、アジアのゲストハウスに来てみたものの、そこでも自分の居場所を見つけられず、投身自殺、もしくはハッパに溺れる、みたいな。
このブログでは何度か書いているけど、僕の学生寮時代の寮生も、卒寮後、何人かが自ら命を絶った。
けど、彼らは寮に住んでいた頃は死ななかったのだ。
僕は、最近、よく、
彼らは寮から出てしまったから、死んでしまったんじゃないかな?
って思う。
phaさんの言う、
「(人と)集まっていると死ににくい」
ってヤツだ。
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
- 作者: pha
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自分のコミュニティを見失った、彼ら「元寮生」に必要だったのは▼「おかえり。」と言ってくれる人が居る『場所』だったのではないかと僕は思う。
いつ来ても『おかえり。』『またね。』と言ってくれる場所は「コミュニティの『生産性』」が高い場所なんじゃないかな? - A1理論はミニマリスト
僕が2014年の年末に『あなごのねどこ』で出会った、東京から尾道に移住したばかりの30代中頃の男性は、
「もう『勤め人』はしません、この町で生きていきます。春に屋台のケバブ屋さんをオープンしようと思っています!」
と、満面の笑顔で語っていた。
「おかえり。」と言ってくれるコミュニティさえあれば、人は自然と、そこに(ソトコトの指出さんの言う)▼「かかわりしろ」を見つけて生きていくんじゃないかな?
って思う。
(111)ぼくらは地方で幸せを見つける (ソトコト流ローカル再生論)
- 作者: 指出一正
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ある時、近隣で約50年酒屋を営んでいたご夫妻が、体力の限りを感じて店を畳んだ翌日から、(岡山県のゲストハウス)元湯に2泊してくださったことがあった。
そのエピソードはご夫妻からではなく、ご夫妻の奥様と一緒にたまたま温泉に浸かっていた日帰りのお客様から伺った。
すぐさまスタッフに伝えると、近所を歩き野花を摘んで花束に仕立ててくれた。
ご夫妻の夕食の配膳とともに、
「50年間、お店お疲れ様でした。」
と労いの花束を差し出した。
奥様は、なぜそれを知っているのかという驚きとともに言葉を詰まらせ目頭を押さえて涙した。
これは、このエピソードを聞くだけで、本人じゃなくても目頭が熱くなります。
ここでいう「奥様」は、この時、押さえていた感情がいっきに拭き出したんでしょうねぇ。
都会では起こらないこと、とまでは言いません。
けど、
地方密着のゲストハウスだからこそ「起こりやすい人間ドラマ」なんじゃないか?
と僕は思います。
そして、僕が思うのは、
お客さんにこういうことをしてあげるのには、特別な知識や資格、学歴等は必要ない!
ということです。
さらに、
ゲストハウス全体に、そういうホスピタリティの空気が流れていれば、こういうことは自然とできることじゃないかな?
と僕は思います。
僕自身も、マスヤゲストハウスで誕生日を迎えた瞬間の24時、消灯したマスヤバーで、スタッフのアサちゃんが火のついたろうそくをもってきて、笑顔で、
「これを、フー!ってしてください♪」
って言われただけで、かなり感動しました。
このろうそくも、上記の50年間営業したお店の方のエピソードに登場する「野花」も、特におカネもかかっていません。
なにが言いたいのかと言うと、
尾道で身投げしてしまった男性でも、そういう地域なら、なにかしらの『かかわりしろ』があったんじゃないかな?
ってことです。
過疎化が進む地方都市では「五体満足な男子」というだけで、すでに貴重な『男手』です。
これは冬のマスヤゲストハウスに数日間泊まっていればわかります。薪を作ったり、雪かきしたり、車になにかを詰んで運んできたり、
▲マスヤゲストハウスで薪を切る、スタッフ・ノラちゃんの旦那さん。冬の日常のひとこま。
通常、旅行や観光の主な目的は「どこか風光明媚な場所へ行って、なにかを見て、体験すること」がそのほとんどではないだろうか。
けれど、ゲストハウスにはそれに加え、そこに住む人、働く人、同宿の旅人に出会い、時には語り合って友人になったりすることさえある場所だ。
▼ゲストハウスプレスの西村さんの言葉。
ゲストハウスプレスの東京イベントに行ったら超楽しかった!会場のゲストハウス・神楽坂『UNPLAN』もオシャレ空間! - A1理論はミニマリスト
いわゆる、
『旅行』と『旅』の違い
だと思った。
『旅行』は、いつもの自分の周りのコミュニティがそのまま移動しているだけなんじゃないかな?
団体旅行のバスや、家族旅行や友達との『旅行』ならマイカーで。
僕は、こういう『旅行』よりも、やっぱり『旅』が好きだなぁ。
(ちなみに、ミニマリストの「ゲストハウスオフ会」はその中間な気がするw)
『旅』って、いつものコミュニティを抜け出して、新しいコミュニティに飛びこむような、そんなワクワクがある。
バックパッカーが大好きな旅本、▼ 『深夜特急』の本来意味も、、、
- 作者: 沢木耕太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/03/30
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▼『脱獄』を意味する隠語だ。
ミッドナイト・エクスプレス (映画) - Wikipedia
それは、おそらく、『日常』からの『脱獄』。
「経済を回せ!」という癖に、「でも、正社員にはしてあげない!(もしくは長時間労働で薄給!)」という矛盾した日本社会からの『脱獄』。
この、若者の『脱獄』先は、バブルが崩壊してから3.11くらいまでの90年代、00年代は、完全に「アジア」だった。
2007年に出版されたこの新書▼『日本を降りる若者たち』には、
- 作者: 下川裕治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/11/16
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「律子さん」
という女性が登場する。
彼女はタイ・バンコクのゲストハウス街「カオサンロード」の裏路地の日本人宿で著者の下川さんにこう話す、
「ゲストハウスの人間関係が好きなんです。
長くいる人もいるけど、基本的に旅行者でしょ。
あるとき、宿で一緒になって、いろんな話をして、そしてそれぞれの目的地に旅立っていく。
そういう関係っていうのかな。
近づきすぎず、遠すぎずっていうような関係、日本じゃできないんです。
だからここにいると、いろんな話ができる。
私、名古屋に住んでるんですけど、そこにいるより、なにか心を開いて話すことができるような気がするんです。
不思議なんですけど。」
日本社会は2010年代に『ゲストハウス』ができるまで、極論を言うと、
『家族』or『他人』
という、
「ウチ」と「ソト」を敷居でがっつりと分けたような社会構造をしていたんじゃないかな?
って思う。
ジャパニーズ「カイシャ」もその感覚で、完全に「ウチ」の世界。家族関係に近い。
つまり、「就職」ではなく「就社」だった。
- 作者: 司馬遼太郎,山崎正和
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2001/04
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00年代までは、そういう「ウチ」と「ソト」が、がっつり鉄のカーテンで仕切られた日本社会に嫌気がさした人間は、「アジア」に逃げるしかなかった。
なぜなら、「アジア」には「ゲストハウス」があったから。
「ゲストハウス」以前の日本社会は、まるで納豆のように、ネバネバした社会だったと思う。
けど、2010年代以降、つまり「ゲストハウス」以降の日本社会は、外国のようにサラサラした流動的な社会になっていくと僕は思う。
それが良いか悪いかは別として。
(ヨーロッパやアジア旅行中に)ガイドブックで事前に名所を調べて行動するよりも、現地でその土地に住む人々や同じように旅をする人たちと情報交換しながら行動するほうが面白いと気づいた。
(略)
「人」は旅の最強コンテンツ。
それは私が身を持って実感している。
福井のゲストハウス『SAMMIE'S』のオーナーの森岡さんの言葉。
「人」は旅の最強コンテンツ。
この言葉、素晴らし過ぎる!!
観光名所などの記憶は曖昧だが、その土地で出会った人との記憶は鮮明に覚えている、という森岡さん。
僕の今までの旅も全くそうで、特に好きでもない建築物を見ても、
「ふーーん、すごいね。」
で終わりで、そこまで感動はないw
スペインで見たサグラダファミリアよりも、その後、ユースホステルのメンバーでシャングリラを飲み明かしたことのほうが鮮明に覚えている。
修学旅行で行った場所は全く覚えてなくても、その時の友達の言葉は鮮明に覚えているのと同じだ。
結局、嫌々やったことの記憶は、人間は「重要じゃない」と思って、すぐに上書きしてしまうのだろう。つまりRAMディスク。
けど「楽しい!」って▼『心で記憶』したことは、脳に焼き付いて消えることはないのだろう。つまりROMディスク。
www.youtube.comなぜそうなるのかはわからないけど、
僕の予想を言うと、脳内の記憶を司る『海馬』のHDD容量がミニマムだから
じゃないかな?
佐々木さん(髭仙人)が、先日、YADOKARIさんのイベントで、
「人は1日に7万回、物事を考える」
と言っていたけど、そんなにCPU高速回転してたら、そりゃあ、HDD容量パンパンになりますよ。
で、脳内には、microSDカードも差し込めない、iCloudにもデータ保存できないなら、余計な記憶は消去するしかない。
消去の優先順位としては、「特に必要のないこと」から消去していくのが妥当だろう。
そう考えると、好きな場所で、その時に出会った人との会話とかは、自分にとって「必要なこと」にカテゴライズされるんだろうな。
だから、旅で出会った「人」は、旅にとって、いや、人生にとって、最強のコンテンツであることは間違いないだろう。
(ただし、好きでもない場所での好きでもない人との会話はすぐに忘れますwそれはたぶん、自分にとって重要じゃないからw)
他人の『やりたいことをやる時間』を奪うのは、カネを盗むよりも悪い行為だ。 - A1理論はミニマリスト
(ゲストハウスの)仕事を始めてすぐに感じたのは「女性性が発揮される仕事」だということ。
ある一つの場所にとどまって、そこを心地よくしつらえ、訪問者を受け入れて一定の時間を過ごしてもらう。
これはよく思うなぁ。
実際にこの本に登場する人は12人中、7人が女性。しかもその中でゲストハウスオーナーは大半が女性。
この本に出ているゲストハウス以外でも、人気のあるゲストハウスも女性オーナーだったり、女性が管理してたり、ヘルパーさんが看板娘的な存在だったりする。
これはミニマリストにも言えることで、『お部屋スッキリ』系のミニマリストのオフ会は、もう、女性、女性、女性ばっかりで、僕や佐々木さんやミキコさんのご主人(パチン●ス!)くらいしか男子がいない時があるw
先日のYADOKARIさんのイベントでも、YADOKARIさんの2人が、
「小屋暮らししている人たちを取材すると、あまりにもパワフル過ぎて、男である自分達が情けなくなる。」
と言っていたw
ま、人間が原始人の頃から、女性は洞穴で狩りをして帰ってくる男を待っていたんだろうから、衣食住は基本的に女性の得意分野なんだろうな。
方向音痴な女子は多いけど、家に帰れば最強!みたいなw
自分の奥さんのことを「家内」とはよく言ったもので。(「奥さん」自体も家の奥にいるからだろうな。)
逆に男は全員「るろうに」的なところがある。
春に舞う花粉も、要は、全部、雄ってわけで。
ゲストハウスを開業してみて驚いたことは、移住者の多さだった。
岡山の「とりいくぐる」のオーナー・明石さんの言葉。
移住者に人気がある岡山県、という立地の良さもあるけど、、、
(なんで隣の姫路は人気ないんや!って、ガラ悪いからやなw)
ゲストハウスを移住のお試し場所として来る人も多い。
ガチで「移住見学!」って人から、自分でも気づいてないうちに移住地リサーチしている人もいるだろう。
元々、そもそも人が旅をする目的は「無意識な移住地探し」という人もいる。
そのゲートウェイがゲストハウスである可能性は高いんだから、
行政はもっと、ゲストハウスに注目すべき!!
って、実はもう数年前からすでに行政はそこに着目していて、完全に行政主導でゲストハウスを作ってしまったり、行政がドカンと支援金出しても、結局、ゲストハウスが出来なかったりという例もあるw
でも、そういうお役所指導のゲストハウスって、上手くいってない気がする。
なんか、下心見え見えみたいな感じでw
自然体でゲストハウス運営するなら、やっぱり、ゲストハウスが心から好きな人が、有名ゲストハウスで何年か修行をしてから開業、もしくはものすごい情熱をぶつけて有鄰庵のゲストハウス開業合宿に参加して開業、もしくは別のゲストハウス立ち上げに参加してから開業、みたいなのがうまく行く気がする。
ま、しかし、行政がゲストハウスに注目してきた時代に生きれているだけで、僕はもうかなり満足ですw
10年ほど前に、20代の僕が、
「日本にはゲストハウスが必要だ!」
って僕が言っても、良識ある大人に、
「いやいや、ヒッピーの溜まり場を作ってどうするんだよ!!www」
ってバカにされて終了でしたから。
こうした交流の経路と体験は、FacebookやInstagramのようなデジタル・コミュニティが実空間化したものと言ってよいものなのか。
著者の一人、真野さんの言葉。
これに関して、ひとつ、僕にとって印象的なエピソードがあって、僕がゲストハウスのさらっとした人間関係や交流について記事で書いたあと、はてなブロガーで、18歳で渡米して人生の半分くらいアメリカにいるglocallifeさんが、
「私が日本を飛び出して、アメリカ社会に求めたものは、(A1理論さんが)ゲストハウスに求めているものと同じ。」
みたいなことをtwitterでつぶやいていた。
なので、僕から言わせれば、
facebookやtwitter、ブログ、ゲストハウス、そして欧米や、アジア諸国の「さらっとした人間関係」こそが『世界の常識』なんじゃないかな?
ってことだ。
今までの日本社会が納豆のようにべちゃっとしていて、
『世界の非常識』
だったんじゃないかな?
(SNSで言うとmixi的な)
それが「悪い」とは僕は言わない。
様々な、自然的要因、歴史的要因があって、そういう社会になっていたのだろう。
ただ、それが嫌いでアジアやアメリカに『脱獄』した若者は80年代からずっといて、そういうタイプの若者達が2010年代になって、都会から、国内の地方都市のゲストハウスに『脱獄』しているに過ぎない、と思う。
つまり、単に国内に、
「世界の常識」
である、さらっとした人間関係を求めているだけだと思う。
(各種SNSは「普通はやってるだろ。」的な感じで。)
彼らがサラッとした人間関係を求めるのは、日本社会があんまりにも『詰んで』いるからだと僕は思う。
日本の不合理な労働環境のお陰で、フルタイムで働く労働者が減っているから、政府も繋ぎ止めに必死なんだろうが、幾らやっても無駄なこと。
既に、日本は終焉している。
2000年の資本主義経済の中で、最悪な国家が再興する事は不可能。 https://t.co/yln5BkXl88— 登山家@源 今年は3月13日仕事初め (@kamuegu0001) 2017年3月19日
今まで形成されてきたまちの文脈、歴史的建造物から、空き家、空き地に至るまでをストックと見なし、OSやソフトを入れ替え、ネットワークをつなぎ直すことが急務だ。
これも真野さんの言葉。
00年代までの日本社会が、「ゲストハウス」を欲してなかったのは、たぶん、「ゲストハウス」なしでも、町がギリギリ回っていたからだと思う。
しかし、団塊世代が現役から退場し、いっきに寂れた地方都市にとって、その地方都市のネットワーク環境を再構築することが急務になり、それには「ゲストハウス」の存在がとてつもなく大きいことに、今更ながら気づいたのだろう。(おせーよ!w)
「ゲストハウスとは、町の『ハブ』機能だ!」
って言う人がいるけど、僕から言わせれば、
『町』の時点で、カフェなり、バーなり、食堂なり、居酒屋なり、銭湯・温泉なり、ローカル自然遺産なり、ローカル文化遺産なり、なんらかの『ハブ』的な施設を持ち合わせているはずだ
と思う。
だから、僕的には、
「ゲストハウスとは、町の『ルータ』機能だ!」
と言いたい。
地方都市というローカルネットワークに、日本中・世界中のグローバルネットワークから人を運んでくる『ルータ』的施設。
そのゲストハウスという『ルータ』が運んで来たグローバルネットワークからの「人」が、ローカルネットワークに交わることで、地方都市は再び、息をし始める。
酸素が体中の血液を通して、毛細血管に行きわたるように。
それを踏まえて、冒頭の、
「いいゲストハウスのあるまちは、いい出会いと、いい時間に恵まれる」
を、僕なりに定義してみると、、、
「いいゲストハウス」=「ハイスペックなルーティング機能を有したルータ」
「いい出会いと、いい時間」=「コミュニティの『生産性』が高い空間」
だ!!
つまり、改めて僕の言葉で言うと。
「ハイスペックなルーティング機能を有したルータ(ゲストハウス)を持つ地方都市は、コミュニティの『生産性』が高い地方都市だ!」
になる。
で、その状態をちょっと▼『ネットワーク構成図』にしてみた!w
グローバルネットワークから振り分けられてきた『旅人』が、ゲストハウスという『ルータ』を通し、各ローカルの『ハブ』な場所に向かう。
これが、2017年現在、日本中の地方都市でこぞって起きている現象だろう。
で、僕は、東京オリンピック後の2020年以降、空き家率20%越えの日本の地方都市は、さらに▼こうなると予想する!
2020年以降は、
ゲストハウスやその町が気に入った人たちが集住する『シェアハウス』が地方都市に出来てくるんじゃないかな?
って思う。
だって、東京じゃあ、シェアハウスに住むのなんて普通だし。
田舎にないほうがおかしい。
『お試し移住』とか言ってるならなおさらだ。
で、その『シェアハウス』に、ルーティング機能が高い『ゲストハウス』から人が振り分けられる。これはすでに尾道で起こっていることだ。
で、
その『シェアハウス』が、また、新たな『ルータ』になり、ローカルネットワークの『ハブ』的場所に人を向かわせる機能を持つ
と僕は思う。
で、これができる地方都市こそが、真に、
「コミュニティの『生産性』が高い地方都市」
になると僕は思います!!
つまり、まとめると、
「今後は、ハイスペックなルーティング機能を有するゲストハウスと、ハイスペックなルーティング機能を有するシェアハウス、この両者を有する地方都市のコミュニティの『生産性』が高くなる!」
ってことで!!
という、僕の言ってることを実感されたい方は是非、▼この本をお読みください!w
超オススメです!!
- 作者: 真野洋介,片岡八重子,明石健治,豊田雅子,飯室織絵,加納亮介,蛇谷りえ,井筒もめ,森岡咲子,武田昌大,田中惇敏,西村祐子,Yone(米村知倫)
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