氷河期世代という『鳥山明どストライク世代』のA1理論です。
いやー、いきなりの鳥山先生の訃報でびっくりしました。今でもなんかぽっかりと心に穴が開いた感じです。
僕は物心ついたときからアラレちゃんをテレビで見ていて、小学3年の時にテレビで始まったドラゴンボールが高校3年生の春までジャンプで連載していて、その後もアニメや映画は続いていました。
この頃は鳥山先生が巻き起こした『ジャンプ黄金期』でジャンプを読んでない子供はいなかったくらいでした。
同時に鳥山先生がモンスターデザインをしたドラクエも3からどハマりで、小中高大の僕の友達はやっぱりドラクエ好きが多かったですね。働き始めてからも、そして40代になっても職場で急速に仲良くなる人はドラクエ好きでしたw
僕の大学の学生寮からの友達で、今でも近くに住んでいる腐れ縁のエスターク君とは▼アラフィフになっても未だにドラゴンボールやドラクエの話ばかりですw
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そんな鳥山作品の魅力もさることながら、僕が世界遺産に指定してもいいと思っているのは鳥山先生の『労働のミニマリズム』ですw
この記事ではそれらをまとめてみましたw暇つぶしに読んでいただければ幸いですw
勤め人期間のミニマリズム
鳥山先生は高校を出てからデザイン会社で働き始めたものの、▼遅刻を繰り替えし、2年半ほどで退職。
労働をミニマムにするには、そもそも「勤め人」の期間をミニマムにするのが最適解だったんでしょうね。僕も40代半ばになってやっとそれを理解しました。
鳥山さんは実はデザイナー兼イラストレーターで、広告代理店に勤めていた。ところが彼には致命的な弱点があって。朝早く起きられない。だからサラリーマンが無理で、辞めちゃって。で、親の手前、就職活動をしなきゃいけない。で、絵は好きで書けるんで、イラストレーターか漫画家だと。
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ページ数のミニマリズム
鳥山先生は▼23歳で初めて描いた漫画からしてページ数がミニマム!
1978年1月に『週刊少年ジャンプ』の新人賞である月例ヤングジャンプ賞へ応募作品の『アワワワールド』を投稿する。投稿したのはギャグ漫画であるが、その理由はストーリー漫画と賞金が一緒なのにページ数は半分であったため。
Wikipedia 鳥山明
▼その後もずっと「ページ数のミニマリズム」は貫いておられました。週刊少年ジャンプの中でドラゴンボールだけいつもページ数がちょっと少ないんですよねぇw
連載について「毎週ページ数増やして」と読者からの声が寄せられるも「必死にやれば19ページぐらいは、かけるけど、できれば余裕をもって仕事をしたいし、のんびりできる時間もほしいし」と、毎週必ず15ページにしていることを明かしていた。
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背景のミニマリズム
▼背景を描くのがめんどうだった鳥山先生はバトルはいつも荒野でします。ナッパが「クンッ」で南の都を破壊したのは鳥山先生のこのミニマリズムのせいですwなおこの時死んだ南の都の人たちはドラゴンボールで生き返らせてもらってませんw
(鳥嶋和彦)で、後のサイヤ人との戦いは全部荒野でしたりするっていうのは、背景を書かなくていいからっていうね。
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スクリーントーンのミニマリズム
▼「面倒だから」という理由でスクリーントーンを貼らない鳥山先生wトーンが嫌いなんじゃなくて単に面倒だったからw
漫画作品では、あまりタッチをつけない均一な線が用いられており、デジタル作画を導入する前はスクリーントーンの使用が少なかった。前述のように鳥山は自身のことを非常に面倒臭がりだとしており、本人は「切ったり貼ったりするのが面倒だから、というより好きではない」と語っている。ただし、トーンが嫌いなわけではなく、むしろ使いたいとも述べていたこともあり、デジタル作画導入以降の作品ではトーン処理された画面が増えた。
Wikipedia 鳥山明
ベタ塗りのミニマリズム
▼これも有名な話ですが、超サイヤ人が金髪になったのはアシスタントの「まつやまたかし」さんのベタ塗りの時間のミニマリズムですw
超サイヤ人を金髪にすることでアシスタントのベタ塗りの時間を節約させる、などのエピソードがある。『Dr.スランプ』の途中から『ドラゴンボール』までアシスタントは松山孝司1人しか使っておらず、いつも悟空の髪の毛のベタ塗りに時間を取られていたため、鳥山は「超サイヤ人を登場させたことでアシスタント君との約束をやっと果たすことができた」と語っている。
Wikipedia 鳥山明
ネームのミニマリズム
僕も今、このブログ記事を書きながらWikipediaを読んでいて初めて知ったのですが、▼『Dr.スランプ』の途中から鳥山先生はネームを描かなくなったそうですwということはドラゴンボールはオール・ネームなし!うーんすごい。。。
一般的に漫画作品は、ネーム、下描き、ペン入れの工程を経て完成する。鳥山も初期はネームを作成した上で下描きをしていたが、その後はネームを描かずに、下描きから始める製作方法を取るようになった(『Dr.スランプ』の連載中期以降、それを逆手に取ったような描写も見られるようになる)。これは「3度も描くのが面倒」と、担当編集者の鳥嶋に進言したことによる。2代目担当編集者の近藤裕は「いきなり下描きが上がってくるから、描き直しをさせていいものかどうか」と、戸惑ったという。
Wikipedia 鳥山明
ストーリー構想のミニマリズム
▼鳥山明先生のストーリー構想のミニマリズムも有名ですね。ブウ編も真ん中くらいまでブウを倒す方法を考えてなかったらしいですし。。。
「Dr.スランプ」連載を終了した3カ月後には、「ドラゴンボール」の連載を開始。第一巻では「全体のストーリーは、簡単にはできていますが、細部やイラストは、いきあたりばったりで作っていこうと思っています」としていた。
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▼悟空が大猿になることも最初は考えてなかったんかい!wめっちゃ初期やんw
もともと先の展開をじっくりと考えて描くタイプではなく、『ドラゴンボール』では行き当たりばったりで描いていたことが多いとのこと。鳥山自身、自分でもどうなっていくのかわからなくて、なかなかドキドキわくわくして描けて悪くないという。また、悟空が大猿に変身したりサイヤ人だったと設定は当初まったく考えておらず、こういう辻褄合わせは上手いと語っている。
Wikipedia 鳥山明
▼そりゃその行き当たりばったりでタイムマシンとか出した人造人間編はストーリーのつじつまが合わなくなってくるわw
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アシスタントのミニマリズム
人気漫画家は多くのアシスタントと漫画を描いていくことが多いと思いますが、鳥山先生はずっと1人のアシスタントのみで、しかも『Dr.スランプ』の途中から『ドラゴンボール』の最後のほうまでずっと▼この「まつやまたかし」さんのみだったようです。
▼まつやまたかしさんのサイトより!
鳥山さんは、あれほどの大ブレイクのせいで人生を楽しめてるのかなと思う事もあり、もっといろんな事を一緒に楽しみたいと、この3月に約束もしていましたが、まさかの急なお別れとなりました。
R.I.P 鳥山明さん
まつやまたかしさんと鳥山先生はこの3月に会う約束もしていたらしいです。これはショックですね。。。
そして確か、まつやまたかしさんはブウ編の途中でアシスタントを辞めたので、ブウ編の最後のほうは鳥山先生1人で背景も描いていたはず。まさかのジャンプ看板漫画家がアシスタントなし!
ドラゴンボール連載終了後に描いて最近、映画化した▼『SAND LAND』もアシスタント無しで描き切ったらしいです。すごすぎ。
最後のつもりで今の自分を出し切った作品を描いてみようと思いました。 今思っても、コミックス1巻分限定とはいえ、週刊連載だったのにアシスタント無しで、すべて一人だけでよく描いたな。って自分で驚きます。
映画『SAND LAND(サンドランド)』公式サイト
こだわりのミニマリズム
▼こだわりがミニマムな鳥山先生。これ本当に大事ですよね。YouTubeでもこだわりがあるとマネタイズの邪魔になることが多いです。
(宇多丸)これ、つまり鳥山さんは……後の『ドラゴンボール』とかもそうかもしれないけど。ご本人が書かれている作品と、ご本人の本当に好きな何かみたいなこととは多少、距離があるってことですか?
(鳥嶋和彦)かなりあるみたいですね。「『スランプ』と『ドラゴンボール』は好きな作品じゃない」って言ってます。
(宇内梨沙)それは面白い!
(宇多丸)これ、でもすごく面白いと思っていて。つまり、ある程度……さっき言った「展開を変える」とかっていう時に惜しげもなくって言っていましたけども。ある意味、ある程度思い入れみたいなものに距離があるから。「じゃあ、ダメなら変えます」みたいなことができるってことかな?って。
(鳥嶋和彦)そう。で、なぜ彼がそれをできるかっていうと、やっぱりね、サラリーマンを失敗した人だから。会社員を失敗したから、これで食ってかなきゃいけないっていう。
(宇多丸)ああ、そうか。割と切羽詰まった、「ちゃんと受けるものをやります」っていうか。要するに「趣味で書いているんじゃないです」っていうことですかね。
鳥嶋和彦 鳥山明がトップ漫画家になるまでを語る
欲望のミニマリズム
僕は物心ついた時から鳥山作品を摂取し続けてきて、アラフィフの今でも僕の周りの友達は鳥山作品好きな人ばかり。
で、僕は今まで子供の頃からいろんなメディアで鳥山先生の情報を目に耳にしてきましたが、
結局、鳥山先生は『欲望』自体がミニマムな気がします。
漫画の生原稿も売れば大金が入ってきたと思いますが、紐で縛って自宅のガレージに山積みにしていたらしいです。
▼鳥山作品のパチンコ化は鳥山先生が断固反対していたという噂も昔からずっとあります。
ある遊技機メーカー幹部は「超人気アニメの『ドラゴンボール』は各社が打診したが、原作者の鳥山明氏が首を縦に振らない」と明かす。
鳥山明氏の「私は絶対に、パチンコに作品を売ったりしません」発言は根拠不明。訃報後、SNSで拡散される
スペシャルリポート02--過熱する版権争奪戦 パチンコ産業の憂鬱 2010.02.13 週刊東洋経済 第6246号 38~39頁
ドラゴンボールのアニメ版のラディッツ編の最初のほうに、亀仙人が悟空にまたドラゴンボールを集めないのか聞くシーンがあるけど、悟空は、
「オラ、ドラゴンボール集めても、特に欲しいモノがねぇ。」
みたいなセリフを言ってて、これは丸々、鳥山先生のミニマリズムだと僕は思いました。
鳥山先生にドラゴンボールは必要なかったw(いろんな意味でw)
でも『仕事』はマキシマム!
鳥山先生は『労働』はミニマム、でも▼『仕事』はマキシマムだったと僕は思います。
連載1年目は、睡眠は3日に1回、最高記録となる6日連続徹夜、ペン入れの記憶がない回があるなどと多忙を極めた。
Wikipedia 鳥山明
『仕事』に集中するために、無駄な『労働』をバッサリと切り捨てるミニマリズムを持っていた人だったんじゃないかと僕は思います。
そういう意味でもやはり鳥山先生の『労働ミニマリズム』こそが世界遺産だと僕は思います。
結局、鳥山先生の人生は、
『労働』ではなく、『仕事』をした人生
だったんじゃないかと、僕はこのブログ記事を書きながら再認識しました。
▼そう言えば、僕は9年ほどまえにこんな記事も書いていましたwたぶん僕は死ぬまでエスターク君とドラゴンボールの話をし続けるんだろうなぁw
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