原田泰さんの▼『ベーシック・インカム』を読みました!!
ベーシック・インカム - 国家は貧困問題を解決できるか (中公新書)
- 作者: 原田泰
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/02/24
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (18件) を見る
▼帯の主張がシンプル過ぎて気に入りKindle版を購入!!w
筆者の▼原田さんは経済学者で、特に日本経済の諸問題にはお詳しいと読んでて思いました!
で、この本は、
第1章 所得分配と貧困の現実
第2章 ベーシック・インカムの思想と対立軸
第3章 ベーシック・インカムは実現できるか
で構成されています!
で、まず第3章の主題となっているベーシックインカムの『財源問題』の『負担』に関しては、▼この本の波頭さんの私案がものすごく良く出来ていると僕は思っています!
波頭亮さん著『AIとBIはいかに人間を変えるのか』は現代日本の過去・現在・未来が理解できる日本人必読書でした! - A1理論はミニマリスト
そして、ベーシックインカムの『給付』に関しては、
まずは定額給付金の延長として、月1万円から徐々に上げていくべきだと僕は思う。
(その後、生活保護費と年金を徐々に下げていくべき)
あとは、そもそも論ですが、財源の問題に関しては、
「国家は貧困問題を解消するべき」
という基本理念の元に、
『ベーシックインカムありき』
で考えるべきであり、
単にそのマインドセットができるかできないかの問題
だとも思っている。
というわけで、
第3章に関しては僕の中ではすでに半分以上、結論が出ていました。
で、第2章の『思想』についてですが、ベーシックインカム本にはつきものの、フリードマンやらリバタリアンやらの横文字が多く出てきますが、、、
僕はそもそも、ベーシックインカムは『思想』の問題ではなく、
『AI時代の富の再配分の問題』
だと思っている。
▲明日発売!!
国家が富を再配分するのは古今東西、当たり前であり、それは過去の再配分の『思想』を辿るよりも、今後のAI時代を予測したほうがより現実的になると思う。
というわけで、第3章と第2章には今回、触れません!
(あとこの2つの章にはあんまり関係ない文章も多い気がしました。。。)
なので、今回の記事は経済学者である原田さんが書いたこの本の醍醐味である、
第1章 所得分配と貧困の現実
をメインに書いていきたいと思います!!
いつも通り、引用→感想文、という感じで!
なお、本のタイトルは『ベーシック・インカム』と、真ん中に『・』が付いていますが、この記事では『ベーシックインカム』と表記します!!
ベーシック・インカム - 国家は貧困問題を解決できるか (中公新書)
- 作者: 原田泰
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まず、はじめに!!
いきなり、リアリティのある日本の雇用の話になっていきます!!
この▼ビスマルクが企業を『安心の起点』とした話は僕は知らなかったです!!
この話はあとでまた詳しく出てきます!!
そして、原田さんは、
19世紀末までは人々の生活を守るのは家族、拡大家族、そして地縁だった
と続け、
『近代社会は、人々が自営業者から雇用者になっていく過程でもある。』
と述べる。
これは僕の▼この認識と完全に一致ですなぁ。
『住』従属人生の19世紀、『職』従属人生の20世紀、『居』従属人生の21世紀。 - A1理論はミニマリスト
特に日本では、戦後、
単なる『職』場でしかないはずの『カイシャ』に人生が従属して行くようになり、世界が驚く『カローシ』(英語)大国になるw
ま、
20世紀の100年間で9割近い日本人が『給与所得者』になったわけです。
そして、、、
これは、アジアを歩けば多くのお店やゲストハウスで小さな子供が働いているのでわかるだろう。
ま、ジャイアンが自分ちの店番させられている状態ですw
ていうか、自営業家庭の僕は子供の頃から親父の仕事を手伝わされていたww
(その反動で、大人になってからはあまり働かなくなりましたw)
けど、
サラリーマン家庭においては、子どもが家でする仕事はない。
なので、特に1960年代以降は、
子どもが『資本財』ではなく、『消費財』になった
と、原田さんは言う。
僕がぜんぜん子供が欲しくないのも、
『消費財』をことごとく嫌うミニマリスト
だからなんだろうなぁ。
(あ、嫁単体はもっといりません!w)
しかし、原田さんは、
子どもは、
家族にとっては『消費財』だが、
社会にとっては『資本財』である。
と述べる。
なるほど、確かに。
子どもがいないとどんどん日本の人口は減っていく、というか、現時点でかなりの少子高齢化社会になってしまっている。
その割に、子どもを産み育てるにはこの国は無理ゲー過ぎると思うw
やっとこさ、そこそこ大きくなっても保育園にも入れないし、、、(日本死ね!!)
さらにこれから超少子高齢化社会になっていくことが目に見えているこの日本という国こそ、早急にベーシックインカムが必要な国だと思いますけどねぇ。。。
ベーシック・インカム - 国家は貧困問題を解決できるか (中公新書)
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次に、僕もお世話になっている雇用保険(失業保険)の問題について、
▼ググってみた!!w
残念すぎる「私のしごと館」の衝撃度 “壮絶な無駄遣い”に京都府知事も絶句 (1/8ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
実物大?の「宇宙ステーション」、
一体数百万円の「ちょんまげ人形」、
一度も使われたことのない「燻蒸(くんじょう)庫」…。
【壮大な税金の無駄】総工費581億円!雇用・能力開発機構の豪華職業体験施設「私のしごと館」の中はこうなっていた - 大阪DEEP案内
こwれwはwひwどwいwwwww
そもそも、『学研都市』自体、関西の地の果てのようなところにあるよww
(大阪・京都・奈良の中間点くらいww)
これも▼ググってみた!!
厚生労働省の特殊法人「雇用・能力開発機構」(横浜市)が、雇用保険料から約4498億円もの巨費をぶち込んで建設した全国2070カ所の保養施設などを、1050円、1万500円といった二束三文で次々に売却中だ。
昨年の失業率が過去最悪になる中での許し難い暴挙…。
機構側が神奈川県小田原市に、8億数千万円での買い取りを要請している「スパウザ小田原」は建設費455億円と最大の物件だ。
売却で生じる損失約446億円は、実に約5万人分の失業保険に相当する。
平成13年度の売り上げは約26億円。見かけ上は250万円の黒字だが、機構から運営を委託された「勤労者リフレッシュ事業振興財団」が約2億円の委託費を受け、実質は約2億円の赤字。
平成10年のオープンから、累計で国から約9億円の補填を受けている。
スパウザとは、温泉のスパと楽譜の休符を意味するパウザを組み合わせた造語で、勤労者が長期滞在し、リフレッシュする場所を意味しているという。
そんなスパウザを、失業者や失業の危機に脅える勤労者が利用しているのか。誰が考えても、利用者の大半は失業の心配がない人たちだろう。
さらに、大きな問題は民間で普通に経営すれば黒字化も容易とみられる施設で、誰が赤字を垂れ流してきたのかだ。
機構の理事長や役員の大半は厚生労働省(旧労働省)の天下り。
スパウザの運営を委託された財団の理事長も、元事務次官で機構の元理事長だった。
失業者の生き血でリフレッシュしているのは、天下り役人なのだ。
まさに、、、
しかも最終的には、、、
ヒルトン、神奈川・小田原のホテルを9億円で買収 :日本経済新聞
いや、約455億円で建てたものを9億円で買収って、、、
コスパ最強にもほどがあるだろ!!ww
まぁ、結局、厚労省の特殊法人が予算割り振られて、それを無理やり使うために地元の土建屋と結託してたんだろうなぁ。典型的な『ハコモノ行政』ですなぁ。
ヘタしたら、ヒルトンにも天下り官僚が送り込まれてそうだなぁ。。。
ていうか、
4498億円もあるなら安月給で奨学金返済に苦しんでる20代30代に月3万円くらい配れよ!!ww
ググったら、
日本の20代30代はざっと3000万人で、1人3万円配っても1億いかない、年間でも12億じゃねえかw
この世代がどうしようもなくビンボーで結婚できないから日本の人口が増えない、いや増えないどころか、ここがバンバン自殺してるからむしろ人口が減っていってるんだろうがww
そして、
これを読んでる20代30代は自殺するくらいなら雇用保険(失業保険)もらってしばらくゆっくりしたり、俺みたいに職業訓練校に通えよwww
おまえらが雇用保険(失業保険)の財源を使わないから、こんな余計なハコモノが作られて、結局、最後はヒルトンのものになってしまうんだwww
地方の土建屋が儲かっただけです。
本当にありがとうございます。
それって、昔ながらの▼『ニューディール政策』でしかない。
「企業の時代」ではなくなった21世紀に『ニューディール政策』をし続けるのは僕はナンセンスだと思っている。
結局、富める者がさらに富むだけであり、
肝心の『富の再分配』になっていない。
さらに、この21世紀、
「プロダクトの『生産性』」
は、すでにカンストしているので、富裕層もおカネをほとんど使わない。
なので、
結局、景気も良くならず、誰の得にもならない。
僕は、そんな遠回りのことをするより、
生活保護水準以下の給与しかもらっていない人間に、直接、おカネをバラ撒くべき
だと思う。
なぜなら、、、
日本の人口の13%は生活保護水準以下の所得で生活しているからだ。
働いている人間が、働いていない人間よりも少ない額で生活していること自体、先進国としてはありえない、
というか、普通に考えてありえないのだ。
▼この人の言ってること、正しいやんけ、、、
ベーシック・インカム - 国家は貧困問題を解決できるか (中公新書)
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そして、原田さんは言う。
今後、65歳以上の無年金者の生活保護受給者が増えていくことからも(基礎年金額より生活保護受給額のほうが高いから、ハナっから年金払わず生活保護受給したほうがコスパ最強になるため)、
僕は、生活保護支給額は引き下げるべきだと思う。
僕が最近知り合った人は、昔、パチンコ屋でバイトしてたらしいけど、生活保護受給者はパチンコ屋に来るならまだしも、タクシーで来るらしい、しかもそれが何人もいるらしい。
13%の人間が、朝から晩まで働いても、タクシーでパチ屋に来るそいつら以下の給与しかもらえないのは、絶対に間違ってると思う。
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そして、原田さんは「企業を生活保障の責務から解放したほうがよい」と述べる。
労働者でいると、どうしても、
「企業憎し」
になるけど、
この時代、企業も従業員の生活を守るのはかなりの無理ゲーになりつつある。
元々、企業を使って人々の安心を確保しようとしたのは19世紀末のドイツのビスマルクだ。
20世紀という『企業の時代』に向かう19世紀末に、
ビスマルクは労働者を籠絡するために社会保障制度を整備した。
もう、それは単なる、
政治的コスパの問題
だwww
当時は、政治的コストにおけるパフォーマンスが高かった
という、ただそれだけの理由だ。
うーーむ、ビスマルク、『軍師』じゃのう。。。
しかし、
その19世紀のビスマルクの亡霊に、我々21世紀の日本人は悩まされているわけだ、、、
ちくしょう!!ビスマルク!!
おまえはピザでも食ってろピザ!!!wwww
【みんなが作ってる】 ピザ ビスマルクのレシピ 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが287万品0
まぁ、当時、国際的には『へなちょこ』だった日本の明治政府・内務省も、
▼普仏戦争でフランスにボロ勝ちしたドイツ(プロイセン)を見て、、、
「そこにシビれる!あこがれるゥ!」
になって、ドイツ的な制度を日本に採り入れまくったんだろうなぁ。
▼『坂の上の雲』とか見ててもそうだしなぁ。
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そして、原田さんはベーシックインカム議論に必ずつきまとう、
『フリーライダー論』に関して▼こう反論する。
ここに大きな労働観の転換が求められていますねぇ。
『無駄に働くことは、何もしないよりも罪が大きい』
僕は、孫子の言うように、
「『適材適所』こそが戦術・戦略の基本!!」
と考えている。
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そんな僕から言わせれば、今の日本は、
『不適材・不適所』
になっている気がしてならない。
「いや、不適材でも、ちゃんと働いているじゃないか!!」
という人が必ず出てくるが、そういう人には、
『生産性』
という概念がないと僕は思っている。
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『生産性』こそがすべてだ
と、僕は言いたい。
労働時間や、働いている期間とかは、究極的には関係ない。
『生産性』こそが、企業も、国も、個人も富ませるのであり、『生産性』の低い事象はことごとく駆逐するべきだ
と、僕は考えている。
そういう意味では、
「雇用の流動化」こそが絶対的な『善』
だと思う。
そのためにはベーシックインカム制度により、
企業を19世紀のビスマルク以来の社会保障から解放させ、
個人の『生存権』を企業から切り離し、
本来、国民の『生存権』を保証するべき『国』が保証すべきで、ヨーロッパの国々はすでにそうなりつつある
と僕は思う。
というわけで、日本の雇用問題・社会保障のリアリティをもって書かれている、原田さんの▼『ベーシック・インカム』!一読の価値はある良書だと思いました!!
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- 作者: 原田泰
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
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