僕は資格試験は大雑把にわけると二種類あると思います。
・試験情報量の多い試験
・試験情報量の少ない試験
ここで言う「試験情報量」とは試験問題のボリュームのことではなく、問題集や過去問や想定問題、合格体験記、参考書、教科書そのものの総量のことを言います。
紙・データ・ネット上の情報も含めた総量の絶対数。
『試験情報量の多い試験』は国家試験やベンダー系試験等に多く、本屋さんに行けば溢れるくらいに問題集や参考書が売っているような資格。IT系なら情報処理試験ですね。
こういう試験は受験者数が多く、合格者数も多いので業界標準の「合格スキーム」がなんとなく出来上がっていたりします。
なので試験自体は難しいと言っても勉強時間の問題(論文試験も含めどれだけ『千本ノック』するか)だけなので、道筋が見えているぶん、ある意味簡単なのかもしれません。
ちなみにこういう試験の取得メリットは知名度の高さですが、デメリットはカバー範囲が広すぎて就職や転職の時には「即効性」があまりないことかもしれません。
「応用情報技術者です!」と言ってもそういう職業があるわけではもちろんないし、具体的にどういうスキルがあるのかよくわからないところがあります。
(とはいえ、IT系営業マンは情報処理試験は最優先で受けましょう。理由は年2回しかないこと、ITレベルが計り易いこと、試験友達を作りやすいことなどです。)
『情報量の少ない試験』は、特定の業種・職種にだけ有名な試験、業界関係者のみ受験資格のある試験、始まったばかりの試験、等があります。
こういう資格は受験者数が少なく、必然的に合格者数も少ないので、「合格スキーム」が簡単には見つかりません。
なのでこういう試験は単純な試験ランクでは比較的「簡単」と評価されていたりしますが、「合格スキーム」を手に入れる手間暇や不合格が続いたりすることを考えるとある意味、かなり難しい試験と言えます。
ちなみにこういう試験の取得メリットは就職や転職の際にその業界関係者なら「即効性」があることです。
例えばdocomoショップ店員の面接でdocomo資格持っていると即採用なことが多いです。なので一般的な知名度が低くてもその業界で有名なら特に問題ありません。
しかし大きなデメリットは情報量の少なさそのもので、本屋さんやネット上にほとんど情報がなかったりするので「合格スキーム」が簡単に手に入りません。
大工さんの言葉で『段取り八分、仕事二分』という言葉があります。段取りで仕事全体の80%が決まるという言葉です。これは勉強にも完全に当てはまると僕は思います。
「がむしゃらにがんばる(ひたすら『千本ノック』する)」のはまず「合格スキーム」という『段取り』を確立してからする行為です。でないと効率が悪すぎます。
中高生の勉強ならともかく、時間の限られた大人の勉強は特に『段取り』が非常に大事になります。
プライベート時間を削ってがむしゃらにがんばって試験落ちたときの落ち込み具合はハンパないですから。これは大人が勉強し続けないひとつの要因だと僕は思います。
一見、簡単そうに見えて実は合格が難しい『情報量の少ない試験』でまず最初にすることは当然、「合格スキーム」の確立です。
ではどうすれば「合格スキーム」を確立できるのでしょうか?
それは、
①合格者の勉強法をTTP(徹底的にパクる)する
②その後、自分なりにカスタマイズする
ことが理想的だと思います。
以下、順にご説明してまいります。
①合格者の勉強法をTTP(徹底的にパクる)する
まず情報量が少ない試験を受験しようとしている時点で自分がその業界で働いていることが多いと思うので合格者を探しましょう。
働いてない場合は働いている知り合いの中で合格者を探しましょう。facebookやtwitter、LinkedIn等を臨機応変に利用してもいいかもしれません。
合格者を見つけられたらめいっぱいリスペクトしましょう。
場合によっては少し高めのお菓子や果物、その人の欲しがってる本などの「実弾」をプレゼントする方法もありかもしれません。バクシーシ作戦ですw
そしてその人から思いっきり勉強の方法を聞き出しましょう。限界まで。自分自信でその人の「合格体験記」を作成するのです。
この時、できれば紙のメモ帳とペンをもっていってその場で新聞記者のようにその人とメモ帳を交互に見ながら詳細にメモしていきましょう。
あえて紙のメモ帳を使うのは「あなたのことを信頼しています」という無言のメッセージです。いわゆる演技ですが、この演技がさらに情報を引き出しやすくします。
紙のメモ帳がどうしてもその場にない場合はスマホのメモ帳アプリやEvernoteアプリでもいいですがスマホに打ち込む前に「メモっていいですか!」と一言言いましょう。この一言でたぶんだいぶ違うでしょう。
できれば名刺交換しましょう。自分の名刺がなかったとしてもその人の名刺だけはゲットしましょう。
もしその人が名刺を持ってない場合は「後日、メールさせていただいてもよろしいでしょうか?」とだけでも言いましょう。
その場でメアドだけでも教えてくれるかもしれませんし、後日誰かからその人のメアドを聞いてメールしても受信時の違和感はあまりないでしょう。
僕の経験から言うと、やはりその方と後日、メールでやり取りをしたほうがいいです。
人間、1度聞いただけでは理解できませんし、メモしててもどこが重要なところかは忘れたり、1度ではニュアンスが伝わってなかったりします。
一度家に帰って教科書・参考書等を読み直してから不明点をまとめて箇条書きにしてメールで再度確認したほうがいいです。
そしてメールの返信が来たら何度も読み返しましょう。
特にその人が何度も同じことを言っていた、メールに書いていたところは最重要なことが多いでしょうからそのことを軸に作戦(「合格スキーム」)を組んだほうがよいでしょう。
もし可能ならその方が「なにか」を求めていれば可能な限りそれを提供するか、提供しようとする姿勢を見せるべきです。やはり人間関係は何事もwin-winが理想です。
こちらかのメールの本文には、
「もう私は完全に●●さんの作戦で行きます!」
と書きましょう。
むこうも弟子ができたようで認知欲求が満たせて嬉しいでしょうし、文字で残すことでその効果は言葉より大きいでしょう。
しかしこの言葉は半分本当ですが、半分嘘ですw
その理由が次です。
②その後、自分なりにカスタマイズする
その方のやり方と自分の性格や得手不得手、今までの勉強方法、今まで受けた試験、現在の試験傾向、受験スケジュール等が完全に一致しているのであれば教えられた方法そのままでいいかもしれません。
しかし、現実的にはその人と自分は違う人間なので上記が完全に一致するとは限らないと思います。
けど、その人の成功体験は一度しかないのでその人はその人なりの「合格スキーム」しかこの世にないと思い込んでいます。
ではどうすればいいのでしょうか?
僕の意見は、「型」をパクって「中身」をカスタマイズする、「ハード」をパクって「ソフト」をカスタマイズする。
ということです。「骨組み」はその人の「合格スキーム」のままで「材質」等は自分好みにカスタマイズするのです。
天津飯が界王様の修行の要点だけ掴んであとは自分でカスタマイズ仕様としたのと同じです。
タイの屋台そば「クイッティアオ」の食べ方と同じです。おいしい屋台を見つけて注文し、来たものをさらに自分の好みの味にカスタマイズ。
島田紳助はB&Bの島田洋七の漫才を見て衝撃を受け、漫才の世界に入り、島田洋七の師匠を調べ、その同じ師匠に弟子入りし、島田洋七のそばに四六時中ずっといてすべてをTTPしたらしいです。
その後、自分が漫才をするようになり、客には気づかれなかったのに島田洋七はすぐに自分の漫才がTTPされたとわかって、
「おい!紳助!俺のネタをパクるな!!」
とクレームをつけてきたとき島田紳助は涼しい顔で、
「ネタはパクってません、システムをパクっただけです。」
と言ったそうです。この短いセリフ、超重要です!!
島田紳助は「システムをパクった」ことにより「合格スキーム」を手に入れ、さらに自分なりにカスタマイズしたことにより「合格」、いや「合格以上」を手に入れたのです。
歌舞伎の言葉で「守破離」という言葉があります。
これを『情報量の少ない試験』に当てはめると、
守=①合格者の勉強方法をTTPする
破=②その後、自分なりにカスタマイズ
離=合格して次の業務や次の仕事や次の試験へ
になると思います。
僕の意見を言うと、この「守破離」の原則が理解できている人は仕事においてもプライベートにおいても徹底して「守破離」原則が守られているような気がします。
そう考えると、『情報量の少ない試験』を取得するということは資格合格メリットに加え、「守破離」習慣がつくという意味で二重にオイシイのかもしれません。