IT系営業マンは資格を取らない方が多いです。
しかし僕はIT系営業マンだからこそ、是非ITパスポートを取得するべきだと考えています。
理由としては次のようなことが挙げられます。
●ITの基本が理解できる。特に基本単語を知ることができる。
●今やお客さんや後輩・学生でも持っている可能性が高い。
●面接官は同じ営業経験者なら資格があるほうを選ぶ。
●自信がつく。
●比較的取得が簡単。(ストラテジ系・マネジメント系問題が多い)
●他の試験もスライド受験できるようになる。
以下に各理由について詳しく書いていきます。
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●ITの基本が理解できる。特に基本単語を知ることができる。
僕は基本的に資格の勉強を「仕事に役立てよう!」と思ってはいけない、という考え方を持っています。
しかし、それでもITパスポートレベルの勉強は必要だと考えています。
ITパスポートは勉強と言うより「リテラシー」「教養」に近いと僕は思います。
もっと言えば「常識」。「読み書きそろばん」に近いと思います。
何をするにしても「基本」が大事です。
僕が思うのは特に単語レベルの「基本」。
例えば仕事でたまたま「ファイアウォール」という単語や話題が出てきたとき、
「あぁこの場合、ファイアウォールって使えるんでしたっけ?ちょっと社内の詳しい者に聞いてみます。」
と言う人と、
「ファイアウォールってなんですか????」
と言う人がいたとします。
どちらの人が賢く見えますか?
どちらの人に頼むほうが早くファイアウォールが実装できそうですか?
どちらの人といっしょに仕事がしたいですか?
答えは明白だと思います。
「ファイアウォールなんて俺の仕事には関係ない!」
という人がいるかもしれませんが、それは本当ですか?
また、これから何十年もファイアウォールと関係なく仕事できますか?
ファイアウォール以外のITパスポートレベルの単語が出てきたときは対応できますか?
●今やお客さんや後輩・学生でも持っている可能性が高い。
2009年より『初級システムアドミニストレータ試験』が『ITパスポート』という誰にでもわかりやすい名前になりました。
『IT』というものが供給者(ベンダ)だけのものではなく、広く一般(ユーザ)のものにもなったからでしょう。
それに伴い、学生やOL、非IT系企業勤務の人でも所有する人が増えました。
2011年にはCBT対応しましたのでさらに身近になりました。
ですのでITパスポートレベルの単語は一般人にはもうけっこう浸透していると考えてもいいと思います。
そうなるとこれから社会に出る人はITパスポートをすでに所有していたり、さらに上の基本情報技術者(レベル2)の勉強中だったりするのです。
僕の経験からも今の20代は就職が厳しかった世代であり、かつPCがすでに家にあった世代ですので情報処理試験等に関してよく知っています。
これは文系や理系、営業や技術、男性や女性、関係ありません。
後輩やお客さんと単語を『同期』するためにもITパスポートを取りましょう。
●面接官は同じ営業経験者なら資格があるほうを選ぶ。
この時代、そしてこれからの時代、生涯で一度も失業しない人がいるでしょうか?
また失業しないまでも、生涯で一度も転職エージェントに登録しない人がいるでしょうか?
また転職エージェントに登録しないまでも、生涯で一度も転職を考えない人がいるでしょうか?
僕は営業マンは頑張り屋さんの方が多いと思います。
しかし、その頑張りで営業力を上げても、最初の5年くらいまではガンガン上がりますが、5年を過ぎてからの成長度合いは緩やかに推移していくと思います。
まさに『技術のS字カーブ』と同じですね。
問69 技術のSカーブ 平成22年春期|応用情報技術者試験.com
(ちなみにこの『技術のS字カーブ』はレベル3の応用情報技術者の午前問題にやたら出題されますw)
営業の『技術』もS字カーブを描くと僕は考えています。
そしてそのスパンはその人個人の能力や業種や商品にもよりますが、だいたい5年くらいなんじゃないかというのが僕の実感です。
5年間がんばった営業マンたちはどんぐりの背比べになります。
どんぐりたちがいっぱいて、そこから一人だけ選ばないといけない場合、普通のどんぐりよりITパスポートを持っているどんぐりを僕は選びます。
ITパスポートを持っているどんぐりばかりの場合は基本情報技術者をもっているどんぐりを選びます。
プログラマやSEの方たちは日々、新しい技術の習得に熱心です。
彼らは35歳で成長が止まると言われているからです。
営業マンも「成長が止まっている」と言われないように30歳くらいから徐々に資格試験を取得していったほうがいいと思います。
それにはITパスポートほどうってつけの資格はありません。
実際、僕も資格の勉強はまずITパスポートから始めました。
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●自信がつく。
5年ほど営業をがんばって続けているとその商品に関してはひとかどの人物になります。そして自信満々になります。
しかし、少し専門外の単語が出てきたら急におどおどする人が多いです。先ほどのファイアウォールの例のように。
僕は営業マンで大事なのは『T型人間』になることだと思います。
専門を持っているITジェネラリスト。
けして『I型人間』『タコツボ人間』『専門(バ)家』になってはいけないと思います。
お客さんはいろんな人がいます。そしてそのお客さんそれぞれがまた専門分野を持っています。
そのお客さんは自分の話を理解してくれるかどうかおそるおそる訪ねて来たりします。その時に、
「ああ、やっぱり理解してくれなかった。。。」
と思われるか、
「あれ?意外と理解してくれている!」
と思われるかで結果も違ってくると思います。
営業マンも5年が経ち、営業技術がS字カーブを描きだしたら、ライバルとは専門分野で勝負するべきではなく、専門外分野で勝負するべきだと僕は思います。
まさに『戦わずして勝つ!』。それが「生き残りの掟」だと僕は思います。
●比較的取得が簡単。(ストラテジ系・マネジメント系問題が多い)
2009年に『初級システムアドミニストレータ試験』が『ITパスポート』になり受験生の合格率が上がりました。
合格率はだいたい50%弱くらいです。
さらにストラテジ系・マネジメント系だけで半分以上の出題数です。
ストラテジ系(経営全般):35問程度
マネジメント系(IT管理):20問程度
テクノロジ系(IT技術):45問程度
ITパスポートはITの試験というより「リテラシー」「教養」に近いと僕が考えるゆえんです。
ここまでIT比率が低いともう『文系や営業のための試験』と言ってもいいかもしれません。
特に大学の学部が社会科学系学部(法学部・経済学部・経営学部)の方だと大学時代に習った単語が出てくる可能性があります。僕も社会科学系の学部だったのでストラテジ系・マネジメント系分野の理解はかなり早かったです。普段の営業活動で先方の社長から経営相談を受けた方もおられるかもしれません。
昔勉強したことや経営相談されたことをおさらいするだけで半分近く得点取得できるのですから、あとは専門分野以外のテクノロジ系知識を少し強化すればいいのです。
さらに今はCBT試験にも対応したのでいつでも受けられます。
2009年にITパスポートが始まりましたが、当時はまだ春と秋の試験場でのペーパー試験だったので僕は春の試験は日曜に仕事で受けれず、、、
秋の試験の時も日曜に仕事が入りそうでしたが、かなり前から職場に根回しをしてやっと日曜受験ができました。
今の人はかなり恵まれていると思います。。。
●他の試験もスライド受験できるようになる。
取得後の他受験へのメリットも大きいです。
ITパスポートは情報処理区分ではレベル1なのでレベル2の基本情報技術者の午前試験もITパスポートと同じく四者択一試験です。
是非、次は基本情報技術者を狙いましょう!転職市場でもさらに大きく評価されます。
さらに情報処理以外の試験も狙いましょう。季節としては情報処理試験のない夏と冬です。
僕のおススメはIT系営業マンが比較的取得しやすく、30代以上でも転職しやすく、さらに5年後の東京オリンピックに向けて需要が見込まれるNW系資格です。
まずはドットコムマスターアドバンス★、できれば★★です。
NTT系列唯一の資格ですので取得すればNTT系列の会社をはじめ、KDDI、ソフトバンク等の通信企業、OCN等のプロバイダでも一定の評価はされると思います。
メリットはCBT試験な上に一度取得すれば一生更新しなくていいところです。
次に実はオイシイ資格であるテレコムアドバイザー。
メリットは名前の響きがいいところと認定カードがもらえることです。
問題も比較的簡単です。
さらに仕事でモバイル関連の商品を扱っている方にはMCPC系モバイル資格もお勧めです。
メリットはモバイル資格を持っている人が少ないこと、2級1級は情報処理試験の約1か月後なので勉強モチベーションが落ちないこと。
そして最上位のシニアモバイルコンサルタントやWCETまでいけば非常にオイシイ特典が多いことです。
まずは次のスマートフォン・モバイル実務検定とモバイル技術基礎検定を申し込みましょう。僕はどちらもITパスポート合格後に受験して一発合格しました。
また「モバイルの資格を持っている」というだけで職場での評価も少し変わるでしょう。
いかがでしょうか?
ITパスポートを取得する気持ちになっていただけたでしょうか?
もし迷うならもう一回目は模試だと思って申し込んだほうがいいです。
国家試験なので受験料も5,100円(消費税込み)と格安です。せっかく税金払ってるなら受けましょう!
個人的には下手な5000円くらいのDSのゲーム買うよりよっぽど楽しめると思います!
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ここまで読んで、僕がなんでこんな長文を書いてまでIT系営業マンにITパスポートや資格取得の話を必死にするか不思議に思った方もいるかもしれません。
その理由は昔のIT系営業の時の仕事仲間にこのような話を必死にしても、
「ふーん、そんなものかねぇ。。。」
といううすーーーい反応をする人がほとんどだったからです。
なのでここまで読んでくれた人がいるだけでも感謝!感謝!!です!!!
感謝しすぎて『感謝の正拳突き』1万回したいくらいですw
次はIT系営業マン向けのITパスポートの具体的な試験対策のエントリを書こうと思います!!