突然ですが、トルコが好きです!
まぁ、僕はイスラム国家全般、旅人を大事にしてくれるので大好きなのですが、
トルコとパキスタンは旅するにはコスパ良過ぎる国だと思います!
僕はトルコには昔、アジア横断の旅の執着地として1ヶ月ほど滞在しましたが個人旅行もしやすく、交通手段はヨーロッパ並みに整っていました!
トルコ料理は世界三大料理で、特にトルコの焼き立てパンは世界一だと思っています!!
治安も下手な南イタリアやスペイン都市部よりいいと思いました。
物価はさすがにパキスタンよりは高いですが、コスパ考えたら一人旅ならトルコのほうがいいです!
で、イスタンブールも非常にいいのですが、観光客に絨毯とかを押し売りしてくる現地人がウザいですw(特に女性はナンパに注意です!)
僕的にはトルコの田舎町とかがすごく良かったです。
個人的にはイスタンブールから遠いですが「ドゥバヤジット」というイラン国境にあるクルド人が住む小さな田舎町が居心地良く、2週間ほどボーーッと「沈没」していましたw12年ほどまえですが!w
「ドゥバヤジット」は旧約聖書で世界が水浸しになった時に「ノアの方舟」が止まったとされる▼アララト山の近くにあります。
▼このホテル併設のゲストハウスのドミトリーの大きな窓からは毎日、アララト山がまるで額縁の中の絵のように綺麗に見えてサイコーでした。
今思えば、贅沢な日々だったなぁ。
▼びっくりするくらいの土砂降りの雨が降った時の直後。
もう本当に旧約聖書のようになっちゃうんじゃないかと思いましたw
近くの小さなスタジアムでクルド人のお祭りがありました。
▼これはその時にいっしょに遊んだ小さい女の子w
そんな僕は帰国後▼この漫画(コミックエッセイ)に出会いました。
作者の高橋由佳利先生は80年代にりぼんで少女漫画を描いていたらしいのですが、90年代に漫画家を辞めて海外に行きたくなって、、、
(『トルコで私も考えた』①より)
家の近所のトルコ料理屋でほとんどゲストハウスのようなホテルを紹介されて、そこに泊まりに行くことに。
で、なんと!そのホテルを経営していた兄弟の士官学校時代の友人で、そのホテル1階で旅行会社を経営していたトルコ人と結婚!
その後、出産し、神戸に移り住んで、トルコ人の夫はいろんな商売をするも、最終的には神戸でトルコ料理屋を開業することになる。
たぶん、漫画には書けない大変なこともあっただろう苦労事がなんとなくコマの間から伝わってくるんですが、でも基本的にトルコ人との国際結婚のドタバタ劇を笑い飛ばしたギャグ漫画風になっていて、とても笑えますし、ものすごく勉強になったり、考えさせられる回もあります。
とにかく『リアリティ』がビンビンと感じられるコミックエッセイです。
トルコを知らない人はトルコが好きになり、トルコが好きな人はもっと好きになる漫画だと僕は思います。
で!
その最新刊『成長編』が2015/10/23に発売されました!
実質的には7巻です!
7巻も出てるコミックエッセイって珍しいです!
僕は昨日買ってきて、速攻で読破してしまいました!w
『成長編』というタイトルですが、神戸での日常でのトルコエッセイがメイン、という感じでした。前巻の『トルコ料理屋編』の料理屋系の話題が少なくなった感じです。
今回のこの僕の記事ではその『成長編』を読んで考えたことを書いてみます!
◆いい人と悪い人の区別をつける能力は帰国後も役立つ!
最初の2話は90年代前半のトルコ・チェコスロバキアの旅の回顧録になっていますが、その最初のトルコの話は「ブルサ」という街に行った時の話。
ここで若き高橋先生、なんと!モスクの前にいた男性二人について行ってしまいます!
これは海外旅行中は大変、キケンな行為なので、辞めましょう!たとえあなたが男性でもです!
ただ、これ、イスラム圏の田舎だとキケン率がグッと下がってしまうんですよねぇ。
コーランにも「旅行者は手厚くもてなせ」と書いてあるようなので、この第一話のようにめちゃくちゃ親切にしてくれて、ご飯もふるまってくれて、泊まっていけ、とよく言われます。
ただ、それだけいい人が多いということは、旅行者の気も緩むということなので、悪いことをするのもカンタンということで、悪いことをする人もいます。
特にイスタンブール新市街等の都市部や空港等で声をかけてくる人は要注意です!飲み物には睡眠薬が入っているときもあります!飲み物は絶対に飲まないようにしましょう!男性もです!
トルコ等海外旅行中は「ウソをウソと見抜く能力」をつけましょう!
具体的には、
言ってることの論理が破たんしていないか?
話が上手過ぎないか?
やたら権威(「政府が」「アッラーが」等)を利用してないか?
等です!
で、実はこの能力、
日本への帰国後、すごく役に立ちます!
日本もトルコ同様、
「いい人が多すぎて、悪い人が犯罪をしやすい国」
だということに気づかされます。
◆トルコの『夏の家』制度を日本人も見習うべき
高橋先生と同じく、トルコ人と結婚し、イスタンブールに住んでいるMさんが夏の間、エーゲ海の『夏の家』を借りていたという描写があります。
トルコの『夏の家』とは別荘だけど、日本と違うのは、たいていはアパート方式でレンタルできるらしい。
長く借りるほど安くなって、家具や食器もついているところもあるらしい。
しかもこのMさん夫婦は2人とも翻訳の仕事をしているので、『夏の家』でもPCで仕事ができ、エーゲ海を見ながら仕事する『私の想像図』が描かれている。
この制度、日本人も見習うべきだなー、と思った。
「地方移住」とか、あるいは「別荘」、というといろいろ身構えてしまうけど、暑い夏の間だけ東北の田舎で仕事するとか、寒い冬は沖縄で仕事するとか。
まぁ、ゲストハウスに長期滞在すれば叶えられるんだけど、ゲストハウスは仕事するにはちょっと不向きなんですよねー。
田舎はスタバみたいなカフェもなかったりするし。
Airbnbが日本でも普及すればまた変わってくるんだろうけど、まだまだな気もします。
現地の人から借りる家・アパート・部屋・バケーションレンタル・民宿予約サイト - Airbnb (エアビーアンドビー)
地方移住者は空き家を改修して『夏の家』を作ってみてもいいかもですね。
で、オフシーズンは格安で貸し出すとか、自分が住んで仕事するとか。
◆トルコの教育ゆとり過ぎ。日本の教育過酷過ぎ。
トルコの高校生の甥のオズギュルが、いとこであるケナン(高橋先生の息子)の神戸の家に遊びに来る話があるのですが、、、
トルコの夏休みは6月中旬~9月中旬の3ヶ月!
それに比べて日本の高校生は少ない夏休みに毎日部活&合宿があって、宿題も出る。
その部活をもシゴキ、シゴキ、シゴキ、で、、、
「だって、スポーツってレクリエーションだろ」
「プロになるならともかく、こんなにしごかれて何の意味があるんだ!?」
と、オズギュル君は言います。
それに対して、高橋先生の夫は、
「甥よ、日本では兵役がないかわりに学校や会社が兵役がわりなのだ」
と、諭します。
(ちなみにこの高橋先生のトルコ人夫、コミカルキャラなのですが、時々、ハッとする発言をするので好きです)
確かに世界中、多くの国で男は兵役義務があり、2年ほど人生時間を無駄にする。(戦争なんて次起こったら地球滅亡なのにw)
日本の教育が『兵役がわり』なら、男性は高校教育と兵役義務を同時に履修できて、日本の教育はコスパがいいのかもしれません。(ポジティブ!w)
◆トルコ人男子は肉食系男子過ぎる!
詳しくは読んでもらえればわかると思いますが、、、
トルコの高校生男子とか、想像以上の肉食系ですね。。。
イスラム国家とは思えません。
というかつい20年ほど前の①巻の頃と同じ国とは思えません!!
なにかの旅の本にも書いていましたが、時々その国に来る「旅行者」にとって、その国はあんまり変化してないように思えますが、その国に住んでいる人にとってはものすごいスピードで変化しているものなんですよねぇ、、、
国って。
◆①巻の時代とだいぶ違う!
それに関連することですが、そして当たり前のことですが、20年ほど前の①巻の時代とはトルコも高橋先生の生活自体もだいぶ変わってます。
最近のイスタンブール(2014年)は日本のアニメのコスプレ集団も出没しているらしく、トルコ人もビックリしている様子が描かれています。日本のアニメの主題歌を日本語で歌う若いトルコ人もいるとか!
そして時代はソーシャル時代!
前巻でtwitterの話題が出ていましたが、今回はFacebookの話題がちらほら出てきます。
高橋先生はトルコの親戚のFacebookもチェックしているそうです。
①巻の頃(90年代前半)はトルコが「遠い異国」のように描かれています。
「トラベラーズチェック」とか懐かしいし、航空券が高い!w
けど、この最新刊になると「なんかちょっと遠くの町」という感覚くらいになってしまいます。
新宿と下諏訪くらいの感覚で、新宿で下諏訪の人のFacebookを覗いている感じ。
たった20年で世界がこんなに変わるものなんだと実感します。
その時代を生きてきた自分の人生と重ね合せて読むのも楽しいです。
「あー、私、このころあれしてたなー!」
みたいな。
『成長編』というタイトルですが、我々の住んでいるこの『世界』が一番、『成長』しているように思えました。
以上が、
『トルコで私も考えた』の最新刊「成長編」を読んで私が考えた5つのこと
でした!
僕はこの漫画は是非、後世にずっと残っていって欲しいと思っています。
イザベラバードの『日本紀行』くらい、人類の歴史が見える漫画だと僕は思います。(僕の中ではイザベラバード以上ですがw)
僕は時間が出来たら①巻から順に感想文を書きたいとも思っています。
イザベラ・バードの日本紀行 (上) (講談社学術文庫 1871)
- 作者: イザベラ・バード,時岡敬子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/04/10
- メディア: 文庫
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漫画家を辞めてトルコに行ったのに、トルコ漫画を描くことになり、何度も「この巻で終わりにする!」とあとがきに書きながら、不定期で新刊が出る。
このゆるい漫画『トルコで私も考えた』はこれからも淡々と、人類の歴史を更新していって欲しいと思っています。
あと、全くの余談ですが、実はこの高橋先生、僕と同郷なんですよねw(H県H市)
twitterで少し会話したこともありますw
神戸のこのトルコ料理屋さん「K」にもいつか行きたいと思っています。
興味ある人、いっしょに行きませんか?
ちなみにこの漫画は▼kindle版がオススメです!
文庫版も出ていますが字が小さいので、kindle版で①巻から順に読むことをオススメします!!