これは前回の予想日記から約1年が経った後、その1年間の経緯を追った日記です。
【前回の日記】
https://a1riron.com/entry/2013/08/27/184848
最後に2013年現在の考察を書きます。
■GREEとmixi、どっちが増えるか? ~1年後の考察~■
ちょうど一年ほど前、『GREEとmixi、どっちが増えるか?』という予想をしました。
結論から言うと、
「我ながら、結構、当たってるんじゃないの?」
というところ。
>「100%実名のSNS」があったと仮定した場合、それはいつか「フリーランスの壁」の内側にぶち当たると私は思います。
GREEは見事にぶちあたったね。
で、さらに砕けた。
フリーランスに代表される初期SNSユーザーなら、GREEやorkut、今はなきUUME等で『人脈ストック』できたかもしれないけど、『ミクシィの歩き方』に代表される現在の『日常の癒し』を求める『一般人ユーザー』にとってはGREEの魅力は限りなく薄いだろう。。。
「フリーランスの壁」をどうにかしてすり抜けさせないといけない季節に、GREEは逆に壁を「厚く」してしまった、という印象は否めない。
「学校」制度しかり、GREE NIGHTしかり。
ここ1年で激増した『普通の田舎のにーちゃん』のような人にとって、GREEは『単なる東京のボンボンたちの社交場』にしか見えないと思う。
>十数ヶ月後、GREEはある程度ユーザーが増えきったところで頭打ちになり、増加スピードが急減速。
これは結構、当たってるのでは???
>mixiはユーザー数は激増するが、匿名ユーザーに実名ユーザーが駆逐される!
この予想通り、mixiの「実名率」「実顔率」はかなり減り、今は10%くらいじゃないでしょうか?
そしてやはり、ユーザー数は激増。
例えば僕が当初「ネタ」として作った母校のコミュに実際の同級生が入ってきたり、昔の旅行で知り合った友達と再会したり、昨年の今頃のmixi、またGREE等の他SNSではありえない現象も起こってます。
ただ、「駆逐」というよりは、「うまく住み分け」できてきたと思います。
「出会い」を求める人、「癒し」を求める人、「仕事」を求める人、「趣味」の幅を広げたい人、とにかく「笑い」たい人。
まさに、人の数だけ「ミクシィの歩き方」ができてきたと思います。
当初、懸念された「2ちゃんねる化」もちゃんと解消していると思います。
世界的に見ても、ここまで「成功」したSNSは珍しいんじゃないかと思えるほど。
「インターネット」というものの発明を、さらに新しいステージに持ってくることができたんじゃないかと思えるほど。
と、なんだかmixiをベタ誉めしてますが(笑)
予想から一年たって現状を見ると、
mixiは予想以上にがんばった。
で、GREEは予想以上にヘボった。
というところでしょうか?
GREE関係者の方々には非常に申し訳ないですが、これが正直な感想です。
~2013年の考察~
まずは「GREE NIGHT」とか「orkut」とか「mixiの歩き方」とか懐かしすぎw
で、当時の「GREEは『単なる東京のボンボンたちの社交場』」という雰囲気も思い出しました。「GREEに慶応生多すぎ」というアンチGREEコミュもGREE内にあったりした時代です。
今の10代の方には信じられないかもしれません。
この日記ではmixiの「2ちゃんねる化」は解消されていると書いていますが、この後、mixiはすごいスピードで「2ちゃんねる化」していきます。
僕が管理していたコミュでも、
「mixiなんて、閉じた2ちゃんじゃないの!」
という書き込みもありました。
結局、日本のSNSの普及は今も昔も「フリーランスの壁」が大きなネックになっていると思います。
実際、今もfacebookで高校や大学の友達を検索しても、サラリーマン系の友達はぜんぜんヒットしないか、登録していてもほとんど放置に近かったりします。
今より9年前、この「フリーランスの壁」にぶち当たったGREEとmixiは、このあと独自の進化を遂げて行きます。
mixiは実名率が下がり続け、ますます「閉じた2ちゃん」となり、トラブルが頻発します。
その後、実名主義のfacebookの上陸に伴い、激しく過疎化していきました。
一時は「サーバーが落ち続けるから日記は書くな!」状態だったのが「日記を書こう!つぶやこう!」な状態になりました。
ちなみに、個人的に、先日開催された「ブロガーサミット2013」に代表される、現在の「第二次ブログブーム」は「mixiでがんばって日記を書いても、もう誰もログインして読んでくれない!」という人たちがブログに流れてきたのではないかと思っています。
しばらく実名主義で運営していたGREEは、突然、携帯電話のauと提携したりして「ゲーム路線」に大きく舵を切りました。
GREE社長いわく「ネットで日記を書くのは『難しい』」とのことで、「日記メディア」から退散した形になりました。
「フリーランスの壁」がある以上、市場が飽和するのは時間の問題、いやもうすでに2005年のこの時点で飽和していたと思われます。
(当然、「社交場」と理解していた方々からは大きな反発がありましたw)
で、携帯ゲームで大きく業績を伸ばしたGREEも昨年のコンプガチャ問題により、先日、赤字転落しました。
そして現在の「facebook疲れ」の一因になっているのは、やはりこの頃からの「フリーランスの壁」にfacebookもぶちあたっているのも遠因なのではないか、と思います。
10年前の初期mixiや初期GREEにぜんぜん興味のなかった日本人の8割の「サラリーマン系」の方々が、グローバル化・スマホ化・雇用の流動化・非正規化の流れの中で、無理やり意味不明な「フリーランスの世界」に引きずり込まれた。
そのことによって「ソーシャル疲れ」が「起きるべくして起きている」と言えるのではないでしょうか?