昨日、こちらの記事を読んだ。
こちらのブログは大変好きで大ファンなんですけど、夢を追いかける若者に対する僕の意見はタイトルの通り。
「夢」は現実に落とし込んでこそ叶うものなんじゃないのかなぁと思う。
島田紳助は漫才を始める前に、記録が残っている最古の漫才テープからすべて聞いて分析・解析をしまくって、これから先の漫才がどうなっていくか「先を読んだ」。
次に、吉本で同期で入ってきた明石家さんまのような「スター路線」は捨て、オール阪神巨人のような「エリート漫才師」路線も捨て、自分の特性に合った『不良漫才』路線というブルーオーシャンを見つけた。
「敵(業界の動向)を知り」尽くし、さらに「自分を知り」尽くしたうえで作戦を構築し、それを実施した。情報処理試験用語で言う「SWOT分析」ができていたのだ。
これはもうまるで日露戦争時の秋山真之に近い。
松本人志はもし自分がこれからお笑いの世界に入る新人なら王道の「お笑い」はやらない、と言った。
たとえば「野球」と「お笑い」、「ボクシング」と「お笑い」という風に何かを「お笑い」と『組み合わせた』マーケットを狙うと。
なぜなら王道の「お笑い」は自分がすでに90年代のテレビであらかたやりつくしてしまったからだ。
これは手塚治虫後の漫画界と酷似している。「神様」がすでにすべてやりつくしてしまった「業界」なのだ。
デカルトは『方法序説』で「困難は分割せよ」と言った。
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これは情報処理試験用語ではWBS(Work Breakdown Structure)だ。
Work Breakdown Structure - Wikipedia
条件が「困難」な場合は徹底して対象を分割し、分岐網羅・条件網羅を繰り返す。
しかるのちに作戦を実行に移し、さらに実行過程でもPDCAサイクルを回し、日露戦争時の秋山真之のように「不要・不急のものはバッサリと切り捨てる」。
たぶん、人間って、
「先を読んで行動している人」
「先を読まずに行動する人」
の二種類いるんじゃないかなぁ。
孫氏曰く、
『算多きは勝ち、算少なきは勝たず。しかるに、いわんや算なきにおいておや。われは此れをもてこれを観るに、勝負あらわる。』
勝敗は「どれだけ策を練っているか」なだけだと僕は思う。
「夢」を「現実」に落とし込める人は島田紳助のように「敵(業界の傾向)」と「己(自分の特性・特質)」を完全に理解し、徹底して「策(対策)」を練れた人間なんじゃないかな。
「策(対策)」さえ練れてしまえばあとは徹底してその理論に忠実に動くだけのロボットになればいいだけだ。
「お笑いを目指したい」
「漫画家を目指したい」
「役者を目指したい」
という「夢」をどう現実に反映させられるか。
それを現実に落とし込めないようでは永久に「夢」のままだと思う。
現実に落とし込めれる人間かどうかの違いはやっぱり「意識レベル」の違いだと言わざるを得ないと思う。
「意識レベル」の低い人の「夢」は、結局「消費者意識」なんだと思う。
自分が「商品」を提供するのだという意識が希薄で、「有名になる」というサービスをお金ではなく時間で買おうとしているだけだと思う。
リアルな消費者は、
手塚治虫の劣化版漫画を読むくらいなら手塚治虫を読むし、
松本人志の劣化版コントを見るなら松本人志の昔のDVDを見るし、
エアロスミスの劣化版音楽を聞くならエアロスミスを聞く。
しかも今はほとんどネットで無料で見たり聞いたりできる。
そういうリアルなマーケットに新人がどう切り込んでいくか?もしくは切り込まないか?
お笑いや音楽のようなメジャーなマーケットにはすでに情報処理試験用語で言う「リーダ企業」「チャレンジャ企業」「ニッチャ企業」「フォロワ企業」がそろい踏んでいる。ひしめいている。
自分の立ち位置を理解し、その状態のマーケットにどう切り込んでいくのか?もしくは切り込まないのか?
もし切り込んでいけるなら年齢も関係ないし、年齢が関係ないということはリミット年齢を設定する必要もないと思う。
そしてここに書いたことはフリーターだけではなく、勤め人にも完全に同じことが言える。
この時代、会社なんて全くあてにならない。
「会社員」ではなく「会社で時間給で働いている個人事業主」くらいの感覚で働いていないと最終的には「正社員」という「夢」を追っただけの若者と変わらないおっさん・おばさんの姿になると思う。(そんな人、周りにいません?)
なので僕は「就職する」「就職しない」はあまり大事ではなくて、大事なのは「夢」をどこまで「現実」に落とし込めているかだけだと思う。
僕が最近知った言葉。
「人生には『本質的な不幸』と『怠惰による不幸』と二種類ある。 」(石川達三)
「夢」が叶わないのは戦略を練りきれていないことによる『怠惰による不幸』だと僕は思う。
これからの時代、雇われて働くにしろ、フリーで生きるにしろ、大事なのは敵を知り、己を知り、適切な戦略を立てていける黒田官兵衛のような『軍師力』だと僕は思う。
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