職場にこんな人がいる。
(注:このブログ文章は僕が2007年にmixi非公開日記に書いたものを2013年にリライトしたものです)
若い派遣社員なのに毎晩のように職場の人と飲む。
相手が社員でも、派遣でも、部署が違っても、上司でも、とにかく毎晩のように社内の誰かと飲んでいる。
見ている僕のほうがかえって、
「お金大丈夫なの???」
と心配してしまうくらい、毎日飲む。
終電を逃し、明け方まで飲んで、万札を払いタクシーで帰る、なんて話を聞くと、酒も飲めない、タクシーも自分のお金では(日本では)乗ったことのない僕には驚愕である。
ただ、そのせいで誰よりも職場の情報通で、社員のほうが彼に社内情報を聞くくらいだw
理由をいくつか推測してみた。
・将来的にここの社員になりたい
・職場の仕組みを知りたい
・世の中の仕組みを知りたい
・単に人好き
・単に酒好き
のどれか、あるいはいくつか、あるいはすべてかなと思う。
ただ、もし彼がこの職場でない人に飲みに誘われたらどうか?
100%とは言わないが、かなりの確率で断るのではないか、と思う。
彼にとっては「この職場で働いている人」という『キーワード』に当てはまる人と飲むこと自体が今のところ世界で一番楽しい行為なんじゃないかと思う。
つまり、その『キーワード』に当てはまる人は彼にとってはそれだけで「A1率激高!」なんじゃないかと思う。
(相手が「B1」か「B2」かは別ですw)
なにが言いたいのかというと、
『ある人がある人を『A1』と感じるのにはいくつかの『キーワード』があるんじゃないか?』
ということである。
学生時代、
「うちの寮の寮生だったら誰でも飲む、誰でも好き」
みたいな先輩がいた。
(ていうか、うちの寮の先輩は大体多かれ少なかれそんな感じだったw)
とにかく毎日部屋飲み!毎日麻雀!みたいな。
で、彼らみたいな人は大体、寮生以外には友達はあんまりいなかった、もしくはいたとしてもそこまで思い入れはなかったように思える。
「いい」「わるい」は別として、そういう人にとっては「寮生」という『キーワード』は「A1率激高!」なキーワードだったのではないかと思う。
もっというと「自分の大学」というのが「A1率激高!」な人もいた。
大学のイベントを運営している団体の人だったが、とにかく自分の大学大好き!自分の大学信者!!
「自分の大学」という『キーワード』があれば誰とでも飲める!!
ってな人が少なくとも僕が知っている限りは、いた。
当然、彼らにも他にもA1な『キーワード』はあっただろう。
例えば出身高校や、好きな本や、好きなマンガや、好きなタレントや。
だが、彼らにとっては「この職場で(会社)で働いている人」「寮生」「自分の大学」というキーワードの占める『脳内占有率』がやたら高かったのだろう。
彼らを、
『「愛社精神」「愛校心」「愛寮心」が高い!』
と誉める人もいるかもしれないが、僕から言わせれば、ただ単に彼らの中でのそれらが『A1キーワードの脳内占有率』が最も高かっただけである。
人によってどの『キーワード』の『脳内占有率』が大きいかは千差万別だと思う。
例えば僕は寮生時代、とある同学年の寮生と仲が良かったが、それは「自分の大学」「寮生」以外に、「同県出身」「非進学校出身」「仮面浪人出身」「同い年」「貧乏家庭出身」「ドラクエネタ好き」「ネット好き」「本好き」という多数のキーワードがひっかかり、さらに3年次にクジで偶然「同室」にまでなってしまったのだから仲良くならないわけがなかった。
けど、そんな彼でも、僕の中で当時大きかった「サークル」「旅」「アジア」「学生団体」「メールマガジン」などのキーワードにはかすりもしなかった。
(今のこの「ブログ」もどれだけ言っても読まないw)
逆に学生時代、僕は少しでもそれらのキーワードに引っかかった人たちには片っ端から声をかけたし、酒も飲めないのに飲み会に行ったりもした。
例えば「旅」というキーワードなら、「同じ国を旅した人」というだけでほとんど誰でも好きになった。
その中には日本で普通に生活してては絶対に友達にならないタイプもいたが、「旅」という『A1キーワード』をご縁につながることができた。
さらにのちにmixi中毒者になったときは「mixiユーザー」というだけでほとんど誰でも好きになった。
同じく「mixiユーザー」でなければ絶対に会わない人、会えない人とも「mixiユーザー」というご縁でつながることができた。
なので、
『占有率が大きいキーワードに引っかかる人』
もしくは、
『小さいキーワードにいくつも引っかかる人』
というのが「A1率激高!」な条件ではないかと思う。
もっと正確に言えば、
「(自分的には)占有率が大きい(けど世間的にはレアな)キーワードに引っかかる人」
か、
「(自分的には)占有率が小さい(けど世間的には多い)キーワードにいくつも引っかかる人」
とも言える。
が、さきの「自分の大学命!」君のようにやたら大きいキーワードが脳内シェア激高の人もいるし、「旅」をする人も「mixiユーザー」も今や「少ない」とは言いがたい。
ま、あとはその人個人が日頃会いたくても会えない人かどうかもある。
東京でサラリーマンやってたら旅人なんてめったに会えないけど、例えば南米でゲストハウス経営とかしていたら毎日旅人に会っていて、逆に日本のサラリーマンとかに会いたいんじゃないかと思う。
「自分の大学命!」な人も、地方出身者がかなり多かった。東京では珍しくもない大学だが、地方では当然、珍しい。受験生時代、どうしてもこの大学に入りたかったんだろうな、と思う。
なので、
「大きいキーワードにも引っかかり、小さいキーワードにもたくさん引っかかる人」
こそが自分にとっての『激レアカード』であり、また相手にとっての自分もそれに当たる可能性が高いと思う。
で、その世界中に散らばっている『激レアカード』を集めれば集めた分だけ、人生は楽しくなるし、夢への加速度も増していくのではないか?と僕は考える!
それが僕の『A1理論』!
https://a1riron.com/entry/2013/08/23/213129
~追記~
この記事は2007年5月17日のmixi日記のリライトです。
A1理論の柱となる『A1キーワード』が登場した記念すべき回です。
ここから『A1キーワード論』がしばらく続きます。
ちなみに冒頭に出てきた人を見習って、僕はこの後、SNSどっぷりの生活から離れ、仕事仲間との飲み会サークルを作ることになります。
この回をリライトしながら思ったのは、ここに出てくる人達は「寮」や「大学」の施設自体を好きなのもあるのでしょうが、結局、『今の自分自身』や『今までの自分自身』を肯定したいんだろうな、と思いました。
「愛国心」「愛社精神」「愛校心」「愛寮心」「愛郷心」というのもすべて「今まで自分の歩んできた道」自体を肯定したいんだと思う。
他の動物に比べて身体能力の低い「人間」という弱い動物が生きていけるのは『自分』を肯定し続けているからだと思いました。
少し前に見た動画で、
「駅で飛び込み自殺とかしちゃうサラリーマンとかは通帳に300万くらい入ってる」
と言ってる人がいたけど、全員じゃないかもしれないけど、そんな人多いと思う。
一見、
「五体満足で300万あればなんでもできるだろ!」
とは思うものの、たぶん、その人は貧しくて死んじゃったのではなく、『今の自分自身』や『今までの自分自身』を表す『キーワード』を否定されるなんらかの事件とかが起こったんじゃないかな、と思う。
そういう人が多いのは、もしかしたらこの国の、この時代の、この社会システム自体が、『個人の過去を否定し続ける』仕組みになっているのかもしれません。
それが広い意味での『ソーシャル疲れ』『SNS疲れ』の原因なのかもしれません。
かくいう僕がブログを書くのも、「ログ」という電気信号をサーバに上げ続けることにより、今まで自分自身が生きてきた道を肯定し続けたいのかもしれません。
次回は引き続き、『A1キーワード』論!