僕が勉強しているカフェではネットワーク商材(いわゆるネズミ講)や悪質アフィリエイトの勧誘などを毎日のように見る。
勉強をしてるふりして聞き耳を立てていると勧誘パターンがよく理解できる。
勧誘パターンはすでに確立されていて、毎回テンプレ会話が繰り替えされている。
まず、だいたい20代くらいの男(親ネズミ)が友達(子ネズミ候補)を連れてカフェに来る。
そしたら同年代かちょっと年上くらいのこれまた若いにーちゃん(大親ネズミ)が立ち上がって「はじめまして!」と挨拶する。
で、お互い立ったままで自己紹介をするのだが、ここで大親ネズミのにーちゃんがまず必ず子ネズミ候補の下の名前を褒める。もうこれは毎回鉄板w
会ったばかりで名前しか情報がないんだから名前を褒めるしかないわなw
で、誰でも名前を褒められて悪い気はあまりしない。これで「つかみはOK!」w
そこから20分ほど雑談。
でも、雑談と見せかけて大親ネズミはポーカーフェイスで必死に会話の中に『ニーズ』をスキャンしている。
このまえは子ネズミ候補がその雑談の中で、
「僕、服が好きでいろいろ買いたいんですよねー」
と言いだした。
隣で教科書を開きながら、全力でその会話を聞いてた僕は、
「お!『リード』ポイント!」
と思った。(俺も暇人かw)
そこから予想通り、大親ネズミがまくしたてる!まくしたてる!
「服」というキーワードにいっきに会話を集中投下!!
そして、
「で、それらの服を買うにも『お金』って必要ですよねー!」
というと、子ネズミ候補は、
「そうなんですよー」
と反応。
これで『リード』フェーズ終了で、あとはいつもの『クロージング』用のテンプレトークでラッピングして、本日も見事、新たな子ネズミの誕生w
本当、人間を騙すのなんてちょろいなーと思う。
突然だけど、ドラゴンボールの初期のほうに「アックマン」という敵がいた。
この「アックマン」には『アクマイト光線』という必殺技があって、この光線を浴びるとどんな人でもある「わずかな悪の心」がどんどん大きくなっていって爆発して死ぬ、というチート技。
(ちなみにDBスペシャリスト(ドラゴンボールスペシャリスト)を自称する僕の勉強友達のエスターク氏はこの『アクマイト光線』こそがドラゴンボール史上最強の技だという自説をここ17年ほど覆していませんw)
しかしネズミ講の勧誘って、まんま「アクマイト光線」だなー、と思う。
一見、田舎から出てきた無垢な若者も、30分ほどであっという間に子ネズミとなって、さらなる子ネズミ探しに旅立っていくのだからw
まぁ、ネズミ講は極論だけど、街を歩くと街中『アクマイト光線』だらけだなー、と最近よく思う。
原色の看板も、家電量販店の音楽も、キャッチセールスのにーちゃんも、人間の数少ない欲望を増幅させよう、増幅させようと『アクマイト光線』をかけてくる。
こんなのにいちいちかまってたらお金も時間もいくらあっても足りない。
だから僕はそもそも欲望の『種』を極力ひとつひとつ削除しながら生きていきたい。
悟空に『アクマイト光線』が効かなかったのは欲望の『種』がなかったからだろう。『種』がなければ増幅しようがない。
知り合いに「正社員最強説」を唱える人がいる。
でも「正社員」を崇拝している時点で、そこに『アクマイト光線』をあてられたら容易に増幅させられる。
結果、そこをつけこまれて、ブラック企業→鬱→実家ニート、の黄金パターンにハマる。
僕は今も昔も「無欲な人」こそが最強だと考えている。
欲望が少しでもあればこの資本主義社会ではすぐに『アクマイト光線』で増幅させられる。
だから欲望自体を手放すのが一番「幸せ」になる方法論だと考えている。
秀吉が軍師・黒田官兵衛を最も恐れた理由は実は「頭が良すぎること」ではなく、その「無欲」さだった。戦に勝って、
「官兵衛、褒美に何が欲しい、カネか?領土か?肩書きか?」
「なんにもいりません。」
これでは「弱み」を握れない。「フック」が入らない。『アクマイト光線』が効かない。
なんせ遺訓が、
「人に媚びず、富貴を望まず」
な人ですからw
こういう人は上司からすれば本当にやっかいだw
でも僕はこういう「やっかいな人」が大好きだ!w
西郷隆盛は、
「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也」
と言った。
僕の理想の生き方はこういう「無欲すぎてやっかいな人」「無欲すぎる問題児」だ。