僕が最初に「ホセ・ムヒカ大統領」のことを知ったのは、1年ほどまえのミニマリスト・本多メグさんの▼このブログ記事からです!
貧乏な人は「満足しない人」。ムヒカ大統領のスピーチに感じた、ミニマリズムのすすめ。 - ミニマリストは世界を変える!
なんでも、2012年のリオ会議で「最も衝撃的なスピーチ」をしたという▼ウルグアイの大統領(当時)らしい。
世界で最も貧しい大統領の生き方・考え方が心に沁みる - NAVER まとめ
「へー、そんな大統領もいるんだー。」
みたいに、その時は思った。
その後、本屋さんでそのスピーチの▼絵本が出ていたのでパラパラと読んだりしていました。
で、今年になって、日本に初来日していたらしく、昨日(2016/4/12)まで▼いろんなところでスピーチしていたようです。
来日したウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領が日本人に語ったこと - ライブドアニュース
「世界で一番貧しい大統領」政治主導で格差解消を | NHKニュース
ムヒカ前大統領:広島訪問 原爆資料館で写真などに見入る - 毎日新聞
で、昨日、本屋さんで▼この本を発見し、パラパラと読んだら、、、
もうね、めちゃくちゃ面白かった!!
この本では例のスピーチだけではなく、その思想のバックグラウンドとなる80年の人生が描かれていて、政治好き・海外好きの僕には大ヒットしましたよ!!
なので、改めて本日、、、
衝動買い!!(笑) pic.twitter.com/CT61KMtL6F
— A1理論はミニマリスト (@A1riron) 2016年4月13日
ミニマリズム過ぎる!(笑) pic.twitter.com/Lq2q3NUCpj
— A1理論はミニマリスト (@A1riron) 2016年4月13日
いっきに読了!
名著過ぎた!! pic.twitter.com/K9cW9oRGUJ— A1理論はミニマリスト (@A1riron) 2016年4月13日
今回はその本から一部抜粋し、僕の感想も書いていきます!
本当はもっともっと引用したいのですが、泣く泣く割愛した部分もあります!w
私は『貧乏』ではない。
『質素』なだけです。
いきなり「ムヒカ節」!w
大統領官邸に住むことを拒み、妻が所有する小さな農場で暮らし、家は常陽樹に半分覆われた小さな平屋で、部屋は3つだけ。水道も通ってない。
めっちゃくちゃミニマリスト!!w
これまるで▼「小屋暮らし系ミニマリスト」じゃないですかww
それでも自分は「貧乏」ではなく「質素」だと言い切るムヒカ大統領。
「いつも、貧乏な大統領と報道されて嫌になりませんか。」
チリのテレビ番組で記者から質問されたとき、ムヒカは、「私は貧乏ではありません」と断ったうえで、次のように言った。
「貧乏とは、欲が多すぎて満足できない人のことです。」
この定義に僕は賛成!!
例のスピーチにもあるように、永遠に物欲を追い求めていたらこの世界はいつかおかしくなる。
大事なのは『足るを知る』ことだ、とムヒカ大統領は言いたいのだと思う。
ムヒカ大統領は▼「セネカ」をよく引用するらしいけど、
もし誰かを幸福にしてやりたいと思うなら、その人の欲望の量を減らしてやれ。(セネカ) - A1理論はミニマリスト
僕も、セネカの考え方には賛成!
大事なのは欲望を追求することではなく、▼『執着を捨てる』ことだと思います!
「物であふれることが自由なのではなく、時間であふれることこそ自由なのです。」
これも大賛成!!
飢えることのない時代、あくせく働くことよりも、
限りある人生の『健康時間』において、なにをするべきか?
を考えることのほうが絶対的に大事。
そのためにお金が必要な時だけ働き、目標金額に到達したら、その「目標」を達成することに時間を割くべきだと僕は思います。
で、目標がまだ見つからないなら、闇雲に働かず、ボーっとしたり、ゲストハウスに泊まったり、下諏訪の温泉に浸かってたりしたほうが百倍くらいマシです!w
プラトンが言うように▼「時間の空費」こそが最高の贅沢なのだ。
時間を空費するのは、贅沢の絶頂である。(プラトン) - A1理論はミニマリスト
そんな時に読むマンガは▼これがオススメ!kindle版もあるのでスマホで読めます!
「人がものを買うときは、お金で買ってはいない。そのお金を貯めるために割いた人生の時間で買っているのです。」
まさにこの通りで、人間は人生の『健康時間』を売って、その対価としておカネをもらってる。
なので、モノなんて、極力買うべきではないんです。
『命』とトレードできるモノなんて、僕はiPhoneとPCとパスポートくらいだと思ってますw(下着や調味料なんかは100円ショップで十分)
そして、労働そのものも「楽しむ」のがベストだと思います。
労働自体を楽しみ、それで得たおカネで旅をし、ゲストハウスに泊まる。
また、楽しからずや。
「人間のもっとも大事なものが『生きる時間』だとしたら、この消費主義社会は、そのもっとも大事なものを奪っているのですよ。」
特に要らないものを「買え!買え!」と脅迫してくる消費社会に僕も反対です!
それは消費者の『命』を奪っている行為に等しいから。
そして、ムヒカ大統領は言います、
「根本的な問題は、私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは、私たちのライフスタイルだと言うこと。」
ムヒカ大統領は「そもそも」がおかしいのだ、といいます。
「そもそも」今の社会モデル自体がおかしいのだと。
しかし、これだけ読むと、20世紀のベルリンの壁崩壊もリアルで見ていた人間としては、
「この人、ヤバい共産主義者なんじゃないの?」
と疑ってしまいます。
実際、若き日のムヒカ大統領は左派の過激派グループに属し、4度も逮捕されている。
獄中生活は13年。
けど、共産主義の理想とは裏腹に汚職まみれだったロシア共産党や中国共産党と比べ、ムヒカ大統領はぜんぜん違う気がします。
おそらく、ムヒカ大統領は、本気で▼マルクスやエンゲルスが言いたかったことを実行しようとしていただけなんじゃないかな、と思います。純粋に。
「スーツケースはいつも軽めで必要なものだけ。
物を持つことで人生を複雑にするより、私には、好きなことができる自由な時間の方が大切です。」
モノは人生を複雑にする。
これは本当に真実だと思います。
ただでさえ人生は複雑なのに、さらに複雑にしても意味がない。
なので、モノではなく『自由な時間』を多く持つ。
これこそが、最大の贅沢だとムヒカ大統領は言いたいのだと思う。
これにも僕は▼大賛成です!!
おカネで『モノ』を買うなんてもったいない!!『働かないでいい時間』を爆買いするために僕は今日も働く!!!! - A1理論はミニマリスト
第二章からは、あまりネット上には書かれていない、ムヒカ大統領の生い立ちが描かれています!
家は小農家、父親は交通省に勤めながら農業を営んでいた。
しかし、ペペが公立小学校に入学して間もなく、家のローンを残して病死する。ペペ、7歳のときである。
「ペペ」とはムヒカ大統領の子供の頃の愛称。
(今でも支持者からはそう呼ばれることがある)
貧しい地域で、借金まみれの母子家庭で育った少年ペペ。
普通だったら、グレてもおかしくない環境の中、
ペペがまだ小さかった頃、
「僕のオモチャをすべて隣の人にあげる。」
と言ってきかなかった
なんと!
そんな貧しい中でも物欲はなかった!!w
私事かもしれないけど、これは僕はよくわかる。
僕も貧乏借金家庭で生まれ育ったにも関わらず、物欲はゼロ。
時々、
「お前は貧乏なのに物欲も金欲もないのはおかしい!」
と言われたりするけど、僕から言わせれば、いくら貧乏でも『卑しく』なってしまったらおしまいだ。
常に『足るを知る』生活をしていきたい、と思っているだけだ。
黒田官兵衛の黒田家が流浪の末に姫路で極貧生活にあっても、常に▼『足るを知る』生活を営んでいたのと同じだ。
身に奉ずること薄きを『倹約』とし、人に奉ずること薄きを『吝嗇(りんしょく)』とす。(貝原益軒) - A1理論はミニマリスト
己に倹にして、人に倹ならず、是を『愛』という。(杉浦重剛) - A1理論はミニマリスト
ペペ少年は80歳になっても、
「世界が物とお金と資源で溢れているなか、人に車を貸すことも惜しみ、貧乏人に手を差し伸べず、野良犬にご飯も家もあげないような、こんなにもセコい世界は他にあるのでしょうか。
神様に謝りたい。」
考え方はなにも変わっていないような気がします。
モノやおカネで溢れている現代こそ、他者に分け与えるべき。
それができない世界は「セコい世界」だと。
人類がそんな世界を作ってしまったことを神様に謝りたい、と。
「青少年時代は、当時の世界を変えたいという強い思いがあり、格差のない社会と自由を夢に見ていました。」
本人の言葉。
これは僕の青年時代とオーバーラップしますね~。
僕も、貧乏家庭に生まれ、東京の大学を目指し、一時期は社会を変えようなんて思ったりもしていました。(今では単なる中年フリーターですがw)
「格差のない社会と自由」
このことばかりを青少年時代の僕も考えていました。
(僕の場合は行きついた先が大統領ではなく、ミニマリスト・ブロガーですがww)
私の人生は恵まれています。
社会主義者として闘い、考えたこともなかった、大統領というアルバイトをさせていただいている。
我々の世代は世界を変えようとした。
格差をなくすために闘い、潰され、砕かれた。
でも、私は、まだ夢を見ています。
この本、一番の衝撃の言葉です!w
『大統領というアルバイト』
バイトかよっ!!ww
でも、大統領官邸にも住んでない、農業主体の彼の生活は、たしかに、
本業:農夫
副業:大統領
なのかもしれません。
(確定申告大変そうだなww)
でも、人間の生活なんて、ちょっとまえまでそんな農業主体だったし、「大統領」なんて職業も、それくらい「軽く」考えてもいいのかもしれない。
むしろ、大統領なんて、それくらい「軽く」考えたほうがうまく行くのかもしれない。
元ゲリラ戦士が大統領になるのは、ラテンアメリカでは、キューバのラウル・カストロ、ニカラグアのダニエル・オルテガに続き、ムヒカで3人目である。
ムヒカ大統領はゲリラ戦士が大統領になった数少ない例だそうです。
メモリの無駄使いの人と、変態仲間無しボッチ親父に次いで三番目か!!w
チリのテレビ番組では、ムヒカがチリを訪問した際、
「まるでロック歌手を迎えるかのようにチリの国民は反応し、ムヒカに触れたがる人が多かった。」
ウルグアイの大統領が、チリ国民に熱狂的に迎えられる。
これって、良く考えたら20世紀ではありえないことですよね。
おそらく、チリ国民もYouTubeで例のスピーチを見たんだと思います。
僕は、それくらい、この21世紀では『国』というものの存在意義が薄くなり、ネットやスマホの影響力が大きくなっているんだと思います。
実際、僕も南米とは遠く離れた、地球の裏側の日本でこんな内容のブログを書いていることですし。
「私は、社会の階級、社会的な不公平さが我慢なりません。」
これは本当に心の声なんじゃないかな、と思います。
少年時代・青年時代から、そのままの考え。
でも、多くの人は大人になるにつれ、高校に組み込まれ、大学に組み込まれ、企業や役所に組み込まれていく。
その過程で、少年時代・青年時代に抱いていたそんな考えは雲散霧消していき、気づけば赤ちょうちんで上司の愚痴を吐いている、みたいなw
また、人生に上手くいったら、上手くいったで、カネやモノや権力に溺れてしまい、本来の目的を見失ってしまう人も多い。
中国共産党しかり、あさま山荘事件しかり。
少年時代から、80歳までぶれずに「自分」を貫き通したムヒカ大統領。
もっともっと評価されるべきだと思います。
「マーケットに自分の命を売り、必要でもないものを買い漁り、ローンを支払いながら人生を過ごしていたら、あっという間に私のような老人になってしまいますよ。リューマチまみれのね。」
ミニマリズム炸裂!!ww
上にも書きましたが、「おカネ」=「命」である限り、マーケットに操られたら「人生」を失う、と、ムヒカ大統領は言っています。
自分の人生を生きよう!!
「あなたの存在に中身を与えてください。
このことを意識的にしない限り、あなたの『中身』はまた新しいゴミを買うためのお金に変化してしまい、悪循環にはまり、それはあなたの人生の最後の日まで続きます。気がつけば、記憶と生命力と共にサヨウナラです。」
マーケット広告でいっぱいの人生なんて空っぽ。
自分が本当に必要なモノだけを買い、それ以外のモノは買わない。買ってしまっても捨てる。
それこそが自分の存在に中身を与える人生なんじゃないかな、と思います。
ゴミ(=モノ)で詰まった人生より、中身が詰まった人生を!
で、ムヒカ大統領はこの本の最後にこう言います、
「人生ではいろいろなことで何千回と転びます。
愛で転び、仕事で転び、
今、考えているその冒険でも転び、
実現させようとしてる夢でも転びます。
でも、千と一回立ち上がり、
一からやり直す力が、あなたにはあります。」
なんて力強いメッセージでしょう!!
さすが4回投獄されたり、脱獄したり、銃で撃たれたりしてきただけのことはある!!
僕的にはムヒカ大統領は少年時代から、80歳まで、
「ミニマリズムを貫いた人」
なんじゃないかな、と思いました。
そのために何度も何度も苦難があったのですが、それにくじけず「ミニマリズム」を守り通した。
大量生産・大量消費が良しとされた20世紀では、ほとんど誰もムヒカ大統領の思想を理解しなかったんじゃないかな、と思うし、実際、当時は犯罪者・受刑者だった。
けど、その思想は80歳にして、ようやく世界中に広まった。
そんな人生が、僕には面白すぎました。
この本は、今後もくじけた時に何度も読み返そうと思いました!
全人類に▼オススメの一冊です!!