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藤子・F・不二雄さん著『征地球論』のミニマム宇宙人と考えるベーシックインカム制度!

今日は超カワイイ藤子漫画で『ベーシックインカム制度』を考えてみます!!

 

その漫画は藤子・F・不二雄短編の、

『征地球論』

で、▼これらの短編集に収録されています!!

藤子不二雄SF全短篇 (第3巻)

藤子不二雄SF全短篇 (第3巻)

 
藤子・F・不二雄SF短篇集 (4) ぼくは神様 中公文庫―コミック版

藤子・F・不二雄SF短篇集 (4) ぼくは神様 中公文庫―コミック版

 

 

僕も年代的に藤子漫画で育ってきた世代ですが、

このSF短編集にハマるようになったのは、30代半ばくらいで、それまでは子供の頃含めて存在も知りませんでした。

 

藤子SFは、SFと言っても「SF(少し不思議)」の略らしく、基本的に日常がメインです。

これは他の藤子作品と同じですね。

 

で、藤子漫画というと子供が主人公の漫画が多いのですが、SF短編集の主人公は大人や、場合によってはおっさんとかも多く、

テレビ等で見て来た藤子漫画の主人公の少年少女の

お父さん・お母さん世代が主人公

で、逆に子供が脇役の話も多くて面白いです。

 

おそらく想定読者が大人なので、かなりきわどい大人の話も多く、

「藤子先生、こんな作品、描いてたんだ!!」

と驚くものも。

 

そういう作品を読むと、

もしかしたら、藤子先生は本来、子供漫画よりこういう大人向けの短編集を描きたかったのかも?

とか思ってしまいます。

 

明らかに、

「売るため」

に描いてない作品が多いw

(実際にほとんど宣伝されてないのでは?僕も30代まで存在知らなかったし。)

 

なので、

全編においてメッセージ性が強い作品が多いです。

 

 

で、僕が30代中頃にハマってたのが▼この本で、本屋さんで見つけて1巻を買って、すぐに全巻買い揃えました!サイズも小さくていいです。

 

▼Kindle版でパーフェクト版が出てるのをこの記事を書きながら知りました!

スマホやKindle端末で全SF作品読めるのはいいですね!

 

紙の本でお子さんとかにも読ませたい場合は▼こちらですね。

サイズはかなり大きいです。あと、かなりきわどい表現もあるのでお子さんに見せるのは要注意かも。 

 

 

というわけで、そのSF短編集の中で僕が一番好きなのは、、、

 

この『征地球論』です!!

 

で、「一番好き」とか言いながら、

実はちゃんと読んだのは今回が初で、、、

 

ネットで存在を知りながら、ずっと買わずにいました。

(画像検索すると概要はなんとなくわかるw)

 

今回、ベーシックインカムを考えるにあたり、改めてちゃんと▼この本を買ったので感想を書いてみたいと思います! 

藤子・F・不二雄SF短篇集 (4) ぼくは神様 中公文庫―コミック版

藤子・F・不二雄SF短篇集 (4) ぼくは神様 中公文庫―コミック版

 

 

ちなみに▲この本は他作品も結構、面白い。

特に『征地球論』の次の『求む!求める人』はマーケット論で、営業マンやマーケターにオススメ!!

 

 

▼『征地球論』が発表されたのは1980年、僕がまだ2歳くらいの頃だ。

征地球論 - Wikipedia

 

日本はバブル真っ只中の頃で、それを念頭に置いて読んでいくといいと思います!!

 

今回は部分部分を端折りながら紹介し、そこからベーシックインカム制度を考えてみたいと思います!

 

まずは▼最初の部分!!

 

見ての通り、

このお話の主人公達は小さなミニマム宇宙人達!!w

 

まず、

なんと言ってもこのミニマム宇宙人達が可愛い過ぎます!!ww

 

 

で、そんな可愛いミニマム宇宙人達がなにを会議しているのかと言うと、、、

 

地球征服!!!w 

 

でも、結構、意見が別れているようです。

 

議長いわく、

「地球征服はたやすい」

とのこと。

 

けど、採算が合わない。

 

つまり、

「もっとコスパ良く地球を征服するにはどうしたらいいのか?」

という命題のために、議長は冒頭で会議室に帰ってきた調査員が持ってきた、

『地球深査最終データ』

を元に、地球人の行動を分析し始めます。

 

サンプルにしたのは、

「極東と呼ばれる地域の、ある島国の住人」

とのこと。

 

 

調査員は、

「地球人は人間がすべて平等であることを理想としている」

と説明する。

 

なので、地球人は基本的に、

『平等になることを目指している』

のだと。 

 

 

その過程で、ほとんどの地球人が獲得を目指す、

『カネ』というモノ

に注目する。

 

(まぁ、冒頭で『採算』とか言ってる時点で、この宇宙人の間にも『カネ』という概念はあると思うが、、、w)

 

 

議長は、地球人が総生産の分配方法について対立していることを知り、

「地球人の理想が『平等』なら、(カネを)仲よく山分けすればいいではないか」

と、非常にシンプルな疑問を呈する。

 

それについては調査員が地球の過去のデータを元に言及する。

 

 

ああ、日本の戦後にも▼『財閥解体』という茶番劇がありましたなぁ、、、

財閥解体 - Wikipedia

 

「人間社会は(徳政令や土地の再分配等で)何度かきまわしても、ピラミッド型にまとまる傾向がある」

との調査員の報告に、、、

 

当然、疑問を呈する▼議長以下の宇宙人が可愛いw

 

サンプルに選んだ地球人が、あまりにもパチ●カス過ぎる気もしますが、、、

 

そのデータに関して、当然、、、

 

 

 

地球人は、

『機会の均等』

を求めるが、最終的には、

『結果の均等』

も求め始めるんじゃないか?

 

と、

とある宇宙人は分析する。

 

これはまぁ、当たっていますねぇ。。。

『共産主義』とか『資本主義』とかに限らず、地球人全般に言える傾向。

 

藤子・F・不二雄SF短篇集 (4) ぼくは神様 中公文庫―コミック版

藤子・F・不二雄SF短篇集 (4) ぼくは神様 中公文庫―コミック版

 

 

ただ、僕はこの、

「人生をレースに例える」

というのが、

「プロダクトの『生産性』」

がまだまだ貧弱だった20世紀までの発想なんじゃないか?

って考えます。

 

モノが少なかった、もしくはモノの機能が低かったから、取り合い、もしくは機能を向上するレースが繰り広げられていたのが20世紀までの人類であって、、、

 

「モノの機能を向上させたヤツが勝ち」

であり、それ以外の人間、例えば『芸術』とか『表現』においても、

「『売れる作品』を作った人間が勝ち!」

というモノ作りと同じルールが適用されてしまっていたように思える。

 

で、21世紀に入り、

「プロダクトの『生産性』」

がカンストに近づき、、、

 

そんな20世紀までの価値観にほとほと呆れた人たちが、ある意味▼『ミニマリスト』と呼ばれる人種になったのかもしれない。

ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -

ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -

 

 

 

で、『征地球論』の話は少し飛び、、、

 

 

「カネがないから、このままでは首つるしかない!!」

「仕事を辞めたら、餓死してしまう!!」

「生活保護費が引き下げられると生きていけない!!」

ってのは、まぁ、

21世紀のtwitterやブコメでもよく見てとれる発言

ですが、、、

 

「それは違う」

と、データを元に明確に否定する宇宙人がいる。

 

 

要は、

「個体の摂取カロリーを見ると明らかに死ぬレベルではない!」

ということだ。

 

これは僕の、

「現代日本にいる限り、餓死する確率は極めて低い!」

という意見と完全に一致するw

 

むしろ、今では『カロリー』という単語は、

「どう減らすか?」

という文脈で語られることが多いと思う。

 

なので、一家心中、餓死、生活保護引き上げを訴える人達は、食えないのではなく、その前段に出てきた、

「声高く平等を叫ぶ人種」

なんだろう。

 

 

ただ、この宇宙人が言う、後半の、

「所得は上昇し、労働時間は短縮の傾向にある」

「『アリとキリギリス』の話を作って勤勉を称えたのは昔の話」

についてはどうだろう???

 

 

これは▼日米貿易摩擦が激しくなり、

プラザ合意に向かっていく1980年当時の日本の状況を背景に描かれている気がする。

日米貿易摩擦 - Wikipedia

 

この『征地球論』の別の地球人の言葉に出てくる『週休二日制の導入』を受けているんだと思うけど、、、

 

「ぬけがけのアリを牽制するために法律で休日を増やしている」

のはアメリカの圧力がかかった日本政府であって、、、

(当時、アメリカ人から日本人は「アリ」と呼ばれていた)

 

この後、

バブルが崩壊しても日本は所得が上昇せず、労働時間も短縮されていないw

 

やっと労働時間が短縮され始めたのは、それから25年経った2010年代後半だけど、、、

 

それでも、日本企業の集合体である経団連は▼『定額働かせ放題』を法律で定め、表面的には「働き方改革」とかいう「昭和の働き方維持」を進めようとしていると思う。

年収制限のない「定額働かせ放題」ってマジ?:日経ビジネスオンライン

 

まぁ、モノが行きわたった21世紀は、僕のような、

「働きたくないでござる!!」

な、ミニマリスティックな人間は、

早々に労働市場から降りてミニマム生活をしているんだけど、、、

 

未だに昭和の価値観を引きずっている、

『正社員しがみつき人間』

を、骨の髄までしゃぶってやろうという魂胆なんだろうな。

 

そんな人間が日本人の8割くらいだから、その性質を利用して,

『安価な労働力』を確保しようとする

のは、まぁ、「利益を追求する」企業なら当然の戦略なのかもしれない。

 

そう言えば、この間、

「週休7日が幸せなのか」

と言った人がいましたな。。。

「週休7日が幸せなのか」過労死遺族にワタミ創業者の渡辺美樹氏発言、抗議に謝罪 - 産経ニュース

 

僕は、

「幸せに決まってるだろ!ずっとブログ書いてられるんだから!!w」

と即答してしまいましたww

 

 

ただ、まぁもう少し真面目に言うと、、、

 

 

憲法にも保証されている、

『職業選択の自由』を行使しない日本人

がナンセンスだと僕は思います。

 

みんなが職場として選ばない企業は自然淘汰されていくわけで、、、

それこそが『資本主義』でしょう。

少なくとも日本は『共産主義』国家でもないし、独裁国家でもない。

 

結局、

「イルミの針」

を自分で抜けないから、半永久的に、

いち企業ごときに人生をボラれ続ける

んだと僕は思います。

 

ボラボラボラボラ!!

ボラーレ・ヴィーア!!!

 

 

働かないアリに意義がある (中経の文庫)

働かないアリに意義がある (中経の文庫)

 

 

 

藤子・F・不二雄SF短篇集 (4) ぼくは神様 中公文庫―コミック版

藤子・F・不二雄SF短篇集 (4) ぼくは神様 中公文庫―コミック版

 

 

で、話を『征地球論』に戻すと、、、 

 

「抜け駆けのアリを牽制する」ことを「理解できる」という議長。

 

なぜなら、生存のためのエネルギー(の確保)は、

「失う分を少なく」 

「得る分を多く」

 と考えるのが自然だからだ、と。

 

なので、働いて、カネ、つまりエネルギーを多く確保しようとするアリを牽制するのは(少なくとも1980年当時においては)、

「理解できる」

のだろう。

 

ちなみに21世紀の現代では、働けど働けど、賃金は上がりませんw

なぜなら『定額働かせ放題』システムだからwww

(本来は、『定額働かせ放題』システムこそ、牽制すべき制度だと僕は思う) 

 

 

で、エネルギー効率における、

「得る分を多く」

に関しては地球型生物は、

「先カンブリア時代からその姿勢が現れる」

と、調査員は説く。

 

 

地球上のモノは、ほとんど、太陽の輻射熱で成り立っている。

 

そうなると、太陽の輻射熱を自己でエネルギー変換するより、

「出来合いの有機物」

を頂いたほうが効率的だ。

 

我々がご飯を食べるのはそういう理由だ。

 

あと、石油や石炭、レアメタルやメタン・ハイドレードなどを人類間で奪い合うのも、太陽の輻射熱の効率的な利用方法を巡る争いだな。

 

 

で、その方針で地球型生物が進化しているがゆえに、、、

 

人間は『家畜』という名の『動物タンパク製造装置』を開発する。

 

まぁ、これは「良い」「悪い」で一概に言えない。

 

なぜなら、地球型生物の設計思想が、先カンブリア期から一貫して、

「得る分を多く」

というエネルギー効率化の方針だからだ。

 

 

次に、

「失う分を少なく」

について、調査員は分析する。

 

 

『労働』を行うとカロリーを消費する。

 

なので、多くの生物は、

『労働』を別の個体にアウトソーシング

してきて「省エネ」してきた。

 

 

さらに、脳みそが他の種より飛びぬけて大きい『人間』という種に限っては、、、

 

 

無機物である『機械』に『労働』を代行させ、、、

 

ついには、脳みその大きい人間の専売特許である、

「考えること」

まで機械に代行させようとしている。

 

そうなると、人間の『労働』とは、

「機械を働かせること」

と同義語になる。

 

 

21世紀初頭の人類は「電子計算機」である、パソコン・スマホ・タブレット等を働かせて仕事をしているが、、、

 

その、

「電子計算機を働かせること」

自体も、AIという『機械』に取って代わられようとしている。 

 

隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

 
AIとBIはいかに人間を変えるのか (NewsPicks Book)

AIとBIはいかに人間を変えるのか (NewsPicks Book)

 

  

調査員は続ける。

 

「人間が『楽してもうかる社会』を目指しているとすれば、目ざましい成果を上げている」

と説く。 

 

「しかし、常に欲望がその『成果』を上回って肥大化するために、不満がつのる。彼らは永久に満足しないのではないか」

と続ける。

 

 

2000年に出版された▼この本の帯には、、、

20世紀どんな時代だったのか ライフスタイル・産業経済編

20世紀どんな時代だったのか ライフスタイル・産業経済編

 

 

 あふれるモノ、情報・・・

「欲望」に駆り立てられたわれわれはどこへ向かうのか?

と、書かれている。

 

 

『征地球論』の調査員と同じく、

80年代・90年代を生きた日本人の何人かはそう考えていたんじゃないかな???

(僕は子供の頃からぼんやりそう考えていて、中学で無人島でキャンプとかしていた)

 

 

80年代にデザイナーでボロ稼ぎし、高年収を捨ててバックパッカーになった▼蔵前仁一さんという人がいる。 

あの日、僕は旅に出た (幻冬舎文庫)

あの日、僕は旅に出た (幻冬舎文庫)

 

 

上記著書によると、彼が旅に出た理由は、

『すべてを失いたいという欲望』

に勝てなかった

からだという。

 

なにが言いたいのかと言うと、、、

「彼らは永久に満足しないのではないか」

と、『征地球論』の調査員は言ったが、、、

 

蔵前さんのように『足るを知る』人間が21世紀になって、顕著に表れ始めてきた。

ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -

ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -

 

 

「人間の欲望には限界がないんじゃないか?」

と思う人は20世紀には多かったのかもしれないけど、

限界は実はあったのだ。

 

いわゆる、

『賢者モード』w

 

それはやはり、

「プロダクトの『生産性』」

がカンストしたことによってもたらされた『悟り』なんじゃないかな?? 

 

 

そうなると、

カネや機械によって『数値化』できないことにこそ、価値が出てくるように僕は思える。

 

 

『機械』はそのためにあるんじゃないか?

と▼僕は考えます。 

人間には人間らしい仕事をさせよ。そのために機械がある。(土光敏夫) - A1理論はミニマリスト

 

なので、

「AIに仕事が奪われる!!」 

という考えは根本的におかしいんじゃないかと僕は考えます。

 

で、人間が人間らしく仕事をするには、やっぱり、

『富の再分配』

が必要だと僕は考えます。

 

奇しくも、先日お亡くなりになられた▼ホーキング博士と同じ考え方です。

 

 

『征地球論』の前半で、宇宙人達は地球人社会をレースに例えていますが、、、

 

僕は、

「もう全員でレースはする必要ない。レースはしたいやつだけすればいい。」

と考える。

 

なぜなら、

「プロダクトの『生産性』」

がカンストしつつあるから。

 

それでも働きたい人間は働けばいい。

いや、むしろ、生産性が低い人間がそいつらの足を引っ張るべきではない。

 

 

で、働きたくない人間や、今まで生活のために働いていた人間は、

『芸術』や『執筆』や『旅』等、人間にしかできないことをすればいい

と思う。

 

もっと言えば、

なんにも『生産』しなくてもいい。

 

今後、多くのコンテンツは無料化していくのだから、いくらでも無料で人類の遺産を楽しめばいいと思う。

 

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

 

 

これは今でも『世界遺産』を人間が訪れるのと同じで、

「素晴らしければ課金する」

という、

『ペイ・フォワード』的におカネを使えばいい

と、僕は思う。

 

なので、この、

「プロダクトの『生産性』」

がカンストした21世紀。

 

意味のない競争を断捨離するため

にも、そして、

マキシマムに頑張っている人の足を引っ張らないため

にも、

僕はベーシックインカム制度は必要だと思っています。

 

 

 

というわけで、

地球を征服しようとした宇宙人がどういう結論を出したのか?

 

気になる方は▼こちらをご購入下さいw

藤子・F・不二雄SF短篇集 (4) ぼくは神様 中公文庫―コミック版

藤子・F・不二雄SF短篇集 (4) ぼくは神様 中公文庫―コミック版

 

 

あと、ググって出てきた、小田急線の生田にある『藤子・F・不二雄ミュージアム』に『征地球論』の自作Tシャツを着てきた▼女性、センスあるなぁw

「征地球論」の宇宙人たち! | 川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム

 

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