『今(2007年)のmixi世界』
と、
『今(2007年)の旅人の世界』
は似てるんじゃないか、と思った。
(注:このブログ文章は僕が2007年にmixi非公開日記に書いたものを2013年にリライトしたものです)
どちらも、
「『現在の自分のいる場所』からどうにか抜け出したい人」
が多いと思う。
『旅行』は誰でもそこそこは好きだとは思うが、『1年以上、海外一人旅する』なんて、まぁ『普通の人』はしない。
その旅人に目的や志があったとしても『バックパッカーになって世界を放浪する』なんていうのは、「場の雰囲気を最優先に考える」日本人の常識からしたら「いい」「悪い」別にして完全に『浮いて』いる。
ではなぜ旅人はそこまでして旅に出たいと思うのだろうか?「旅して見聞を広めたい」だけでそんなに長期間旅するだろうか?
僕が思うには、最終的に「人」(同じような日本人の旅人・現地人・欧米人など含めた)に会いたいんじゃないか、と思う。
で、その旅人タイプは大きく分けて2種類あるんじゃないかと思う。
・今持っている手持ちのカードより『よりレアなカード(A1,B1)』を集めたい人
・とにかくバインダーの「空き」を埋めたい人。
前者は能力もあり、日本社会でもそこそこ、いや、かなり評価をされている可能性も高く(B1率が高い)、『バインダー』の手持ちカードもびっくりするほど『レア』ものだったりするが、旅しながら見聞を広めつつ、さらに世界中に散らばってる「よりレアなカード」を探しているような人。
「この世はでっかい宝島!」みたいな人w
後者は単に日本社会になんとなくはみだしただけの人。もっと言えば「目的」のために「旅」をしているのではなく、「旅」自体が「目的」になってしまってる人。
そういう人は元々バインダーにカード自体があんまり入ってないので、人間という『弱い生物』の特質上、
「とにかく(A1,B1)、(A1,B2)、(A2,B1)、(A2,B2)なんでもいいからバインダーを埋めたい!!」
ってなってる人。
普通の日本国民は、
・家族
・地域の人
・幼馴染や小・中・高・大の同級生
・職場の人
が『バインダー』に入ってるだけでほぼ満足。
それだけで十分y(人生の残り時間のうちコミュニケーション可能時間)を満たしていける。
むしろそれ以上は下手にカード集めも、トレードもしたくない。
結局、「初期設定のカード」では不満な人たちが、今いる世界から「外に向かう」んじゃないかと思う。
「普通の日本人」は「初期設定のカード」で人生は十分満足で、一生田舎からも出ないし、パスポートもとらない。勉強ができたとしても、大学は指定校推薦か地元の国立大学だ。
で、さらにそれはそのまま今のmixiにも当てはまるんじゃないかと思う。
「普通の人」はmixiやったとしてもリアル人生の「初期設定のカード」との連絡・相談をより簡易にするくらいで、あとは趣味の情報収集や日々の癒しや笑いを増やしたり、ネットサーフィンの基点(笠原さんの言うOS的サービス)にする程度。
オフ会なんて行くのはよっぽど前者か後者だと思う。
で、さらにmixi世界と旅人の世界がよく似ているのは、前者だろうが後者だろうが、
旅に出ればどちらも「ただのバックパッカー」
mixiしてればどちらも「ただのmixiユーザー」
そういう意味ではある意味「悪平等社会」という事実である。
で、前者だろうが後者だろうが、よく言えばユニーク、悪く言えばクセのある人が多いw
それもよく言えば「自由に生きてる」、悪く言えば「すみません、普段、なにしてるんすか???」ってことだw
で最初に「今(2007年)の旅人」と書いたのは少々理由がある。
「旅人」という人種も70年代や80年代のバックパッカーはまだ前者の比率が多かったのではないか、と思う。
1ドル360円の時代に文革期の中国、イラン・イラク戦争中の中東、冷戦期のソ連を歩いた人はよっぽど行動的で、よっぽど馬鹿だったんじゃないかと思う。
(そんな人種は鎖国していた江戸時代にさえ、一定数はいたんじゃないかと僕は思う)
それが90年代、00年代になり、円高や航空券自由化で誰でもちょっとバイトしただけで数ヶ月旅できるようになってからはとたんに後者が増えてきたんじゃないかと思う。(バンコクのカオサンロードが発展しだしてきたのもそれくらいからだ)
なので今の日本社会で、
「バックパッカーやってました。」
っていうと、
「あ~、君、社会復帰無理ね。」
と言われる。
完全に、
旅人=後者
の方程式が成り立ってしまっている。
それがmixiにも言えるんじゃないかと思う。
2004年上半期に、
「mixi結構やってます!オフ会も出てます!」
というと、
「あ!君も誰かに紹介してもらったんだ!!」
とそれなりに評価になりさえしたけど、誰でもmixiやってる2007年に、
「mixi結構やってます!オフ会も出てます!」
って言うと、
「あー、君、『出会い系』の人なんだ。」
と渋い顔されるのも今のバックパッカーの現状と似ているかなと。
ただ、バックパッカーをめぐる環境が変わったからといって、旅自体がつまらなくなったわけではないのと同様、ユーザーが増えたからといってmixi自体がつまらなくなったのではないと思う。
逆に「分母」が増えた分、「分子」もそれなりに増えている。
なので、
「激レアカードを探す旅」
としては2004年より2007年のほうが面白いのかもしれない。
大まかな例えで言うと、
70年代・80年代の旅人世界&2004年のmixi世界の住人が「恐竜の頭」だとしたら、
90年代・00年代の旅人世界&2007年のmixi世界は「長い長い恐竜のしっぽ」なんじゃないかと思う。
パイが増えたことでよりニッチなカードを入手できることが可能になったとも言えるし、もし入手成功すれば恐竜の頭なんかよりもより、自分にとっての激レアカード(A1,B1)になるんじゃないかと思う今日この頃。
ま、時代が変われど、旅もSNSも、
だらだらやってたら単なるyの浪費。
でも、必死でやれば得るものはかなり多い。
ってことなんじゃないかな?
それが僕の『A1理論』!
https://a1riron.com/entry/2013/08/23/213129
~追記~
この記事は2007年4月22日のmixi日記のリライトです。
この頃からさらにmixiも旅も大きく様変わりしました。
mixiは説明するまでもなく「やれやれ」な感じにw
旅のほうはリーマンショック以降、日本人若年層は旅に出なくなったようです。
僕からしてみれば、それでも昔よりはレートがよく、航空券も安く、宿にWi-Fiが飛んでいるので旅しないのはもったいない!と思います。
が、僕も10年ほど海外に行っていないので、人のことは言えないのかもしれません。。。
さて、今回の日記に出てくる「前者」な人も「後者」な人も、実は実際のモデルがいます。どちらも僕が昔、旅で出会った同年代の友達です。
「前者」な人は誰よりも仕事ができていたのに、ある日突然、なぜか死にたくなり、京都で死のうと思い、死ぬ直前にふらっと依った居酒屋で隣のカウンターのサラリーマンに「まぁ生きてたらそんな時もあるさ」と言われ、その場で大号泣!
そして、その後、すべてを放擲して海外一人旅に出てしまいます。その旅の途中で僕に出会います。(出会った場所はラオスです)
「後者」な人は誰よりも生きるのが下手な日本人で、学校もほとんど行かず、仕事もクビになりかけで、どうにかこうにか缶詰工場のアルバイトで貯めた貯金で長い旅に出ます。その途中で僕に会います。(出会った場所はトルコです)
彼はそれから10年以上、旅を続けていて、今でも時々東京に来たときは会います。彼は40歳くらいまで生きれれば別に死んでもいいと考えています。
どちらも「旅」の中に「自分の居場所」を見つけ出した人間で、「旅」がなかったら、もしかしたら狂って死んでいたかもしれません。(あるいは僕自身も同じ人種だったのかもしれません)
この日記では僕は「後者」にやや否定的な書き方ですが、時間が経ち「後者」の彼と何度も話をするうちに「後者」の生き方も理解できるくらいは僕も大人になってきました。