去年のいつの頃だったか、ふと、
「下諏訪に無人古本屋さん作りたいなぁ。」
って、考えてた。
ここでいう「考えていた」というのは、
「空想していた」
に近く、実際に作ろうとか物件探しとかは全く考えてません。
なぜそう思ったのかと言うと、
それは大学時代のある春の出来事を思い出したから。
ある日、僕が学生寮の『静養室』という、寮のOBが残していった本が集まった図書館のような部屋で本を読んでたところ、寮の固定電話が鳴った。
昼間だったので誰も電話に出る人がいなく、仕方なく、僕は電話がある寮の入り口まで行って(静養室は寮の入り口のすぐ近くだった)、
「はい、田無学生寮です。」
と電話に出ると、
「すみません、私、そちらの寮のOBではないのですが、同じW大のOBで近くに住んでおるものですが、突然ですが、本を寄贈させて頂きたいのですが。」
と、50代くらいの知らないおじさんが言って来た。
はじめは、
「おまえはなにを言ってるんだ!?」
と思ったけれども、どうやら手持ちの本を売りたくないらしく、誰かに「あげたい」らしい。
そしたら、近所に大学の後輩たちが住む寮がある、そこに寄贈させてもらえないか?と思って電話をかけて来たらしい。
春だったから、たしか引っ越しのためだったんじゃないかと思うけど、寄贈の理由はよく覚えていない。
で、ことの成り行き上、僕がその人の家に行った。
「行った」と言っても、本当に、めちゃくちゃ近所で、寮の前にあるマンションだったw
そこではやっぱり、50代くらいのおじさんが出迎えてくれて、
「おお!!よく来てくれた!!」
と言って、たしか段ボール3~5箱分の本をもらった。
そして、その中でも、そのおじさんの思い出深い本をいろいろ解説してくれた。
ほとんど覚えてないけど、ひとつすごく覚えているのは▼この本だ。
なぜなら、僕はこの年(1999年)の夏休みにアメリカ大陸横断の一人旅(バックパッカー)に行く予定だったからだ。
「僕、実はこの夏、アメリカに行くんですよ。」
と言うと、
「おお!!そうか!!だったらこの『犬養道子』さんの本は絶対に読んでおくべきだ!!」
と言われた。
その後、寮に帰ってその本をパラパラと読んだ記憶はあるけど、ほとんど覚えてないw
今読んだら、また感想も違うんだろうなぁ。
今、ググるとこの本の著者の▼犬養さんは犬養毅のお孫さんなんですねぇ。
そして、それからずっと、その古本の段ボールは静養室の片隅に鎮座し続け、さらにOBが卒寮する度に古本段ボールは積み重なっていって、最後は寮の運営委員も、
「これ、どうやって捨てよう?」
という状態になっていった。
その積み重なった古本たちからは、元所有者たちの、
「この本、タダでもいいから、是非、読んでくれ!!」
という強い『念』が感じられたww
本が好きな人が、さらに「自分が好きな本」を勧めてくる時の気迫はものすごい!w
けど、往々にして、その気迫は一般人とはマッチングしないw
「あ、そう、ふーん。ところでこの間の件、、、」
と、かるーく流されたりするw
そんな『マッチング』はウェブ上ではブログ等で可能にはなってきたんだけれども、みんながみんなブログを書くわけではないし、
もっとリアル世界で『マッチング』できる場所を作れないかな?
と思った時に考えたのが『無人古本屋』だった。
しかも、『無人古本屋』だったら、僕はフラフラ国内外を旅してても、勝手に本と人が『マッチング』されてるじゃないか。
が、
「そんなことできるわけないか。」
と、
『無人古本屋』『無人本屋』
でググることさえしませんでした。
しかし!!
去年の年末、▼このイベントで偶然にも東京・三鷹にある『無人古本屋』のことを知りました!!
『ミニマリスト・バー』こと、YADOKARIさんの日本橋『BETTARA STAND』オープニングパーティーに参加してきました!! - A1理論はミニマリスト
しかも、このイベントにこの『無人古本屋』の店長さんも来てました!
本当に『無人古本屋』さんがこの世に存在するなんて!!
しかも、その『無人古本屋』さんは、僕の学生寮があった田無市(現・西東京市)南町からちょっと近いw
そう言えば、大学入りたての頃に、僕と同じ兵庫県から大学辞めて東京に出てきた同じ寮の同級生の『エスターク』と、夜に寮飯を腹いっぱい食べた後(ご飯は食べ放題だった)、
「腹ごなしに、吉祥寺まで歩くか!」
と言って(当時GTOが流行っていた)、田無から吉祥寺まで歩いたことがあったけど、この『無人古本屋』さんはその吉祥寺まで向かった「井ノ頭通り」沿いにあるw
(「あー、こんなところに浄水場があるのか。」とか話してた浄水場の近くだw)
で、『無人古本屋』さんを知った去年の12月に、
「いつか、この『無人古本屋』さんに、行ってみたい!!」
と思っていたのですが、ちょうど、阿佐ヶ谷と武蔵境に行く用事があったので、思いのほか▼あっさりと行くことが出来ました!ww
東京の中央線沿い!古民家リノベーション物件巡りの旅!阿佐ヶ谷・西荻窪・三鷹・武蔵境ダイジェスト版! - A1理論はミニマリスト
というわけで、、、
2017年2月5日。
阿佐ヶ谷で『やわい屋』さんの出張イベントに参加し、その後、西荻窪の『二大古民家カフェ』を堪能した僕とモコさんは、西荻窪から再び中央線に乗って、三鷹へ!!
三鷹に到着!!
ドラゴンボールはなし!(笑)途中の吉祥寺では現在、シェアハウスイベントしてるっぽいです(笑) pic.twitter.com/s9HvpwTKWf
— A1理論 (@A1riron) 2017年2月5日
三鷹で降りたのなんて、12年ぶりくらいだw
しかも北口なんて、学生時代ぶりだw
というわけで、日も暮れて暗く寒い道を歩くこと15分ほど。
到着しました!!すっごくミニマム!!
二階はアパートのようになってるようです!!
「古民家」というより、「民家」のリノベーション『無人古本屋』さんですw
(※小さい古本屋さんなのでスーパーの「いなげや」を目印に探せばいいでしょう。)
ちなみに▼この無人古本屋さんの名前は『BOOK ROAD』です!24時間営業!!
三鷹の無人本屋さんに来ました!! pic.twitter.com/eX0xX2AWS3
— A1理論 (@A1riron) 2017年2月5日
2017年2月5日夕方の蔵書はこんな感じでした!
本のタイトルを詳しく見たい方は▼これらの写真をスマホかPCに保存して拡大!!w
無人といえど、▼防犯カメラは回っています!
最初、『無人古本屋』と聞いた時はもっとBOOKOFFのように棚にぎっしりと本がならんでいるのかと思いきや、ゆとりある配置。
それがまたブックカフェっぽくて、いい!!
気になる会計システムは▼こちら!!
無人本屋さんのシステム!! pic.twitter.com/iYC7gWnqwL
— A1理論 (@A1riron) 2017年2月5日
なんと!!
ガチャガチャでお会計です!!ww
カプセルの中には袋が入っていて、手ぶらで来てもその袋に入れて帰れる、というシステム!
ちょっとバカっぽいけど、かなり良くできたシステムだし、ガチャガチャを回すのが単純に遊び心があっていいと思う!!
そのガチャガチャの横に▼木の箱が置いてあって、、、
モコさんと、
「これ、なにかな???イス????」
って話してたんですが、
実はこれ、寄贈本の箱らしいです!!
後から調べて分かったのですが、あの、寮に電話をかけてきたおじさんのように、
「おカネはいらないから、この本を読んで欲しい!BOOKOFFではなく!」
という強い『念』のこもった本を置いていく人が多いんだそうだ。
確かに、自分が愛読していた本が、BOOKOFFで108円のシールが貼られて並んでいるのを見るのは辛いし、それならまだしも、「古い」という理由で本棚にも並ばず、破棄されたりもする。
資本主義社会では「古い」と言われて「価値がない」とされる本たちを、ここでは再び、檜舞台に立たせることができる!!
ここはすばらしい本屋さんだと思いました!!
無人だけど、
「人情味溢れる古本屋さん」
だと思いました!
無人だけど!!ww
僕とモコさんは結局、なにも買いませんでしたが▼この本は買おうかどうか最後まで迷いました。。。
この古本屋さんのラインナップは無秩序に見えて、なんとなく『ソーシャルデザイン』っぽいと思いました。
ちょっと▼ポートランドっぽいとも思いました。
クレイジーなんだけれども、クレイジーじゃない。
クレイジーじゃないんだけれども、やっぱクレイジーだ!!
みたいなw
リアル本屋さんが本のファーストウェーブ、
電子書籍がセカンドウェーブだとすると、
この無人古本屋さんは『本屋さんのサードウェーブ』なのかもしれません。
儲けることよりも▼『シェア』の概念。
- 作者: レイチェル・ボッツマン,ルー・ロジャース,小林弘人,関美和
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2010/12/16
- メディア: ハードカバー
- 購入: 28人 クリック: 1,325回
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『本』自体の、「いいね!」や「リツイート」に近い気がしました!!
けして、単なる古書店でもなく、図書館でもない。
水道の水や野菜の無人販売所のように、安価でいい本が手に入れられるという、活版印刷術から始まった「人類の活版印刷革命」の最終章にあたる、壮大な社会実験の場所だと思いました!
(おおげさかな?いやでも本当にそう思うんだからしかたがない!w)
この無人古本屋さん『BOOK ROAD』さんについては、▼これらの記事に詳しく書かれてあります!どれも素晴らしい記事です!!
人と本の交流を考えたら”無人”になった。古本屋「BOOK ROAD」の小商い – YADOKARI|スモールハウス/小屋/コンテナハウス/タイニーハウスからこれからの豊かさを考え、実践するメディア。
無人古本屋 BOOK ROAD | みんなの「ののわ」 | ののわ
http://bookshop-lover.com/blog/post-16566/
本好きな方、面白いこと好きな方、人類の未来を感じたい方はふらりと行ってみてはいかがでしょうか?
なにも買わなくても、ものすごく『豊か』な気分になれますよ!
(でも、できればなにか買ってあげてください!僕が言うのもなんですが!w)
「BOOK ROAD」
東京都武蔵野市西久保2丁目14-6 亀松荘1階西側部分
JR三鷹駅北口より徒歩約13分
24時間営業(※小さい古本屋さんなのでスーパーの「いなげや」を目印に探せばいいでしょう。)