今回のエントリはこちらのエントリの続きです。
『生きること』とは『投資すること』である・その1(2007年8月25日)
https://a1riron.com/entry/2013/09/23/192125
『生きること』とは『投資すること』である・その2(2007年8月25日)
https://a1riron.com/entry/2013/09/24/023202
また、このブログ文章は僕が2008年にmixi非公開日記に書いたものを2013年にリライトしたものです。
人生には『ポートフォリオ』(友人一覧)には表示されない「絶対選べないカード」が2枚存在すると僕は考える。
その2枚のカードを総称して『絶対銘柄カード』と僕は呼ぶことにする。
この2枚のカードは人が生まれる(カード発生する)直前に、全員強制的に、ランダムに、2枚引かされる、と言ってもいい。
そしてこの2枚の『絶対銘柄カード』、1枚は「リリース」するのが極めて困難。
もう1枚は「リリース」困難どころか「トレード」さえもできない!いや、そもそも「実体」というものがないから「アイテム化」することさえも不可能、という極めて厄介なカードである。
この2つの先天的な『絶対銘柄カード』。
他の後天的に入手できるカードたちと違い、共通して「リリース」が極めて困難なことにより、このカード銘柄の「上がり」「下がり」に人(カード)は一生、翻弄され続ける。
そしてこの2つのカードの組み合わせが悪ければ『A1キーワード』収集や「レアカード集め」という『人生の目的』にさえも辿りつかないまま、一生「y≒0」状態のまま「y=0」まで生き続けることになってしまう。
そういうカードは実は「この世界」にはかなり多いのではないかと僕は勝手に推測する。
その2枚の『絶対銘柄カード』の1枚目は『ペアレンツ・カード』だ。
簡単に言うと「親は選ぶことができない」ということである。
通常、親は二人存在するが、ここはあえて『1枚のカード』ということにする。
また、「育ての親」である場合や、兄弟・親戚なども広い意味での『ペアレンツ・カード』には含まれるが、まぁ、基本的に「親」という意味だ。
人(カード)の人生はこの『ペアレンツ・カード』という銘柄の「上がり」「下がり」に常に翻弄され続ける、と言っても言い過ぎではない。
常に破産寸前で常に極貧の『ペアレンツ・カード』もあれば、
根本的に性格がねじ曲がった『ペアレンツ・カード』もある。
女癖・男癖の悪い『ペアレンツ・カード』もあれば、
世間一般よりも大きく偏った考えやイデオロギーを持っていたり、怪しい宗教にはまってしまった『ペアレンツ・カード』もある。
そんなカードでさえ、人は「リリース」できないのである。
「お父さん、お母さんを大事にしましょう」
「海より深い、親の愛」
などという言葉はあるが、それはある程度以上「まとも」な『ペアレンツ・カード』を引いた人に許される特権であり、どーーーしてもA2なカードを最初に引いてしまった人からしてみれば、
「あんなのに俺の貴重な『y』を投資してたまるか!!」
というのが率直な感想だろう。
しかし、それでも『ペアレンツ・カード』がなければ「自分」という名のカードがこの世に誕生することができず、この人生という「トレーディング・カードゲーム」でカード集めをすることすらできなかったのだから、『ペアレンツ・カード』は自分というカードに『y』そのものを与えてくれた大株主 ということになるだろう。
つまり「投資先」であると同時に「大株主」。それゆえに『絶対銘柄カード』なのである。
さらに生まれてから数年間は少なくとも『ペアレンツ・カード』に頼らなくてはその人はカードとして存続することはできない。
そういう意味でも最低限、投資してくれた「y」は返還しなくてはいけない。
なので『ペアレンツ・カード』の「リリース」はかなり「困難」なのである。
今の僕の職場はそこそこ高給のため、集まってくる人は「事情」のある人が多い。
で、大体その「事情」は、「『ペアレンツ・カード』の大暴落」という場合が多く、本人自体には全く非がない場合が多いように思われる。
・親が経営する店が倒産寸前で親に金を貸してしまったため、大学首席で卒業したにも関わらず、大学院に(試験は合格したのに)進学できなかった人。
・父親の浮気相手との間にできた子供に(自分の母親には内緒で)仕送りするためにこの職場で働いてる人。
・地方に住んでいる親と長年にわたる抗争の末に絶縁し、そのため18歳からずっと東京で一人で生きている人。
いずれも『ペアレンツ・カード』がもう少し「マシ」ならこうはならなかったんじゃないかと思うカードばかりである。
当然、この仕事は好き(A1)でやってるわけではなく、それら経済的な事情からである。(みんなちゃんと仕事はするけどね)
これは僕が住んでいた学生寮の寮生にもある程度共通する状態で、好き(A1)でこんな狭くて汚くてやっかいな寮に入った人は少数派で、多くは『ペアレンツ・カード』の不遇によるところが大きいと言える。
つまり生まれる前に引いた『ペアレンツ・カード』が最強なら、若くして莫大な①も⑤も手に入るのである。
ドラクエⅣで例えると、自分がレベル1のペーペーだとしても、最初から連れている仲間(『ペアレンツ・カード』)がレベル99のピサロ・アリーナ・クリフトならどんな『A1キーワード』でも満たせるし、どんな「レアカード」でも入手できる可能性は高い。許せるのはトルネコ・ミネア・ドランのような『ペアレンツ・カード』までだ。
問題は生まれた瞬間、棺桶が3つくらい並んでるような『ペアレンツ・カード』を引いてしまったカードの人生だ。
そのカードは生まれ落ちた瞬間から、「3つの棺桶を生き返らせること」が至上命題となり、カード集めどころではなくなる。
しかも常に「画面真っ赤」状態なので正常な判断も困難な場合も多い。
やっと3つの棺桶を生き返られたところで「y=0」となるなら何のために生まれてきたのか全く分からないのである。
子供は親の借金を返すために生きているのではないのである!!
そして一番厄介なのは『ペアレンツ・カード』との『A1キーワード』の不一致である。
カードの人種や身体的特徴等は親から子へと基本的に「遺伝」するが、
『A1キーワード』は基本的に『遺伝しない』
というのが僕の考えだ。
なので、親が「99%のカード」であり、子供が『A1キーワード脳内占有率』の偏った「1%のカード」であった場合、諍いが起きるのは極めて必至である。
つまり、『ペアレンツ・カード』と(A1,B1)関係を維持できるのは、
・暴落・大暴落の少ない、そこそこ安定している『ペアレンツ・カード』
であり、かつ、
・『A1キーワード』がそこそこ一致している『ペアレンツ・カード』(共有する『A1キーワード脳内占有率』が10%以上)
であることが条件になるのではないかと僕は考える。
かくも『ペアレンツ・カード』とは厄介なものであり、そのため今も昔も、どんな国でも、人間という名のカード達は「リリース」できないくだんのカードに頭を痛めているのである。
それが僕の『A1理論』!
https://a1riron.com/entry/2013/08/23/213129
しかし、『ペアレンツ・カード』はどうしてもA2なら別れて暮らすなり、前述の職場の同僚のように絶縁することもギリギリ可能である。
それよりも厄介なのはもう1枚の『絶対銘柄カード』である。
つづく!!
~追記~
この記事は2008年2月8日のmixi日記のリライトです。
その1・その2(元の日記ではその1)を書いてから半年も経っています。年も明けています。
しかし、読んでて息苦しくなるくらい、当時は極貧生活でした。
この元日記を書いていた頃の僕は風呂なしのボロアパートに住みながら、ブラック家電量販店で働き、借金で首が回らなくなっていた親に稼いでは送り、稼いでは送り、の毎日でした。
この日記の半年後にどうにかこうにか実家はなくならずに済みましたが、やっと少し落ち着いたのはその2年後に貸金法が改正されてからです。(それまでもお金を送ったりしてました)
で、どうにかこうにか実家の仕事が軌道に乗ってきたのはやっと今年の春くらいです。(もちろん借金はまだ完済できてませんが、5年後くらいにはどうにか完済していただきたいです)
で、お金のことは母親とやりとりしていたのですが、実家に帰った時、親父と話すると、なんと!借金した当の本人は自分の借金額を「だいたい」さえも理解してなかったのです!(ま、典型的な「多重債務者」の特徴ですな。)
で、子供や親せきから借りたお金で(東京のボロアパートに住んでいる僕から見たら)贅沢な暮らしをしています。
このまえ帰った時には、
「貧乏に慣れたらあかん!」
とか言ってました。もう空いた口が塞がりませんでした。。。
けどしかし、実は僕が生まれ育った地方都市の浜手ではそういう(都会の人から見たら底辺な)家庭はけして珍しくはなく「普通」なくらいなんです。
西原理恵子の「この世でいちばん大事な『カネ』の話」という本を東京で読んだ時、なんだか自分の生まれ育った地方都市といっしょな感じがしました。もっと言えば「普通じゃん」みたいな。
けど、読んだ人の本のレビューでは子供時代のエピソードが「信じられない!」と思う人が多かったらしく、ああ、僕が産まれた環境は「街の子」には「信じられない」環境だったんだ、、、と思いました。
最近ははてなブログの「ひきこもり女子いろいろえっち」のエントリに共感しました。
http://luvlife.hatenablog.com/entry/2013/08/07/221155
が、「街の子」な友達にこのエントリを見せるとやはり「信じられない」とのこと。。。僕の感覚では「普通」なんだけど。。。
こういう家庭やこういう家庭の多い地方都市で生まれ育った人間にとって『ペアレンツ・カード』は「常に暴落し続けるカード」であって、メリットよりデメリットのほうがはるかに大きい。で、それが「普通」になってしまっている。
が、都会のそこそこの家に生まれた人間にとっては『ペアレンツ・カード』は「大事な家族」だ。時々30代でも親から「お小遣い」をもらっている僕より年上の人もいたりしてびっくりする。
そういう人は『ペアレンツ・カード』が暴落し続ける状況なんて想像もできない。
みんな自分と同じ親から産まれてきたと信じて疑わない。
だから自分の『ペアレンツ・カード』と同じようなアドバイスを他人にしてしまい、僕のような人間とは意見がずーーーーーっと平行線を辿る。。。
(そこからまたソーシャル疲れが引き起こされたりします。。。そこそこの家に生まれても『ペアレンツ・カード』の存在まで計算に入れれる人も稀にはいますが、極々稀だと思います。)
人間の数だけ『ペアレンツ・カード』が存在し、たとえ二者間の『A1キーワード』の『脳内占有率』が似通っていたとしても、そのプレイヤー個々人の『ペアレンツ・カード』によって「打つ手」がぜんぜん変わってくるのだ。
それが『ペアレンツ・カード』というリリースもトレードもできない『絶対銘柄カード』なのだ!!